府中・京王線沿線の家庭教師、戸田朝海です。
前回の記事で、
親が子どもを教えようとすると
どうしてもイライラしてしまう現象には
「立場」が関係しているのではないか…
ということをお伝えしました。
どういうことかって言いますと
私、戸田朝海の場合は
生徒さんと向き合っているとき
100%「先生」という立場にいるんですよ。
「先生」として
「生徒」であるお子さんが
どうすれば伸びるのか
悪い癖が治るのか
力が出せるのか
集中力が上がるのか
練習が身につくのか……
そういうことだけを
考えているわけです。
そこに「私情」はありません。
その子が好きであるとか嫌いであるとか
(まあ、嫌いな生徒はいませんけど)
感じがいいとか悪いとか
期待してるとか心配だとか
そういうことは全く考えずに
その子の
「勉強面」において必要なことだけ
を考えて対応しています。
ですから
仮に生徒から嫌な態度を取られたとしても
カチンと来たりとかはしないんですね。
何故なら、嫌な態度を取られた
その瞬間に
「こういう嫌な態度を取る生徒の信頼を得るには、どうすればいいか」
「嫌な態度で勉強から逃げようとする生徒を集中させるには、どのように対応すればいいか」
という、先生としての思考に
一瞬で切り替わり、
そのための対策を取る方に
意識が集中してしまうからです。
もちろん、生徒さんの中には
特別気が合う子もいますし
年齢が高い子は、ちょっと「お友達」っぽく
話せる子なんかもいますけど
その辺の感覚は
授業中には完全に封印しています。
そうしないと、
当然ですが「けじめ」がなくなりますからね。
けじめのない授業で人を伸ばすことはできないので
その辺は、完全に「生徒を伸ばすこと」だけを考えて
それに集中しているわけです。
で・す・が
これを保護者さまがやろうとすると
他人である私より、難しさが増すんじゃないか
と思います。
それが、前回言った「立場」ですね。
お母さまの場合
お子さまを教えようとするとき
「母」と「先生」という
二つの立場を共有しています。
(お父さまの場合は「父」と「先生」ですね)
ですから
「先生」という立場で接しなければいけないときに
「母親」としての顔や感情が顔を出してしまうことがあり
それが、教えることを
難しくしている原因の一つではないかな
と思うのです。
例えば……
さっき言った「嫌な態度」を取られたとき。
立場が完全に「先生」であれば
イラついたりはしません。
しかし、ここで「母親」の立場が
顔を出すと
「母としての愛情を否定されたようで悲しい」
「家族間の親しみが失われたような気分になる」
「親として「しつけ」をしなければいけない、という使命感が出てくる」
「こんな態度を取るようになったのは、私の今までの教育が悪かったのだろうか、と責任を感じる」
「こんな性格で人間関係は大丈夫だろうか?と心配になる」
「このまま大きくなったら、将来大変な思いをするのでは…?と心配になる」
また、お子さまが「わからない」と言ったとき
「やっぱり自分に似て算数は苦手なんだ…と落ち込む」
「もっと早く勉強させておくんだった…という後悔」
「自分の子なんだからこれくらいわかって欲しい、という期待」
「将来こうなって欲しい、という夢や展望を裏切られたような失望感」
このように、愛情や期待から来る負の感情や
過去の反省、自責の念、今は必要のない心配など
「教える内容」と直接関係ない様々なことが
たくさん浮かんできて
感情が乱れ、イライラしやすくなる
ということはないでしょうか?
これはもう「親子」ならではの
お悩みだと思います。
「親」と「子」は、「先生」と「生徒」より
遥かに距離が近いですし
親しさの度合いも、愛情の量も違いますし
今までのお付き合いの歴史も深いですし
何より毎日一緒に暮らしていますから
色んな面が見えすぎてるわけです。
ですから、ただ単に「先生」でいればいい私より
様々な感情が出やすくなってしまう。
これはもう、仕方ないことだと思うんですね。
その上で、
それでもどうにかして
自分で教えられるようになりたいんだ!
という場合は
まず、意識して
「立場」を「先生」に固定させること
を考えてみて下さい。
親としての「私情」は捨てて
「先生」に徹する。
余計なことは考えず
今やっている「勉強」だけに集中する。
それだけでも、だいぶ変わってくると思います。
そのために必要なのが
「感情のコントロール」
ですね。
意識していても
どうしてもイライラしてしまう
ってこと、あると思うんです。
ある意味、それも当然ですから
それについてご自分を
責めすぎないでくださいね。
大事なのは
「イライラしないようにすること」よりも
「イライラしたときに、どう対応するか」
です。
ちょっと思いのほか
これも長くなったので、次回に回しますね♪
すいませ~ん(>_<)

