入試解答力養成 総合点25%アップする勉強法 -2ページ目

入試解答力養成 総合点25%アップする勉強法

このままでは合格最低点に届かないという悩みを解決してきた塾講師・家庭教師(140名以上指導)による、短期間で入試の総合点が25%アップして合格する勉強法・思考法

公立高校の過去問利用スケジュールを、富山県を具体例として説明します。入試日程は各都道府県によって異なるので、受験する地域応じて確認と日程の微調整をお願いします。また外部による模試の日程なども計画に組み入れます。

富山県公立高校(富山県高校入試)の過去問8年分を取り組む場合、最初に試験当日までの全体像を確認します。以下は平成28年度受験する場合の日程(過去問利用スケジュール)です。


第1回目 12月27日(日)

第2回目  1月 3日(日)

模試予定日 1月10日(日)

第3回目  1月17日(日)

第4回目  1月24日(日)

模試予定日 1月31日(日)

第5回目  2月 7日(日)

第6回目  2月14日(日)

第7回目  2月21日(日)

第8回目  2月28日(日)


平成28年 3月8・9日(火・水)試験当日


締め切り日として日曜日を設定しているので、その週に過去問1年分(5教科を)やり終わることを目標とします。つまり平日に1教科づつ進める場合は「12月21日(月)」ごろから富山県立高校の過去を進めることになります。また公立高校の場合は、外部(塾など)による模試があると思うので、その週は過去問にとりくんだ結果を踏まえて(傾向を予想しつつ)、実際の入試に臨む気持ちで模試にむけた試験勉強をします。

国立高等専門学校(高専)の過去問13年分を取り組む場合、最初に試験当日までの全体像を確認します。以下は平成28年度受験する場合の日程(過去問利用スケジュール)です。


第1回目 11月22日(日)

第2回目 11月29日(日)

第3回目 12月 6日(日)

第4回目 12月13日(日)

第5回目 12月20日(日)

第6回目 12月27日(日)

第7回目  1月 3日(日)

第8回目  1月10日(日)

第9回目  1月17日(日)

第10回目 1月24日(日)

第11回目 1月31日(日)

第12回目 2月 7日(日)

第13回目 2月14日(日)


平成28年 2月21日(日)試験当日


試験日が日曜日なので「第1回目 11月22日(日)」としていますが、日曜日に1日でやらなければならないというのではなく、11月22日(日)を締め切りとして、その週に過去問1年分(受験に必要な教科を)やり終わることを目標とします。つまり平日に1教科づつ進める場合は「11月15日(月)」ごろから高専の過去を進めることになります。

過去問は「長時間つくりこまれた問題」だから、取り組むこと自体に意味があります。また模試は「かぎりなく似て」いたとしても本物ではないわけです。実際の入試問題より簡単だったり難しかったりします。例えば問題を難しくする理由として、生徒の実力をつけさせるためや、簡単に点がとれてしまい気を緩めないようにするためといったことがあります。難しめの問題を出し、点数が低いとこのままではまずいと思い勉強する、または志望校を変更することになり、どちらの場合であっても「合格率は高まり」ます。

模試を作成しているのは塾・予備校などの受験産業なので「模試の点数が○○だから」という言い訳に使われることもあります。


それに対して過去問というのは実際に出た問題であり、その問題群を「合格最低点」を越える力があれば合格します。目標をどこにおく(合格最低点を余裕で越えるのか、ぎりぎり越えるのか)かは人それぞれですが、「合格最低点」というひとつの目安に対して「自分の実力」がどこにあるのかは、模試のデータではなく最終的には「自分で実感する」しかないといえます。


入試問題は「選抜対象の集団」によって問題が異なります。

例えば「公立高校入試」の場合は、東大に何人も合格する進学校から、大学進学を目的としていない実業系の高校まで「幅広く中学生全体」を選抜対象としています。実際にはその中間に多くの学校がありますが、ここでは話を簡単にするために上記2つの学校を例に話をすすめます。


進学校向けの問題だけで「公立高校入試問題」をつくると、進学校を受験する生徒の点数はうまくばらけて、入試問題が「選抜としての機能」を十分にはたします。しかし、それだと実業系の高校を受験する生徒にとっては「難しい問題」ばかりとなり、ほとんどの問題が解けなくて、偶然正解した問題(記号問題など)によって合否が決定され運の要素が強くなってしまいます。


