…たとえば、ずいぶん前に見た日経新聞の1面ですが、
次のような記事がありました。
「主力車『マーチ』生産 日産、タイに全面移管」
~業績回復へ リストラ策 新車開発2割減~
これ、かなり思い切った戦略転換だと、当時は思いました…
ともあれ、
このネタをもとに、スピーチの一例を考えてみました。
●「危機意識が、主力工場をも海外に動かす?」
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1.先日、日経のトップ記事なんですが、日産がタイに主力製品である
マーチの生産を全面移管する、という非常に興味深い話を読みました。
(事実)
2.「なんで今、タイなの?」って思いますよね。というか、この
不況時に工場の引っ越しなんて、なぜわざわざ金のかかることを…
と、最初に見出しを見たとき、小さな突っ込みを入れてしまいました。
(問題提起)
3.そこで、ちょっと気になってリード以下を読み進めると、タイへの
工場移転が「大きなコスト削減につながる」ことがわかりました。
(結論)
4.まずは、昨今の1ドル90円前後という、一年前には考えもつかない
ような厳しい円高の中、海外=外貨ベースで安く生産し、それを国内
に逆輸入することで、かなり製造コストが削減されるという読みです。
たとえば1万ドルで1台の車を作れたとします。かつての相場のように
1ドル120円くらいならば、製造コストが120万円したでしょう。
でも、今なら1台90万円で作れてしまう、というわけなのですね。
これだと、単に為替変動の要因だけで、
30万円÷120万円=0.25、すなわち25%もコスト削減に
なる、という計算です。
まあ、物事がすべてこのように単純にいくかどうかはわからないと
しても、最近の超円高傾向は、全面的な海外への工場移転を加速する
大きなインセンティブにはなりえそうですね。じゃあ、海外ならどこ
でもいいのか、というと、タイを選んだ理由がそれなりにあります。
タイには燃費性能に優れた小型車生産への優遇税制があるそうです。
もちろん、人件費等の物価水準など、いろいろな面とも考え併せて
決めたのでしょう。それにしても、思い切った決断ですね。
(理由づけ)
5.上記のような主力製品の工場を海外に移転する、という経営方針に
対しては、「これじゃあ日本の技術の海外流出や、産業の空洞化が
進んでしまい、日本からどんどん重要な経営資源が減って行って
しまうんじゃないの?」という声も上がってきそうですね。
(異議)
6.この点、「産業の空洞化」が非常に問題とされた10年以上前とは、
現在の企業を取り巻く環境が激変しています。
インターネットの発達や交通手段の利便性向上にともない、
年商数十億クラスの中小企業でさえ、海外進出をするのが当たり前
の時代となりました。今や、M&Aなどによる事業再編や他国の巨大
企業との厳しい価格競争が日常となっており、少しでも税制やコスト
の面で有利な事業拠点を選択することが、重要な経営戦略の一つと
なってしまったのです。
海外をまたにかけた、「柔軟な発想による機動的経営」ができない
経営者は、厳しい競争に勝てない、そんな思いを一層強くさせて
くれたのが、今回の日産自動車の決断に関する時事ニュースでした。
(反論と総括)
以上は、以前、たまたま手元にあった新聞を見て、即席で
ストーリーを作ってみたものです。