ロビーにいる人の動きが慌しくなりました。どうやら、そろそろ合格者が発表されるようです。
エレベーターに乗り、発表場所へと近づいていきます。
目的地に到着し、皆が一斉にエレベーターを降りました。
掲示場所には、まだ合格者名簿は張られていません。そこには、狭いスペースに何人もの受験生がひしめき合っています。
やがて、係の方が、合格者を掲示するべくやってきました。かたずを飲む瞬間です。
人だかりが静まり返ります。時が止まったようでした。
合格者が掲示されました。しかし、目の前は混雑していて、容易に近づけません。仕方がないので、少し人が減るのを待つことにしました。
3~4分もすると、何とか割って入れそうな状況になりました。
掲示場所に歩み寄る途中、ガッツポーズをするもの、ハンカチで目を拭うもの、明暗さまざまに私のそばを通り過ぎていきます。
「あった!」
自分の名前と受験番号を見つけました。
不思議と気持ちは穏やかです。
「とりあえず、もう2次試験の勉強をしなくて済むんだ」
それが最初の感想でした。
どこをどう通ったかは覚えていません。気が付いたら大手町の駅の改札前にいました。公衆電話が目に入ったので、まずは入院中の親に連絡を入れました。
「おめでとう。これで病気も早く治るよ」
とにかくこれで、少しは親も安心してくれるでしょう。
やはり、肩の荷が下りた感じです。
私は、家に戻ると、また少し眠りました。
ずいぶん長く感じましたが、まだ1日の半分も終わっていないのでした。
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