過去問にとりくむ理由は、最終的に合否を決めるのは当日の試験問題が解けるかどうかだからです。
学校の定期テストで点数はとれていても、入試問題で点数がとれない生徒は大勢いると思います。
定期テストは、試験範囲が限られていて基礎問題もある程度あり授業内容の確認の側面が強いです。
入試問題は、広範囲(小学・中学・高校の学習範囲全体)にわたり、さらに分野横断する出題がされるので問題の難易度も上がります。
そして以外に思われるかもしれませんが、模試で点数がとれていたが、入試問題で点数がとれない生徒というのもいます。基本的に模試というのは、入試の傾向を考えて作られているので、ほとんどの場合は模試で点数がとれていれば、当日の入試問題でも点数がとれます。しかし、模試だけを受けて、実際の過去問を軽視(もしくは取り組んでいない)した場合は、当日点がとれない場合があります。やはりあくまで「模試は模試、入試問題は入試問題」なのです。それはなぜかというと「問題の作り込みレベルに差がある」からです。
例えば、定期テストを「ひとりの先生」が5時間ほどかけて作るとします。
これが、入試問題の模試だと「複数」の先生が関わり50時間ほどかけて作られると思います。
ここではメインとなる先生が30時間、他の先生が確認やチェックなどに20時間くらいかかったとします。50時間というのはあくまでたとえで、実際にはもっと少なかったり多かったりすると思います。しかし大事なのは「かなり限られた時間内」で問題を作成しなければならないというこです。
これが入試問題となると「数週間単位の時間」で作られることになります。公立高校の入試問題というのは、その都道府県の「顔」のようなものであり、新聞に掲載もされます。レベルの低い問題を出せば批判の的になるからです。私立高校の場合も入試問題が学校の顔であることは同じだと思います。大学入試のセンター試験の場合は、これまで数十年にわたる蓄積のうえで年単位のスケジュールで作られています。
学校の定期テストで、問題に間違いがありましたと先生が回ってくることはよくあったと思いますが、入試問題では「そのようなちょっとしたミス」は許されないので、相当確認されたうえで作られているのは間違いありません。見た目はかぎりなく似ている「模試」と実際の「入試問題」は大きく異なるのです。その微妙な違いに無意識レベルで感じ取れるかが点数差を生みます。
よく過去問は、もうでない(過去にでたから)のでやらないという人がいます。そして予想問題ばかりやる生徒がいます。「長時間つくりこまれた入試問題」にとりくむのと、「限られた時間で作られた予想問題」のどちらにとりくむことが実力アップにつながるかは言うまでもないと思います。
予想があたることがまったくない、とはいいませんが、予想があたったので(自分の実力ではないのに)点数がとれたしても数点アップできるかどうか(数点あがる「こともある」という運の要素が強い)です。それに対して、過去問にとりくむことで「実力自体をアップ」することは、総合点を数十パーセント単位で引き上げることができます。
過去問に真剣に向き合い、目標点数に応じて勉強していくことが受験合格の近道であり、「入試解答力養成 総合点を25%アップする勉強法」において、過去問の利用が最重要となる理由です。