過去問や模試で解けなかった問題があるとする。解説を読んで理解できたかどうか、理解できなければ先生や友人に質問する必要があります。そして理解できたあとは実際に「できる」ようになる練習や復習があります。解けなかった問題を一問ずつ出来るようにすることは、とても大事なことです。そうした一問一問への取り組み方(振り返り方)は、よく知られていると思います。
ですので、ここでは「心理的側面を重視した」過去問や模試の振り返り方について書いていきます。
ある問題が解けるかどうか、解けなかった問題を理解してできるようになるための振り返りを「技術的要素」とします。一方、テスト全体の流れのなかで問題を解いているのだから、
・最初の問題に時間をかけすぎた
・時間がなくて焦ってミスをした
・問題の条件に気づかず後半の問題を落とした
・前の時間のテストが書けなくて、引きずってしまった(心が折れた)
など、「本来の実力」が発揮できなかった「心理的要素」があると思います。
ミスが全くないという人は、ほぼいないと思います。
ちょっとした「感情の揺れ」から「大きく点数を落とす」ことはよくあります。
少なくとも1回のテストで4~5回(人によっては10以上)はあると思います。
過去問を解いた後、模試を終えた後、どのような「感情」だったかを振り返り「記録」することが大切です。時間がたてば「問題に対してどのようなアプローチをして時間をどれだけ使ったのか?」ということや「ある問題に時間をかけすぎて後半に焦りが生まれた」ことの新鮮な「感覚」や「感情」の記憶が失われてしまいます。
将棋の試合でも終了後に対局を振り返ります。勝負を分けた「一手」について話し合います。あの時ああすれば……という可能性について考えています。過去問や模試で「技術」的面だと「知っているか知らないか」または「思いつくか思いつかないか」ということになり、それは時間がたってからも振り返り可能です。ですが「どのような感情」で問題を解いていたかは、時間がたてば忘れてしまいます。問題の条件を見落とし「わからないという不安」がでて「答えにつながらない解き方」という行動になったはずです。
一問ずつの解説を先生に聞いて正解を理解することはできます。ですが「自分」が、テスト全体のなかで「どのように解いていくか」は、最終的に「自分で見つける」しかありません。ほとんどの先生は「技術的」側面について指導できるが、「心理的」側面の支援というのはできないように思います。
今回は心理・感情面を中心に書いていますが、知識や発想の有無について記録することも、もちろん大切です。試験中に気づかなかった「着眼点」にどうすれば「自分」が気づくのか「探る」必要があります。そうしたことも「自分で見つける」必要があります。
技術と心理の絡み合いを意識した「過去問や模試の振り返り方」に取り組んでみましょう。そのためには過去問や模試の終了後に、問題を解いていったプロセスや感情の現れ方をノートに記録してみましょう。技術的に問題の解き方を理解すると同時に、試験時間全体(幅広い時間軸)の中で心理的に「解き方」を改善していくことが、総合点を25%アップする上で大切となります。