またコーエン監督の映画です。「バートン・フィンク」(Barton Fink)は日本公開時に劇場で見たと思うのですが、内容にまったく記憶がありません。でもはっきりと、この映画のパンフレットかチラシは持っていて(引越しのときに処分してしまいました…)、主人公バートンの姿と蚊とタイプライターは憶えています。そして、わかりにくいけど、スタイリッシュな感じの映画だという印象も残っています。
そして、今回、DVDで20年ぶりに見ました。でもでも、ほんとうにこの映画のこと覚えていないです。きれいさっぱり。どうしてなのかしら。脳細胞の一部がすっかり抜け落ちた感じ。ふつうは、ストーリーの一部や、場面の一部に既視感があるはずなのに。もしかしたら、映画館で眠ってしまっていたのかもしれません。すごく稀なことなのですが、たまに、うつらうつらしてしまうことは当時ありました。
内容は、NYで名を上げた劇作家がハリウッドへやってきます。映画のシナリオライターとして、映画界の台会社と契約を結んで、うらびれた大きなホテルに住んで、一作目を書こうとするのですが、なかなか書けずに、いろいろ悩みながら、ホテルの隣室の太った男とひょんなことで知り合いになって、話をしたりするのですが、なんかとんでもない展開になっていって。という、コーエン監督作品にありがちなものです。
1940年代の時代設定で、ホテルのエレベーターや部屋、服装など、時代を踏襲した凝った造りで、目を楽しませてくれます。
主人公役はジョン・タトゥーロ。このバートン役は、ジョエル・コーエンを彷彿とさせますね。
映画を見終わったあと、箱の中味が何なのか、気になりました。まあ、推測はできるのですが、映画の中ではっきり箱を開けて見せてほしかったと思いました。しかし、映画としては見せないままのほうが奥行きが出ていいですね。コーエン作品では、映画が終わってから、あれはこういう意味だったのではないかとか、映画内のシーンやセリフや小物の意味をあれこれ考えて、ストーリーを再把握しなきゃ消化できないことが多いです。まあ、そこが良いところでもあるんですけど、映画を見たあとのバーンとした爽快感には欠けます。なんか、もやもや感が残るんですよね。
この「バートン・フィンク」は、もやもや度がかなり高い映画です。
コーエン好きとしては、必見の映画ですけれど、一般的にはどうかなあと思います。