図は抗癌剤治療と重粒子線照射の希望スケジュールの工程表。
放医研病院は重粒子線治療を専門としており、通常、患者は他病院からの紹介となる。
頭頸部や骨軟部腫瘍に対しては比較的(手術による侵襲が大きすぎる事から)医師から
紹介される例が多い。
しかし消化器や呼吸器の場合は、患者側が積極的に動くことが不可欠である。
特に肺癌の場合、適応になるのはI期、II期までが殆どである。
私のようにIV期で、抗癌剤が奏効するのが「前提」となるケースは稀である。
また呼吸器への照射は通算500例程度しかない。肺癌は毎年5~7万人が罹患する、
とされており、この15年間の患者総数に対する割合は、僅かに500人/100万人となる。
仮にある医師が肺癌患者2000人を担当しても、その中で重粒子を経験する患者は
「たった一人」という計算になる。理解が無くて当然と言える。
私の癌細胞は成長が極めて速く、およそ24日で体積が倍増する。抗癌剤から照射まで
の期間は極力短く設定するのが好ましい。希望照射時期から逆算し、治療や検査日程を
決めてゆく必要がある。
1.まず、抗癌剤4コース目のダメージが抜ける10月照射を目標とする。
2.すると、重粒子線治療の準備・検査に要する期間2~3週間と、倫理審査に
要する1~2週間を合わせ、遅くとも1ヶ月前には放医研に出向く必要がある。
3.適応性審査には最低でも肺のCTと骨盤MRIが必要となる。MRIはがんセンター程
の病院でも2~3週間前に予約を取る必要があり、早めに動かねばならない。
しかも、その時点で肺の病巣は寛解している事が照射受け入れの最低条件となる。
抗癌剤投与や副作用の合間をぬい、紹介状やCD-R等の医療情報を準備し、
がんセンターの主治医と放医研担当医の両方の理解を得る必要がある。
私の主治医は重粒子線治療に違和感を持っておらず、私が希望すれば協力してくれる。
にもかかわらず、ギリギリの体力のなかで調整を強いられるのは実は楽ではない。
しかも世の中には治療方針に患者が意見を述べたり、提案したりするのを嫌う
医師も少なくない。ひどい場合は治療状況を聞くだけで不機嫌になる場合もある。
そういった医師に担当された場合、他院で、しかも放医研で重粒子線治療を
行うのは、例え医学的なメリットがあったとしても完全に不可能である。
重粒子線治療が正しく認識され、世の中に広まる為にはこういった障壁をも
乗り越えてゆく必要があると考える。
放医研病院は重粒子線治療を専門としており、通常、患者は他病院からの紹介となる。
頭頸部や骨軟部腫瘍に対しては比較的(手術による侵襲が大きすぎる事から)医師から
紹介される例が多い。
しかし消化器や呼吸器の場合は、患者側が積極的に動くことが不可欠である。
特に肺癌の場合、適応になるのはI期、II期までが殆どである。
私のようにIV期で、抗癌剤が奏効するのが「前提」となるケースは稀である。
また呼吸器への照射は通算500例程度しかない。肺癌は毎年5~7万人が罹患する、
とされており、この15年間の患者総数に対する割合は、僅かに500人/100万人となる。
仮にある医師が肺癌患者2000人を担当しても、その中で重粒子を経験する患者は
「たった一人」という計算になる。理解が無くて当然と言える。
私の癌細胞は成長が極めて速く、およそ24日で体積が倍増する。抗癌剤から照射まで
の期間は極力短く設定するのが好ましい。希望照射時期から逆算し、治療や検査日程を
決めてゆく必要がある。
1.まず、抗癌剤4コース目のダメージが抜ける10月照射を目標とする。
2.すると、重粒子線治療の準備・検査に要する期間2~3週間と、倫理審査に
要する1~2週間を合わせ、遅くとも1ヶ月前には放医研に出向く必要がある。
3.適応性審査には最低でも肺のCTと骨盤MRIが必要となる。MRIはがんセンター程
の病院でも2~3週間前に予約を取る必要があり、早めに動かねばならない。
しかも、その時点で肺の病巣は寛解している事が照射受け入れの最低条件となる。
抗癌剤投与や副作用の合間をぬい、紹介状やCD-R等の医療情報を準備し、
がんセンターの主治医と放医研担当医の両方の理解を得る必要がある。
私の主治医は重粒子線治療に違和感を持っておらず、私が希望すれば協力してくれる。
にもかかわらず、ギリギリの体力のなかで調整を強いられるのは実は楽ではない。
しかも世の中には治療方針に患者が意見を述べたり、提案したりするのを嫌う
医師も少なくない。ひどい場合は治療状況を聞くだけで不機嫌になる場合もある。
そういった医師に担当された場合、他院で、しかも放医研で重粒子線治療を
行うのは、例え医学的なメリットがあったとしても完全に不可能である。
重粒子線治療が正しく認識され、世の中に広まる為にはこういった障壁をも
乗り越えてゆく必要があると考える。