今週にUSTR代表人事が明らかになるとロイターが報道していた。まもなくオバマ大統領の指名があると思われる。


今週、産経(共同配信)が下記の報道を行った。共同通信が元報道なのだが、共同はその一次ソースを示していなかった。内容的には知的財産権であり、司法、貿易に渡る話なので、その管轄は、IPECだと思い、HPをアクセスしたら、最新の「What's New」に共同報道の元になる資料があった。


(なお、3月19日の上院財政委員会公聴会のTPAに関する報道をせず、今回のこの報道を見れば、日本のマスコミは、報道管制下にあると思わざるを得ない。情報隠し、出所不明の記事で印象操作)


要するに、米国の企業秘密保護のため、商務省、国防省、司法省、国土安全保障局、国務省、財務省、USTRを含む連邦機関を動員して、外国政府に圧力をかけ米国内法を守らせる協定を結び、なおかつその国の官僚を米国の教育プログラムで教育し、協力関係を構築する。また、司法省(FBI)や国土安全保障局などの捜査機関が、欧州警察機構やインターポールや各国と協力して法執行を行う体制をつくる。


USTRは、TPP交渉に、IPECからこの宿題を追加された。


産経

「TPPにサイバー規定 中国念頭に多国間でスパイ監視 米が新戦略」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130324/plc13032402060000-n1.htm


IPEC(Office of the U.S. Intellectual Property Enforcement Coordinator)

「知的財産執行調整官事務所」発行資料
http://www.whitehouse.gov/omb/intellectualproperty

この頁の下記リンク(141頁のPDF)
What's New
Administration Strategy to Mitigate the Theft of U.S. Trade Secrets
http://www.whitehouse.gov//sites/default/files/omb/IPEC/admin_strategy_on_mitigating_the_theft_of_u.s._trade_secrets.pdf


この戦略の作成責任者は、ビクトリア・エスピネルIPEC
http://www.whitehouse.gov/omb/intellectualproperty/bio_espinel/

2月20日の戦略会議の立ち上げスピーチ(エスピネルIPEC)

http://www.whitehouse.gov/blog/2013/02/19/launch-administration-s-strategy-mitigate-theft-us-trade-secrets


以下に、序文と1項について取り急ぎ作成した概要を紹介します。

(翻訳ではありませんので正確には本文をご覧下さい)


タイトル;米国の企業秘密の窃盗を軽減する政権戦略
Administration Strategy to Mitigate the Theft of U.S. Trade Secrets


目次
はじめに
戦略行動項目
1.海外での企業秘密保護の外交的努力
2.私企業による企業秘密保護の自発的な最適な実行の推進
3.国内法の執行活動の強化
4.国内法の改善
5.啓発と関係者へのサービス拡充
付属資料
A.米国の企業秘密法と状況変化に関する米特許商標局の概要
B.企業秘密窃盗ケースに関する司法省の概要
C.国家対情報局の報告
D.国防総省、防衛安全局の報告


序文

「我々は、今から何年も振り返ることができなく、我々のセキュリティと経済に対する本当に脅威に直面して何もしなかったか疑問に思わなかった。」オバマ大統領


政府は、アメリカの経済と雇用支援を牽引する革新の保護に集中する。国家として、会話し、学び、多様な文化や信条を理解し、移動し、より良く長い人生を送り、エネルギーをつくり効率的に消費し、食料、栄養と安全を確保する世界的な能力を向上させる製品やサービスの創出をする。


無形資産は知的財産権、著作権、特許、商標、企業秘密
 経済スパイと企業秘密窃盗が加速度的に増加、外国の競争者は現従業員あるいは元従業員を通して盗もうとしている。さらに、米国企業、法律事務所、学会、金融機関などが、取引秘密情報が含まれている電子レポジトリにサイバー侵入活動を経験している。企業秘密窃盗は、米国企業を脅し、国家の安全を脅かし、米国経済の安全を危険にさらす。これらの行為は米国の輸出を減らし、米国の雇用を危険にさらす。外国企業、外国政府による企業秘密の窃盗を防止するため、米国政府は、米国企業を保護する。


1.海外での企業秘密保護の外交的努力

「あらゆる国家は規則により行動し、知的財産権と革新を刺激する新しい技術は守られる。」オバマ大統領


アメリカの世界的革新を守るため、取引相手は企業秘密窃盗を深刻な問題とみなさなければならない。
政府は、適切な機関を通して、実際の事例となるよう確実にするいくつかの処置をとる。

