気がつけばもう8月
現在進行中のドキュメンタリー映画は
相変わらずカメのようなスピードで進んでいます
さて
今回のブログは映画に関する書籍です
しかも「映画音楽」についての本
小林淳氏の「黒澤明の音楽」
鈴木静一、服部正、早坂文雄
伊福部昭、佐藤勝とその響き
という本です
この本を読むきっかけになったのが
前回のブログで紹介した黒澤映画
「用心棒」4K UHD版を観たことでした
映画「用心棒」は冒頭の「東宝」マークから
軽快な太鼓の音で幕を開けます
そして
「用心棒」のデカいタイトルが出たあと
三船敏郎演じる「三十郎」の背中が画面に登場し
そのタイミングに合わせて
ズンチャッチャ、ズンチャッチャと
のし歩く三十郎の背中越しに
映画のメインテーマ曲が流れ出します
これが作曲家、佐藤勝氏の手による
「三十郎のテーマ」という曲です
個人的な感想ですが
この曲はメロディというよりもむしろ
効果音にちかい音楽だと思っています
何度も聞きたくなるような
聴きやすいメロディ重視の
ハリウッド映画のオープニング曲とは
まるで違う「三十郎のテーマ」
いったいどういう理由で
この曲が作られ、映画につけられたのか?を
知りたくなり、小林淳氏の「黒澤明の音楽」
という本を読んでみたのでした
本の冒頭に次のように書かれてある
「音楽は映画演出において欠かせない
効果であることを黒澤は山本嘉次郎監督の
元で映画演出術を学び
おおよそではあるが習得していた」
という
そこから黒澤明監督は
それまで多くの日本映画で付けられていた
劇中の伴奏的な音楽、いわば小道具の
一部のような扱いを受けていた音楽ではなく
より監督が意図した視覚的な映像を
音楽という目には見えないもの
聴覚を通じて観客の感情・心といった部分に
響き、残る「音楽」を常に探し求めていた
黒澤明監督の映画音楽をこれまで
担当してきたのは
鈴木静一氏が以下の三作品を担当
「姿三四郎」(1943年)
「一番美しく」(1944年)
「続姿三四郎」(1945年)
服部正氏が以下の三作品を担当
「虎の尾を踏む男たち」(1945年)
「わが青春に悔いなし」(1946年)
「素晴らしき日曜日」(1947年)
伊福部昭氏が以下の一作品を担当
「静かなる決闘」(1949年)
早坂文雄氏が以下の作品を担当
「酔いどれ天使」(1948年)
「野良犬」(1949年)
「醜聞(スキャンダル)」(1950年)
「羅生門」(1950年)
「白痴」(1951年)
「生きる」(1952年)
「七人の侍」(1954年)
「生きものの記録」(1955年)
佐藤勝氏が以下の作品を担当
「蜘蛛巣城」(1957年)
「どん底」(1957年)
「隠し砦の三悪人」(1958年)
「悪い奴ほどよく眠る」(1960年)
「用心棒」(1961年)
「椿三十郎」(1962年)
「天国と地獄」(1963年)
「赤ひげ」(1965年)
以下は
「黒澤明の音楽」に掲載されていない作曲家
武満徹氏が以下の作品を担当
「どですかでん」(1971年)
「乱」(1985年)
イサーク・シュワルツ氏が以下の作品を担当
「デルス・ウザーラ」(1975年)
池辺晋一郎氏が以下の作品を担当
「影武者」(1980年)
「夢」(1990年)
「八月の狂詩曲」(1991年)
「まあだだよ」(1993年)
このリストを見るだけでわかるとおり
早坂文雄氏が8作品、佐藤勝氏が8作品と
多くの黒澤映画音楽を手がけていることが
わかる
晩年の黒澤映画音楽を支えたのは
武満徹氏と池辺晋一郎氏だった
この本を読んでわかったのは
映画「用心棒」の音楽を手がけた
佐藤勝氏は早坂文雄の弟子だったこと
また「三十郎のテーマ」は
佐藤勝氏が手がけていた別の記録映画
「黒部川第四水力発電所建設記録 第三部
大いなる黒部」(1961年)に付けていた
ブルドーザーが除雪作業する場面の曲を
黒澤が聞き気に入り、この曲をベースにして
作られたものだそうだ
「黒澤はこう言った
「おもしろいじゃねえか。三十郎ってのはだいたい
ブルドーザーみたいな男だから、きっと合うぞ」
と本書では書かれている
さらに本では佐藤勝について以下のように
書いてある
「佐藤の音楽はまず音色、音のカラーが重視される。
音色、音の色彩には信念を持っている。
その響き、色艶がいかに映画に彩りを加えるか、
劇的効果を与えるか。そうした視点で音楽構想、
作曲設計が練られる。木管楽器群の音色を
めまぐるしく動き回らせる作風は佐藤音楽の
持ち味のひとつだ。」
自分の映画製作に
ただならぬ決意を持っていた黒澤明
それゆえだろうか
作曲家と衝突し、議論し
時には激しくぶつかり合うことも
多々あったようで
佐藤勝氏とのコンビは
「赤ひげ」(1965年)以降
実現しなかったようだ
これは単に黒澤から作曲家に対して
過度な要求があったことが原因だったから
だけではなく
映画音楽を担当する作曲家が持つ
自身の音楽へのこだわり、ポリシーが
そこにはあったからだと思う
映画「用心棒」のテーマ曲は
何度聴いてもインパクト大の
一言で形容詞しがたい「音楽」である
2026年の現在
日本映画(実写・アニメ問わず)で
一番印象に残っている映画音楽は?
という質問をしたとすると
おそらく
宮崎駿監督とタッグを組んだ久石譲氏や
大島渚監督と組んだ坂本龍一氏
名作「ゴジラ」の音楽を手がけた伊福部昭氏
と言った映画音楽がランクインするのは
間違いないだろう
または
実写映画の映画音楽ではなく
アニメ映画の音楽がベスト10を独占して
しまうのかもしれない
もしかすると
世代間によって差はあるとは思うが
佐藤勝氏や早坂文雄氏が手がけた
映画音楽が選出されることは
ないような気がする
しかし
一度でも佐藤勝氏の映画音楽を聴くと
今まで聴いたことがない「音楽」が
そこにはあると断言できる
映画「香港から来たダイアナ公式サイト」
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最後に
ロシアの独裁者プーチンに鉄槌を!
プーチン支持者に厳罰を!
ウクライナに平和を!
イスラエルの軍事侵攻が
早急に終結しますように!

