最近の日商簿記1級をはじめとする連結会計の出題はいろいろと工夫が凝らされており、解いていて面白いです。
第167回では、親会社であるP社の個別決算整理をさせてから、S社の連結決算上の勘定残高を求めさせるという手の込んだものでした。
配点のバランスも良く、25点満点のうち個別決算が予想で16点、連結決算が予想で9点と64:36のいい配分となっています。
個別だけでは7割に少し届かない感じが絶妙ですね~。
たとえば、連結貸借対照表の土地の残高を求める際、従来の連結関連の問題では、親会社の決算が終わった状態なので、単純に親会社の土地残高と子会社の土地の残高に評価差額金を足すくらいで正解を求められました。
しかし、第167回の問題では、親会社の土地について資産グループ(土地・建物・備品の3資産)について減損損失を出し、それを各資産に帳簿価額の比率に応じて配分させ、そのあと土地の修正後簿価を出させます。
この減損会計適用後のP社土地残高に子会社の土地残高を足すわけですから、この組み合わせだけでも格段に難易度が上がるのがわかりますね~
いや~、こうして書いてみて、日商簿記1級の難易度が上がっていることが実感されます。
専門学校としのぎを削っているうちに、お互いに進化しているのですね。
会計士受験生の方の基礎の確認としても、非常に参考になる問題だと思います。
もちろん、連結の実務のベースにもなる問題ですね。
これから1級を目指す方は、この第167回1級商簿は良問ですので、ぜひぜひ取り組んでみてくださいませ。