「取引相手との継続的調整的国際契約」

政府は、企業秘密窃盗を防ぐため、他国に対し、継続的調整的な外交圧力を加えることを続ける。
他国は、企業秘密窃盗に対する対策を強化しなければならない。
外国企業や外国政府による米国の企業秘密窃盗は、政府上層部が関連する他国と共に問題提起を続ける。
商務省、国防省、司法省、国土安全保障局、国務省、財務省、USTRを含む連邦機関は、他国に対し米国の企業秘密保護の重要性を明らかにし、企業秘密窃盗事件を減らし解決することを迫り続ける。

企業秘密窃盗あるいは共犯のある国と、国務省は上級政府官僚による外交的な計画的契約と会議を行う。
改善された法的枠組みや現行法の強い執行と、強い効果的な救済策を含む、窃盗事件の減少に関心を表すメッセージを外国政府に加える。
商務省とUSTRは、企業秘密保護のために同様のメッセージを伝え、一緒に解決する。
国務省、特許商標局が、USPTOの知財部門を通して、USPTO企業秘密窃盗の多い国の米大使館が、IPR-WGの確立された計画に企業秘密保護を取り込むことを確実にする。
大使館では、定期的な内部会合で、企業秘密保問題に関する議論を行う。
大使館主導のWGは、その国において、企業秘密に関して米国企業との関わりを強化する。


「貿易政策ツール」

政府は、米国企業に対する不正競争を最少にするため、企業秘密窃盗に対して国際的な強制を増やすための貿易政策ツールを利用する。USTRは十分で効果的な保護と企業秘密の強制を促進するさらなる努力をする。政府の努力は以下の通り;

米国のアプローチと、盗まれた企業秘密を含む商品とサービスの取引抑制に有効な方法に一致する方法で、強化された企業秘密の推進と他の知的財産権保護の目的に、米国の権利を共有する取引相手とのより深い協力。 

スペシャル301条をを含む年次スペシャル301条プロセス4報告の強化された使用により企業秘密の保護に関する弱点を目標とし、行動計画と関連する集められた道具、必要に応じて、米国の取引相手による企業秘密保護の適切かつ効果的な情報に関する行動を含む。

USTRが主導しているTPPのような貿易交渉を通して、米国法に準拠した方法で救済が可能なように企業秘密保護に関する新しい準備を求めること。

全ての該当する二国間、地域、多国間貿易交渉と、仲裁機関と関係者がパートナーと懸念する問題に関し参加することが知られている(WTO)のTRIPS会議、APEC会議を含む該当する貿易や知財に関するフォーラムにおいて、企業秘密保護を最優先課題として取り上げ継続すること。


「国際的な法の執行協力」

国際的法の執行は、世界的な企業秘密窃盗と戦うのに不可欠である。
国際的な企業秘密窃盗の国内調査を進めるため、連邦法執行機関は、外国政府と適切なまた正式な協調協定あるいは取り決めを使う。
外国の協力者と協力、外国法人の国内調査への協力を奨励する。外国の法の執行を促す。


「国際的なトレーニングと能力向上」
商務省は、既存のプログラムを使い外国の官僚を教育し、企業秘密を窃盗や不当行為から守る能力を向上させること。
司法省とFBIは、国土安全保障局、国務省と協力して、企業秘密の窃盗認識と国際法が適用できる法執行の教育フォーラムを含む。国際法執行アカデミーあるいはその国の特別の教育団体のような。


「国際組織」
政府は、国際的な法執行を強化し、国境を越える外交的、法の協力を増やすため、国際機関と一緒に仕事をする。その努力は以下を含む。
商務省、国土安全保障局、国務省、財務省、USTRは、海外に強力な企業秘密保護を確実にするため、国際機関と一緒に仕事をする。
司法省は、欧州警察機構や国際刑事警察機構と協力し、米国から外国にいる受取人への企業秘密悪用を処理する努力をする。


(注)IPEC
IPECは、副大統領の下、知財に関する担当省庁の上(FBIやUSTRの上)で統括する組織
PRO-IP法により、2009年に設置された知的財産執行調整官(IPEC)は、IPに関して同調整官を議長とし、関係省庁11高官(下記)が委員を努める知的財産執行諮問委員会(advisory committee)を設置した。(関係省庁;行政管理予算局、司法省関係部局(FBI)、米国特許商標庁及び商務省関係部局、米国通商代表部(USTR)、国務省、国土安全保障省、食品医薬品局、農務省、その他大統領が必要と認める部局、米国著作権局等)

詳細解説
http://ameblo.jp/study-houkoku/entry-11268462873.html