「合格するのに何時間勉強すればいいですか?」
という質問をよくもらいます。
目安としての時間は答えますが、
何時間勉強したかよりも
「どのくらい集中できたか」
が大事ということを同時に伝えます。
ただ進めればいいのではなく
「どのくらい記憶に残っているか」
も大事なので、復習のバランスも考える必要があります。
ですが、まず目の前のことに
「集中」して「時間あたりの勉強量」
を増やすことが大切です。
というわけで「集中」について知って欲しいことがあります。
集中している状態を「ゾーン」と呼んだりするのですが
このゾーンには2つの種類があります。
「2種類の集中力」があるのです。
ひとつは「ハードゾーン」と呼ばれるもので
確かに集中はできているのですが、
集中を乱すもの、気を散らすものがあると
簡単に集中が解けてしまうものです。
たとえば、静かな自習室でないと勉強できないとすると
「ハードゾーン」としての集中力しかないと言えます。
環境を整えることができれば集中できるので、
集中できる状態を「つくる」ことが大切です。
静かな図書館や自習室を探すとか、
耳栓や防音イアマフで無音状態を
「つくる」ようにしてみましょう。
もうひとつは「ソフトゾーン」と呼ばれるもので
気が散るような環境であっても
平静でリラックスできていて弾力性のある
「しなやかな集中力」です。
人やテレビの話し声があっても気にならず
目の前の問題に集中できていて、
「気づいたらこんなに進んでいた、時間がたっていた」
という人は「ソフトゾーン」の集中力があると言えます。
環境に左右されない本当の意味での「集中力」です。
多くの「集中力がない」と悩んでいる人は
この「ソフトゾーン」を求めていることがあります。
この「ソフトゾーン」を身につけるには
あえて雑音のある環境で「集中できるようになる訓練」を
する必要があります。
つまり、その訓練中は勉強のパフォーマンスが落ちます。
入試解答力を養成したい時期というのは
多くの場合、残り時間が限られています。
多くの人は環境に左右されない「ソフトゾーン」の
集中力を「つけよう」としますが、
「ソフトゾーン」を身につけようとすること自体に
「時間がかかって」しまいます。
だから現状で「ソフトゾーン」としての
集中が難しい場合は、
「ハードゾーン」としての
集中できる「状態・環境をつくる」
ことをアドバイスしています。
限られた時間内で、最大の結果を出すためです。
サッカーの試合でアウェーで戦う場合なら
「ソフトゾーン」の力を鍛える必要があります。
しかし現実の試験環境というのは、
ある程度「静か」なはずです。
集中できないと悩んでいる場合は
「ソフトゾーン」を身につけようとするのではなく、
「ハードゾーン」の力を発揮できる
「環境作り」に取り組んでみましょう。
集中力が「ある・ない」に悩むのではなく
集中できる環境を「つくる」ほうが簡単なのです。