スタッフ青木です。
「足がちぎれるほど痛い」と恐れられる足もみ(足つぼ、ではない。後述)「官足法」に出会ったのは、10年ほど前でしょうか。
まだ東北沢にあった日本CI協会の本部にて、ひっそりとセミナーが開催されていました。
官足法だけでなく、僕はセミナー講師の行本さんが、どこか気になっていました。
創始者・官有謀(かんゆうぼう)氏の跡継ぎ、という以上に、官氏のベストセラー著書『足の汚れが万病の原因だった』を世に送り出した、出版社社長として。
日本における官氏最大のビジネスパートナーですが、ゴリゴリした感じではなく、当時のビジュアルはこんな。
大学の考古学研究室とかにいそうな研究者的風貌。
に反し、軽妙な語り口で、参加の主婦たちをコロコロ笑わせ、かと思えば棒で足裏をグリグリしては、アヒアヒと悲鳴を上げさせていました。
僕の心に「官足法」の箱がそっと置かれましたが、以来開くことはほぼなく、時は過ぎてゆきました。
ある日、ハヤカワが「静岡の薬局に行くぞ!」と、キャンピングカーをぶっぱなしてアポなし訪問した薬局 で、官足法と再会を果たしました。
(ちなみに僕の隣でハヤカワは、Gクリーナーとの再会を果たしていました)
1コインで受けた足もみですが、5コイン分くらいの「刺さる感」。アダダダダダ、
この痛みをどう表現するか難しいですが、
「石鍋に焦げついたおこげをヘラでこそぎ取るような」(あまり痛くなさそうな表現ですが‥、おこげが足裏にこびりついた老廃物のイメージ)。
心の奥に埋もれかけていた官足法の箱が、再びグリグリっと開き、僕は十年ぶりに講習の門を叩きました。
約10年ぶりに再会した行本さんの現在がこちら。
しかし行本節は健在。見事に僕以外の参加者全員がオンマスク(健康系セミナーなのに)でしたが、熱を帯びた行本さんはマスクを着けたり外したり、ヒラヒラとお忙しい。
マスク越しに飛沫が飛び交っていたのは明らかで、皆の代謝が爆上がりしたことは間違いありません。
そして、行本遺伝子を継ぐ後継者が、仲田講師。
セミナー開始前からお昼ごはんの心配ばかりされていたので、このセンセイ大丈夫かなと案じていたものの、
実技講習は、ゆるいトークの合間に濃いノウハウが詰め込まれていました。
「隙間なく 深く疲れず 手際よく」
仲田さんの掲げた官足法フレーズですが、ハッとさせられるのは「疲れず」です。
かつて代々木上原サロンで整体セミナーが開かれた際に、講師の河原氏(ふじさわ整体院院長)が、「とにかく疲れないこと」を説き、マッサージの姿勢など、疲れない体の使い方に徹して指導なさったことを思い出しました。
そのセミナーには、とある大手マッサージチェーンの店員さんが何人か参加されていましたが、
皆さん、一日十人近い施術をこなすため、一様に疲れ切っていて、失礼ながら「こんな疲れた人たちに施術してもらったら、かえって疲れそう」と思ったものです。
皮膚表面をシャカシャカと、力まかせに手先でこすりまくるのは、揉む側は腕が疲れ、揉まれる側は一向に効かないばかりか、下手をすると摩擦で皮膚が角質化してしまう。
で、「足もみって、痛いばかりで効かないのでは」となってしまう悪循環。
その逆です。腕だけ力まずに軸を乗せて、深く圧をかけながらグサッと「刺す」あるいは「掘る」。
そこからズリッと「潰す」あるいは「崩す」。
足もみの要諦は、足裏に溜まった汚れの固まりを、力強く丹念に、土木工事のように掘り崩していくこと、なのでした。
「足もみのコツはグリ、グサ、ガリ、ヨシ。グリグサ、グサガリ‥‥グサガリ正雄です」 だそうです。
ちなみに、グリグサガリヨシの「ヨシ」とは、揉まれて痛かった患部を「ヨシヨシ」となでてあげること。
おそらく官有謀先生の教えにはなかったであろう工程で、仲田講師の朗らかな人柄がうかがえます。
昭和ネタのほか、ベタなフレーズもお好きな仲田センセイは、足もみで特に重要な足首(くるぶし周り)について、
「ポイント3倍!」(肩こり、腰痛、股関節とトリプルにアプローチできるため)と連呼されていました。
参加者12人(うち男性2人)、さらに認定講師の方々(元ボクシング日本王者、など)がヘルプで加わり、20人前後の悲鳴がこだまし合う密密空間でした。
後編へ。
※『足の汚れが〜』と並ぶ、足もみ業界の大ヒットロングセラー「グリグリ棒」またの名を「G棒」。
わずか数百円のシンプルな木棒なのに、「鋭く掘る」「細かく潰す」「広くならす」と三種の使い方ができる優れものです。
こういう品を知るにつけ、高級な器具だけに頼る施術は本筋ではないかもしれない、と思ってしまいます。
セルフケアにも役立つので、長時間ドライブなど座りっぱなし作業時のお供にも良いと思います。