【連載】数字が苦手でも会計士になれたユニーク学習法 29-2 | 会計知識、簿記3級・2級・1級を短期間でマスター【朝4時起き活動のススメ】

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あくる日、いよいよ初出勤の時が来ました。



 その日は朝からどんよりと雲が垂れ込め、今にも泣き出しそうな空模様でした。


 わたしが所属することとなったチームは、4人で構成されていました。おもしろいことに、他の先生方は3人とも50歳以上の方で、わたしにとっては、親父が3人いるような、なんだか妙な感じでした。


 朝は、往査先となる会社の最寄の駅に930分集合の予定でした。


 初めてのことなので、ここはやはり早めに行くべきだろうと、待ち合わせ時間の30分前に、到着しました。


 それから20分ほどして、一人、また一人と公認会計士の先生がやってきます。930分ちょうどになって、最後に、パートナー(役員)のN先生が到着しました。


 「柴山君、今日からしっかり頼むよ。じゃあ行こうか」


 N先生に続いて皆が歩き出そうとした時です。


 「N先生、ちょっとすみません」


 「どうした?」


 「いや、実は…ちょっと緊急の用事で、キャッシュカードをつかえる場所を探しているのですが、先生、この近くにあるかご存知ですか?」


 N先生はさすがに少々驚いたらしく、わたしの目をまじまじと見ていました。


 「なんだ。いきなり金欠か?まあいい。俺も若い頃は金がなくて、給料の前借りや質屋通いで苦労したもんさ。キャッシュコーナーならあそこの角にあるよ。でもまあ、遊びもほどほどにな」


 まるで、わたしが浪費ざんまいの挙句、金に困っているように勘違いされてしまいましたが、言い訳をする気にもなれず、そそくさとお金を引き出しに行きました。

 初めての現場に向かう記念すべき日に、いきなり20万円の借金…


 人生、なかなか思い通りには行かないものです。




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