たとえば、企業が決算日に保有している財産は、監査人が直接会社にお邪魔して現物を確認できれば、これ以上の確実な検証方法はありませんよね。
このように、財産の現物を、監査人自らの目で数え、帳簿の金額と一致していることを確かめる監査手続を「実査」といいます。実査は、いわば財産の実地調査なのです。
この実査という手続自体は比較的かんたんなので、2次試験に受かったばかりの会計士補が担当することが多いのです。わたしも、新人の頃、会社の決算日には、業務時間終了と同時に、経理担当の方と一緒になって、現金や株券の数をよく数えたものです。
場合によっては、1千万円以上の現金を数えたりすることもあるので、ふだん小銭しか持ち合わせていない身としては、ずいぶんと緊張したことを、今でもはっきりと覚えています。