いやなことからは徹底的に逃げる子です | 中学生の勉強法と親の心得 ~塾長直伝! 高校受験対策と反抗期の対応法~

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 「自分のいやなことをいわれると、貝のように全く動かず、しゃべりもしません」
 



 勉強のできない生徒は、とにかく不安でいっぱいです。その不安を煽るのは簡単ですが、その不安を減らしてあげることは難しく、それを根本から取り除いてあげるのは極めて難しいです。ストップウォッチを使った勉強も、たった10分では効果は無いですし、それさえも集中してやりきれないのが現実なのですが、それでも一緒に勉強してくれることで不安がやわらぐものです。

 ちなみに、たった10分さえ集中できないのも、集中した状態がどういったものかさえ分かっていないことがほとんどです。そのため、こちらが「集中しやすい状態」を作ってあげて、それができたら「今のは良かったね」と教えてあげることで、「ああ、こういうことか」と実感していきます。

 また、「聞く態度」も「勉強中のモノいじり」も同じですね。おそらく、本人からすれば「勉強しているふりをしてごまかそう」としているのでは無く、「それが普通の状態」になってしまっているかもしれません。それこそ、学校で全く意味不明の呪文を40分も聞かされる中で、ずっと黙っていないといけないとしたら、そういう行動で時間をつぶすしか無いのが現実ですからね。(そうやって考えると、私はむしろその子がいじらしくさえ思えてきます)

 そもそも、やる気は外から見えにくいものです。(素人から見て)やる気が見える子は、その時点ですでに問題の無い子がほとんどですし、成績が悪いのにやる気を見せる子は、むしろ演技上手なだけで別の問題を抱えた子では無いかと私はマークします。そういう意味で、「頑張り方」も「やる気の見せ方」も、全て分からないのが、勉強の苦手な子供たちなのですね。


 なお、「どれをしても、自発的に動こうとしてくれません。」とありましたが、これはさすがに無理ですよ(笑)

 過去に何度もお伝えしてきましたが、子供が自立的に学ぶ状態とは、ちょっとやそっとで実現できるものではありません。本当に自発的にやるようにしたければ、その教科を好きにさせたり、学ぶこと自体を楽しくさせたり、自分の成長に喜びを感じるようにさせたりなど、子供の内面的な価値観から変えていく必要があります。もちろん、人の価値観を変えることはとてつもなく難しい作業ですから、よほど大きな事件や出会いが無い限り、一朝一夕にはいきません。

 少なくとも、長い期間の関わりが必要で、それによって徐々に少しずつ変化をしていくものですから、「ある方法をすればすぐにそうなる」ようなものではありません。必要な知識やノウハウなどの情報量も大量になり、だからこそ正会員で別にご提供しているわけですから、安易な秘密の方法やテクニックを探すような発想は捨ててくださいね。

 そして、「やる気が無いのに勉強を教えても、確かに頭に入っていないし、ペースも遅く、身になりません。」については、そこまで強い自発性を呼び覚まさなくても、軽いやる気を起こさせるだけで、かなり違ってきます。具体的な話は個々の生徒によって変わってきますし、難易度的にも教師向けの内容になりますから、ここで細かく触れることはしませんが、これまでお伝えしてきたように、しっかりと子供の立場に立って考えれば、答えは自ずと見えてくることでしょう。


 最後に、「この子は特に、いやなことからは徹底的に逃げる子です。」については、残念ながら、小さい頃からの子育ての「成果」となります。はっきり言って、これは「性格」では無く「習慣」ですからね。

 そのため、お母様には全く責任はございません。しかし、だからと言って、放っておいて良いものでもありません。つまり、お母様は、他の人の関わり方のまずさの代償を払わなければならないお立場にあるわけで、本当に大変だと思います。

(この点は、私も散々悩まされてきたため、お気持ちはお母様以上に分かります)

 とりあえず、この点については「日常生活」と「勉強」は分けて対応するようにしてください。

 勉強はまさに「嫌なこと」そのものですから、最初はある程度ご機嫌をとるようにして、褒めたりなだめたりすかしたりするような関わり方になってしまうのもしかたないでしょう。1時間も止まられては、勉強が進むはずもありませんし、そこで厳しくして無理にやらせたところで、頭には入りませんからね。それに、そんなことで親子関係がまずくなっては、元も子もありません。ですから、そうならないように、上手に乗せながら進めていきましょう。

 一方、日常生活では、様子を見ながら指導をしていくべきです。この癖を持ったまま大人にさせてはいけませんし、高校になれば親御さんはもっと苦労することになりますからね。1時間でやらないならば、2時間でも3時間でも待つくらいの戦う覚悟は必要です。もちろん、いつも戦っていてはぎすぎすしてしまいますから、人として、または、家族内のルールとして、本当に譲れないことや大事なことについて限定した方や良いです。もちろん、「勉強」は本当に譲れないことであるはずが無いですから(笑)、こちらに含めてはいけないわけですね。


 いただいた内容に沿いながらのため、話の流れが不自然なところがあったかもしれませんが、お見逃しいただきつつ、参考にしていただけましたら誠に幸いです。