突然、電話がけたたましく鳴り出したのです。
「やったあ!」
私は、喜びいさんで受話器を取り上げました。
「まさゆき?」
「…え?」
母でした。
「心配で電話してみたんだけど、結果、どうだった?」
「まだ分かんないよ!」
言い終わらないうちに、ガチャン、と電話を切りました。
一瞬喜んだ分だけ、落胆の度合いも大きなものでした。
そうこうしているうちに、1時間、また1時間と無情にも時は流れていきます。
「落ちたか…」
私は、午後になってやっと、現実を受入れる心境に至ることが出来ました。
気が付くと、朝から何も食べていませんでした。
でも、全く空腹を感じません。
「まだ早かったのかな…」
そう心の中で呟くのが精一杯でした。
…このときの虚無感を想像してみてください。
「一年間の努力が水の泡」と思ってしまった瞬間です。
でも、それまでの蓄積は脳の中に残っています。
また、その時の身をもって体験した失敗の苦さは、後々の指導に、非常に大きく役立つことになります。
しかし、結果としてそれが無形の財産になっているなんて、当時の心境では想像もできなかったわけです。
こう考えると、「その時々の瞬間的な失敗経験」すら、その後の人生の糧となるのですから、大きな意味で「絶対の失敗」と言えるものなんて、この世には存在しなかもしれないですよ。
失敗体験は、自分のものであれ、他人のものであれ、必ず私たちに大きな教訓を与えてくれます。
普段の勉強をする時も、ぜひ、今申し上げた私の失敗体験をご参考にしていただいて、目的のレベルに応じて調整し、活用してください。
次のEpisodeでは、一年目の不合格後、私がちょっと悔しい思いをして、チクショーと思いながら自らの闘志に火を付けたお話をいたしましょう。
…でも、だからといってすぐに結果が出るほど甘くない、というのが世の中の一面でもあるのですけれどね。
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