今回は歴史小説のご紹介です。
解体新書の裏側を描いた「冬の鷹」です。
日本史の授業を思い起こすと、
解体新書=杉田玄白というイメージがやや強いですが、
実は杉田玄白先生はオランダ語をそれほど得意としておられなかった、
という流れで話しが進みます。
翻訳事業の中心人物は前野良沢先生であり、
職人肌である前野良沢先生は出版に消極的だったそうです。
いまでいうと出版企画・プロデュース的な役割=杉田玄白みたいな
印象を強く受けました。
両者の晩年の対照的な叙述で興味がさらにわいてきます。
当時はオランダ語辞典がなく、かなり困難な語学事情で
医学の専門書をほぼすべて翻訳しきったという大事業、
そのプロセスだけでもお腹いっぱいなのですが、
その前後の人間模様がとても奥深い。
映画になってもいいし、なんなら大河ドラマにしてもらってもいいのではないか?
との読後感を禁じ得ないほどおもしろかったです。
こういった深みのある本をたくさん読んで知見を広げることも、
リーダーシップを高める、あるいはコンサル力に深みを加える
事になるのではないかと思います。