6月に入ってようやくブログを更新しました
最近観た映画の中でもダントツに
良かった映画が
ビリー・ワイルダー監督の
「アパートの鍵貸します」(1960年)
原題は「The Apartment」です
主演にジャック・レモン、シャーリー・マクレーンなど
1961年の第33回アカデミー賞にて
作品賞、監督賞、脚本賞など5部門を受賞した作品
このアカデミー賞では
「サイコ」のヒッチコックが監督賞にノミネートされ
アラン・レネ監督の「二十四時間の情事」の脚本家
マルグリット・デュラスが脚本賞にノミネートされており
そうそうたる面々が揃っていたんですね
この「アパートの鍵貸します」は
お恥ずかしながら私が初めて観た
ビリー・ワイルダー監督作品になります
内容のネタバレはしませんが
ラスト近くのシーンで
主人公は自分のおもいどおりに
出世コースを歩み始めたにも関わらず
なぜいきなり上司の命令に背くのか?と
それまでの展開がリアリティあふれるもので
とても良かったのに、なぜ?唐突に
「人間」らしく生きようと思ったのか?
映画的と言えばそれまでなんですが
通常なら一呼吸おくか、もうひとつ
ステップがあって主人公の心境が
ガラリと変わるなら理解できるのですが・・
よくある「三流映画」のように
主人公が突然、途中でキャラ変をして
それまでの物語を台無しにしてしまう
という印象が拭えず
こうなったら
オリジナル脚本を読むしかないと思い
英語版の脚本は翻訳するのに時間が
かかり過ぎるため
ネットで検索して出てきたのが
この本でした
論創社から出版されている
町田暁雄氏が翻訳した
日本語訳と丁寧な解説付きの
「アパートの鍵貸します」の
オリジナル脚本です
肝心のシーンをこの脚本で読んだところ
ほぼ完成版の映画シーンと同じで
セリフも全く同じでした
ただし
その前のシーンで
オフィスに戻った主人公バクスター(バド)が
自分のサングラスを真っ二つにする
というシーンが本編では丸々カットされている
とのこと
そのくだりを読んで
私はああーなるほどと思いました
もしも
この主人公がサングラスを
真っ二つにするシーンが残っていたのなら
最後の最後で、主人公が上司に逆らうという
些細な抵抗の理由が納得いくものに
なったのだろうなと
当然のことながら
主人公が上司に反発をする理由は
カットされたシーンがなくても理解は
できるのですが
なぜ、そのタイミングでなのか?
なぜ、今なのか?を考えると
とても不自然なシーンだと私は考えるからです
自分のアパートを数時間、上司とその愛人に
貸し出し、いわゆる簡易ラブホのようにして
恩を売りながら、平社員から自分のオフィスと
役職付きの出世街道を歩もうとする主人公
バクスター(ジャック・レモン)の野望と
主人公が密かに恋心を抱くエレベーターガールの
キューブリック(シャーリー・マクレーン)は
実は主人公の上司シェルドレイク(フレッド・マクマレイ)
の愛人であり、彼女もまたシェルドレイクの妻となり
社長夫人になる野望を抱いている女だったという
決して結ばれることのない
男女2人の野望が交差するなか
なぜ主人公のバクスターは最後の最後に
「人間」らしく生きようと思ったのか?
それは
おそらくバクスターが自分のしてきたことに
嫌気がさしたのではないのか
また、自分が好きだったキューブリックも
再び上司のシェルドレイクに奪われていく
ことに対する怒りや情けなさもあったのではないか
さらに自分の出世のことばかり考えるあまり
バクスターが本当に求めているものが
何であったかに気がついたのではないか
などなど考察することはできます
当初、私が勝手に想像したのは
バクスターが自分の部屋を使わせないと
反旗を翻した理由は
自分が愛するキューブリックを
女性を性の対象としか見ていない
上司シェルドレイクの懲りない性分に
呆れ果てて、反抗したのではないか?
また
シェルドレイクは奥さんと離婚して
キューブリックを妻として迎えると
言ってはいるものの、実は愛人のまま
据え置こうとしている態度に怒りを覚えて
反抗したのではないか?
と考えたわけです
しかし
その部分があまりにもサラリと映画では
描かれているため、どうにも納得がいかないなぁと
オリジナル脚本を読んでは見たものの
やはり主人公がなぜ鍵を貸さなかったのか?
そこの理由は明確に描かれていないのです
本作はいわゆる「名画」と呼ばれる
映画の中でも傑作の中に入る一本だと思います
ただ、やはり最後の最後のシーンがどうにも
腑に落ちない
その対極として
日本映画の「名画」の一本である
伝説の映画監督、山中貞雄監督の
「河内山宗俊」(1936年)という
映画のワンシーンに
浪人でヤクザの用心棒に成り下がった男
金子市之丞(中村翫右衛門(3代目))が
「ようやく人間らしく生きることができます」と
いつも加えている爪楊枝を、真っ二つに折り
その折られた爪楊枝のアップが映るシーンがあります
この折れた爪楊枝のシーンだけで
金子市之丞という男がこれから
どう生きようとしているのか
男の覚悟が映像として伝わってきます
決して比較するわけではありませんが
映画は映像でみせる芸術である以上
映像でしか表現できません
セリフではなく
ワンシーンひとつで物語の真意を
表現しなければ、映画を観ている人を
納得させることができないものだと考えています
ビリー・ワイルダー監督の「アパートの鍵貸します」
ブルーレイはこちら
日本では販売されていませんが
海外では4K ULTLA ブルーレイ版が販売中
ただし日本語字幕なし
もう一度、この映画を観て
自分が気が付かなかった点について
考察していきたいと思います
こちらは
山中貞雄監督の「河内山宗俊」(1936年)
4Kデジタル復元版ブルーレイが販売中です
映画「香港から来たダイアナ公式サイト」
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最後に
ロシアの独裁者プーチンに鉄槌を!
プーチン支持者に厳罰を!
ウクライナに平和を!
イスラエルの軍事侵攻が
早急に終結しますように!




