日本に帰ってきて3日が経ちましたが、荷物の中身はまだ解体していません。荷物を放ったらかして何をしているのかというと必死の断捨離です。


一年きりのイギリス生活、ものを買いすぎると捨てることになり無駄になり、捨てずに日本に送ったとしても送料という名のお金がかかるので、小さな部屋で必要最低限のものだけで暮らしてきました。


ものがなくても困ることなく、服の数が少なくてもむしろ日本にいたときよりお洒落ができており、日本の部屋もイギリスの頃のお部屋を目指して、いろいろ捨てまくっています。

 

大きなゴミ袋10袋分のがらくたが私の部屋から出て行きました。この調子で続けます。


断捨離の息抜きにスコーン焼きました。




今日はそんなスコーンのお話

レシピも載せておきます。








スコーンは、1500年代にスコットランドでうまれたクイックブレッドの一種です。


今の形になる前は、スコットランドでよく採れるオートミールを使い、グリドル(鉄板)の上で大きく焼かれていたそう。


スコーンという名は、オランダ語で美しいパンを意味するschoonbrotから来たとか、Stone of Destiny(スクーンの石)という名のスコットランド王が戴冠式を行う場所から来たとかいろんな説があります。


スコットランド生まれのスコーンが、どうイギリス全土で食べられるようになったかというと、ヴィクトリアサンドイッチの説明でも登場した、ヴィクトリア女王の女官、アンナ・ラッセルがここでにも絡んできます。



ヴィクトリアサンドが登場した背景と同じように、午後4時頃の小腹の空く時間、使用人に、紅茶と、お腹にたまるちょっとしたお茶菓子を運んでくるように頼み、そのひとつがスコーンだったそうなのです。その習慣が後々アフタヌーンティーへとなっていったのですが、だからこそスコーンもヴィクトリアサンドイッチと同様にアフタヌーンティーのレギュラーメンバー入りをしました。


どこのスーパーのベーカリーコーナーにも焼きたてのスコーンが山積みに置かれているし、パンコーナーには数個並んで袋詰めされたものが置かれているし、今ではすっかりイギリスの国民食となったスコーンです。


日本でも食べ物にまつわる色んな論争があるように、イギリス人もスコーンについては真剣。クロテッドクリームを先に塗る派とか、ジャムを先に塗ってクロテッドクリームは後に塗る派とか、スコーンをスコンと発音する派とか、スコオンと発音する派とかね。ちなみにクロテッドクリームに関しては先に塗るのがデヴォン式、後に塗るのがコーンウォール式だそう。






ふんわりさっくり全粒粉のスコーン




材料

☆準強力粉 90g

☆薄力粉 110g

☆全粒粉 25g

☆ベーキングパウダー 大さじ1(※より気持ち少なめ)

☆塩 ひとつまみ

バター 50g(直前まで冷蔵庫)

グラニュー糖(上白糖でも) 25g

○卵ひとつ+牛乳=120ml


手順

1、☆を高い位置からボウルに振るう。(空気を粉に抱え込ませるイメージで)(イギリスの薄力粉は蛋白質量が多いと聞いたので日本の薄力粉には準強力粉を合わせました。)


2、バターを1のボウルに落とし、ボウルの中でナイフを使ってカットしながら粉と合わせる。途中冷蔵庫に数分入れ、いったん冷やしたらまた取り出し、バターをナイフで刻むようにして粉と合わせる。バターの粒が小さくなってきたら、手で粉と一緒にこすりながら、粉にバターが行き渡り、粉チーズのように全体がサラサラになるまでrubbing inする。(ナイフを使うのは手の温度でバターが溶けてしまうのを防ぐため。)


3、2のボウルにグラニュー糖を投入しさらりと混ぜる


4、くぼみを作り、混ぜ合わせた○(卵と牛乳)を投入してナイフや箸でカットするように混ぜる。混ざってきたら、手でこねるように全体をまとめ、生地を折り畳んでさ粉っぽいところを重ねて押すようにしてまとめいく。


5、台や麺棒に粉を振るい、4の生地を乗せ、厚さ3cmに伸ばして(厚めにすることでしっかり膨らむ)、ナイフで4等分にする。


6、オーブンシートにスコーンを移し、カップの底に残った○の液をスプーンなどでスコーンの上に塗る。オーブンの設定温度を220度に落とし15〜18分焼く。



*牛乳がなかったので無糖の飲むヨーグルトを使いましたが、味や風味にヨーグルト感が出ることもなく牛乳の代わりに普通に使えました。


*4で生地を重ねてまとめいく際には、2〜3回に留めておいた方が良さそうです。私は何度も重ねすぎて、盛大にふくらみ、大きく割れて、焼き上がりに動かすと開きすぎた割れ目がまっぷたつに折れてしまいました。


*今回は5のステップで3センチの厚さに伸ばしましたが、膨らんで大きくなりすぎたので2センチ〜くらいがちょうどいいかもしれません。








お菓子を作っても、市販のお菓子をあげても、甘いものが得意でなくあまり進んで食べてくれない母ですが、このスコーンは気に入ったらしく、美味しい美味しいとパクパク食べてくれました。




使用カメラ Olympus omd em1 mark2 

使用レンズ Olympus M zuiko digital 45mm f1.8







参考文献

羽根 則子(2019)『イギリス菓子図鑑』誠文堂新光社


安田真理子(2018)『イギリスお菓子百科』ソーテック社



FoodReference.com, Scones: A SHORT HISTORY, [online] Available at <http://www.foodreference.com/html/a-scone-history.html>