出張撮影専門 スタジオたいとう です。
東京都台東区を中心に写真やビデオを撮影いたします。
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今日も変わらずカメラのはなし。
MINOLTA α-9000
注:写真のボディはグリップが劣化でボロボロになっています
ミノルタα-9000は1985年に発売されたオートフォーカス一眼レフ。
各社ともプロ向けの機種がマニュアルフォーカス機ばかりだった時代に、最上位機種にAFを採用したミノルタの度胸の良さの表れ。
スペックもアクセサリーの豊富さもプロ仕様でした。
ボディ単体ではフィルム巻き上げも巻き戻しも手動。
本格的なAF一眼レフで巻き上げレバーを備えているカメラはα-9000だけです。
もちろん巻き戻しクランクも付いています。
おそらく、このおかげだと思いますが、電源は単3電池2本と省エネです。
別売りのモータードライブMD-90を使えば5コマ/秒での連写も可能。
そのモードラを装着するとサイズも大きくなり、いかにも最上位機種らしいスタイルに変貌して格好良いのですが、残念なことに私は持っていません。
私がα-9000を使うときはいつも手動巻き上げ・手動巻き戻しです。
この「フィルムを巻き上げる行為」がカメラマンの思考と密接に関わる重大な行為なのではないかと考えることがあります。
無意識にフィルムを巻き上げているようでも、巻き上げレバーを操作しながら次のカットでは何をどう撮るべきかと頭をフル回転させ、身体を動かし、カメラを構えるわけです。
モータードライブで巻き上げているときよりもはるかに濃密な時間に思えます。
写真を撮るということは実はフィルムを巻き上げることなのかもしれないという気さえしてきます。
もちろんこれは大袈裟な考えでしょう。
フィルム送り以外をカメラ任せにできるα-9000だからこそ「巻き上げレバー」の操作について必要以上に深く考えてしまうのです。
あと、中学生のころはα-9000を「プロ機のくせにAFなんて‥」とバカにしておりました。
若気の至りというやつです。
大人になってからはミノルタでいちばん好きなカメラになりました。
出張撮影専門 スタジオたいとう (東京都台東区)