これに対して、中小企業や個人商店では、大企業のように豊富な人材はいません。経理担当とはいえ、社員の入社・退社や社会保険の手続、業務上のトラブルの処理など、さまざまな業務を幅広くやることが多いわけです。したがって、大企業の経理部門にいる人達とは違って、会計を専門的に勉強する機会は少ないのです。
また、中小企業や個人企業では、投資家に対する情報公開などより、むしろ税金がいくらかかるかの問題の方が、よっぽど関心が高いという現状は、否定できません。
ある意味、ここに独立開業した会計士や税理士へのニーズがあるといえます。とすれば、いきおい、会計業務と切っても切れない関係にある、税金面のアドバイスや手続の代行などが、非常に重要となってくるわけですね。
このようなことから、独立してさまざまな仕事をこなすためには、どうにかして税務の知識を深めるチャンスを得たい、と以前から考えていました。具体的には、監査法人に勤め始めてから5年が経った頃に、もう一度将来について考えてみて、やはり独立開業をしたい、という思いが変わらなければ、思い切って転職し、個人会計事務所の門を叩いてみよう、と監査法人に入所した当初から決めていたのです。
そんなおり、入所4年目で監査チームの再編成がありました。
それから1年ほど、ひきつづき監査の仕事をやりながら今後のことをいろいろ考えました。そこで思ったことがあります。
「今は、監査法人という大企業の看板で仕事をしているから、関与先の経理部長さんや役員の人も『先生』と呼んでくれている。しかし、『〇〇監査法人』の看板をとったとき、『柴山』という個人の名前でどれぐらいやっていけるのか、自分の力を試したい!」
そういう思いは、3次試験を突破してから、よりいっそう強くなっていました。
かくして、入所してから4年と9ヶ月後に、監査法人を退職することとなったのです。
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