スコーンの写真はいつも美しい。





SNSで料理アカウントをやっているので、フォロワーさんやフォローしている方々が焼くスコーンの写真がタイムラインに流れてくるのを度々目にする。

美しくないスコーンを見たことがない。

こんがりと焼きが強いスコーン、白さを保って焼かれた上品なスコーン、腹割れが何度も起こって大爆発しているスコーン、ヒビが入ったような小さな腹割れが上品で抜いたときの綺麗な形を保っているスコーン、三角のスコーン、四角のスコーン、丸のスコーン、お花見たいなスコーン、全部全部愛おしい。






スコーンというのは、バターを粉とふくらし粉に合わせて、ちょっとの砂糖と塩も混ぜて、牛乳や卵などでひとまとめにし、適当に切って焼いたクイックブレッドのようなもの。


どの家の食糧庫にもありそうなシンプルな材料で、待ち時間もなく焼けてしまう簡単なおやつ。

しかし、一見似たり寄ったりなスコーンも、意識して口にしてみると、味や食感…特に食感が全く違っている。







どっしり重たくて、粉っぽいスコーンはもさもさとしていて、口の中の水分を一気に奪う。そういうスコーンは、たっぷりのクロテッドクリームを乗っけて、これまたたぷたぷに注いだ温かい紅茶と一緒に、口の中で溶かしていくようにたべる。


イギリスのティールームで頂いたスコーンは、ふかっとしていて、パンのようなものが多かった。パンのようにふわふわではないけど、サクサク感がなくて、あと店によっては乾いていた。(イギリスでスコーンを食べるのなら、ハロッズの食品フロアで購入ものが美味しかった。)











スターバックスさんのスコーンはサクっとほろっとしていて、そのまま食べても結構甘い。




成城石井さんのスコーンは、パサパサほろほろしていて、口の中の水分をぎゅいんぎゅいんと奪う。





あまり食べたことがないけど、無印のスコーンもパサパサほろほろしているイメージ。


菓子屋シノノメさんのスコーンは生地がみっちり詰まった重たいスコーンで、これも水分がないと食べ辛い。食感はザクザクとしていた。









スコーンは外で食べるものではないと思う。

スコーンの賞味期限は短い。家で作って、オーブンから出したものを冷ましている間に紅茶を淹れて、部屋中に充満した焼き立てスコーンの香りと一緒にいただく。スコーンの本当のおいしさを味わえるのは、焼いてからおそらく1時間くらいまで。






翌日に頂くスコーンも、オーブントースターで焼き直せば結構美味しい。だけど、焼き立てのスコーンには太刀打ちできない。








理想的なスコーンとはどういうものだろう。

もさもさのスコーンにたっぷりのクリームを塗り込んで、ジャムをちょっぴり乗っけて、熱々の紅茶と一緒に頂くのも好きだけど、私が一番好きなスコーンはちょっと違う。







私の好きなスコーンは、焼き色が濃くって、端がザクっとしていて、表面はサクッとしていて、パカっと半分に割って内側に指先をつけると、しっとりしているのが伝わるスコーン。

バターの良い香りがして、こんがりついた焼き色のおかげで香ばしくて、小麦粉やバターにお砂糖の甘さがじんわりと口に広がる。

紅茶くらいは一緒に頂きたいけども、それだけでおいしさが完結していてクリームもジャムもいらないスコーン。






バターの代わりに植物油でスコーンを焼くこともある。さくっふわっとした素朴な味に仕上がる。ほのかな甘みと、塩気と、香ばしさを感じるスコーンは、ホットビスケットのようで、これは紅茶よりも、食事に合わせるのがおいしい。








最近究極のスコーン作りに励んでいたので、そのことについて書きたかったけど、もう写真が貼れないようなので、その話はまた今度。





最近使っていて気に入っているスコーン型。





スコーンのはなし




〜イギリスのスコーンたち〜
 

ドタバタアフタヌーンティーに行ってきた話

↑留学先の街のケーキ屋のチェーン店で頂いたスコーン。





〜日本のスコーンたち〜