勉強の仕方を知らないのでしょうか? | 中学生の勉強法と親の心得 ~塾長直伝! 高校受験対策と反抗期の対応法~

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 「自分のいやなことをいわれると、貝のように全く動かず、しゃべりもしません」
 



 続いて、お子さんにどうやって教えていくのが良いかですが、これもとても書ききれるものではございませんから、ポイントを絞ってお伝えしましょう。

 この場合、最も重要なポイントは「お子さんは、全く何も分かっていない」ことです。これは、勉強が分からないと言うよりも、「何をすれば良いのか」「どうすれば成績が上がるのか」「どういう態度で勉強すべきなのか」など、全てですね。


 まず、「自分で、できないと決め付けてしまっているので、やろうともしません。」については、残念ながら「決めつけ」では無く「事実」ですよね。こちらが「可能性はある」「頑張れば何とかなる」と言ったところで、学校の成績が悪い現実は何も変わりません。

 お子さんの気持ちになってみてほしいのですが、仮にその時は納得してやる気になったとしても、翌日学校に行けば、全く意味の分からない呪文のような授業を聞けば、やる気など吹き飛んで当然です。「頑張って聞けば理解できる」と思うかもしれませんが、それは「できる側」の発想で、小学校内容から分からなくなっているような子供は、もはや先生が「何を言っているのかすら分からない」状態なのですね。

 九九でつまずいていると、少なくともそこから先の3年分はよく分からない状態になっているわけです。分かりやすさのために極端に言えば、「小学校3年生の頭脳のままで中1の授業を受けている」のに近い状態ですから、ついていけないのも当然ですよね?

(そのため、勉強を教える時も、その瞬間だけは小学校3年生くらいだと思って接するのがコツです)

 毎日の授業が全く分からなければ、子供にしてみれば毎日「お前はできない」「頭が悪い」と言われ続けているような状態です。「自分はできない」と思うのは、決めつけでは無く、もはや必然だと私は思います。もし自分がお子さんと同じ立場だったら、きっとやる気を無くしてしまうと思うからですね。

 もちろん、その決めつけを取り除いてやり、前向きに勉強に向かわせることをしないとできるようにはならないわけですが、「子供がやろうとしない」のは自然なことだと共感してあげるのがスタート地点で、その上で具体的な改善策を提示してあげることが大切になってきます。


 次に、「勉強の仕方を知らないのでしょうか?」については、まったくそのとおりです。

 それなりにできる生徒でも、勉強のやり方はあまり良く分かっていません。小学校内容でつまずいている生徒ともあれば、勉強のやり方は全く分からない前提でかかりましょう。

 提出物が出せていないことについても、おそらくは「分からな過ぎて、やろうにもやれない」状態だと思います。どこからどうやれば良いのかも分からなければ、ワークを開いてみても1問も分からない状態では、手のつけようがありません。

 もしそうであるならば、分からないところを教えるなり、最初の方を一緒にやってあげるなりの手を打つべきで、子供ができない状態を放置したままで「提出物を出さないから1です」などと言う教師は、指導放棄をしているのに等しい状態です。今回はそうで無いことを願いたいのですが、現実にはそういうひどい目に遭っている子供がたくさんいるのが現実です。

 そのため、私が実際に指導する場合には、それこそ問題番号の書き方から、ノートの使い方まで、本当に0から教えますね。何を教えるかはその子に合わせてですから一概には言えませんが、「分からないままの状態でワークをやらせる(=問題演習をさせる)」ことほど無駄な上に、生徒の自信を失わせるものは無いですから、それだけは絶対に無いように最大限の配慮をします。


 勉強の苦手な生徒は、とにかく「不安」でいっぱいです。今自分がやっている方法が正しいかも分かりませんし、本当にこれで頭が良くなるのかも分かりません。何かを覚えていても、本当に覚えられたかどうかも判断できずに不安です。そして、不安だらけだからこそ、余計に頭に入らなくなって、学習効果が落ちてしまいます。

 「今勉強しなければならない理由も、勉強しなさいという言い方をしないで伝えました」は、素晴らしい関わり方ですね。そこまでできたのならば、その後に「何を勉強するのか(+理由も。 以下略)」「どうやって勉強するのか」「どこに気をつけてするのか」「どうなったら合格なのか」「いつやるのか」「どこでやるのか」・・・なども伝えてあげると良いですね。そうすれば、並みの教師よりも上手になれますよ(笑)


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