逆に実業系の高校向けに「公立高校入試問題」をつくると、進学校の生徒はほとんど正解して、わずかにある「難問」が解けたかどうかで合否が決まることになります。つまり「公立高校入試問題」は、点数がバランスよく分布するように作られています。


だから進学校を受験する場合は、基礎問題をミスなく短時間で解きつつ、難問を得点できるかどうが合格の決め手になります。逆に実業系の高校を志望する場合は、学力以上の難問は時間があれば取り組みますが、基本問題に時間をしっかりかけて得点を積み上げることが合格の鍵になります。


そうした公立高校入試と比べると、高専入試において受験生のレベルは一定以上の学力があるので、基本的な問題もあることはありますが、基本問題であっても公立高校入試のような「本当の基本問題」の数はごくわずかになります。ある程度の学力がある生徒を選抜する試験が高専入試だからです。


この受験者(母集団)のレベルによって問題の難易度の割合や、基本問題の最低ラインが変わってきます。国立や私立の有名校であれば、最低ラインも高くて、最高ライン(一部の人しか解けない問題)も高くなります。これが大学受験になれば、偏差値で大まかに問題のレベルがわかります。


大事なのは「公立高校入試」の場合は、学校の偏差値は存在するが、問題が同じであるということです。進学校志望の場合は、いかにミスを少なくし得点率をあげるかが大事になります。過去問に取り組む際には、何点という点数だけでなく、簡単な問題は短時間で、時間が必要な問題はしっかり解ききる(または見送る)といった時間配分をつかむことが重要となります。

基本的に「第一志望校」の過去問対策のみを行います。

進学できるのは「ひとつの学校だけ」だからです。

最終的には受験生本人の志望度(本気度)をはかりながら決めるしかありませんが、2月に行われる第一志望校の点数が現状の実力から厳しく、3月に行われる受験も想定される場合があります。

その場合は、「第一志望校」の過去問スケジュールを組んだあと、3月受験の過去問スケジュールを組むことになります。


具体的にいうと、2月の第一志望校の過去問スケジュールで12月から2月中旬まで決定したとします。そこは動かさずに、2月中旬から3月までは、もう一つの志望校の過去問スケジュールに圧縮してあてます。その圧縮に無理がある場合は、過去問を絞る、もしくは11月中(第一志望校の過去問を始める前)に進めておくことになります。


現状の実力(未習分野や理解度の違い)や志望校の本気度を踏まえて「過去問スケジュール」を組むことが大事です。7~8割くらいの人は同じスケジュールになると思いますが、自分の状態が一般的ではないと思ったときは、「現状の実力」や「志望校の本気度」など伝えて、目的として「過去問を使って勉強しようとしている」ことを、身近の学校や塾の先生に相談してみましょう。自分ひとりで考えるよりも「他者(しかも経験者)からの視点」があるほうが客観的になります。

高校の入試日程が決まったら、過去問進めていくスケジュールを同時に決めましょう。

週単位で1年分を進めるように割り振ります。

入手できる過去問は「すべてやる」ことが総合点アップにおいては最重要となります。

土・日と2日間でやったり、日曜日に通してやったり、月火水木金と平日に1科目ずつすすめたりします。

入試1ヶ月前くらいからの過去問利用においては、受験校が1日だけで終了する受験なら1日で、2日間に渡る試験ならば2日間で解き、試験時間や休憩時間も実際と同じようにするのが理想です。


国立や私立の高校や高専ならば2月が入試になり、公立高校ならば3月ごろの入試が多いと思います。自分の第一志望校に応じた「過去問利用スケジュール」を組みましょう。

この時の注意点としては、塾などが主催する模試の位置づけです。

入手できる過去問は「すべてやる」ことが前提ですから、模試がある週は、平日に過去問を進めるか、その週は「模試に集中(見直しを含む)」するので過去問の利用開始を前倒しするかになります。スケジュールを立てる時期によるのですが、試験日まで余裕があるなら「過去問の利用開始日を前倒し」することを推奨します。


試験日までに時間がない場合は、模試がある週も平日に過去問を進めたり、もしくは1週間で二年分の過去問を進めたりすることになります。入手できる過去問はすべてやり、ただやる(こなす)のではなく、「やりきる(自分の苦手を見つけ入試当日まで修正する)」ことが大事なので、週に二年分ぐらいが現実的な数字だと思います。とはいっても週に二年分というのは、時間がない場合に行うのであって、期末テスト終了後の遅くとも12月中から「過去問」の利用を進めることが大切になります。