スタビーによるスタジオ日記 -5ページ目

バーニーグランドマンのケーブル

スタビーではマスター音源のプレイバックにKORG MR-2000Sを使ってDSDファイルでの再生が可能なのですが、さらなる向上のため、プレイバックの音をもっと高純度に、そして音楽的なヴァイヴを加えることができないか、あれこれオーディオケーブルのテストをやってみました。

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いろいろ試した結果、バーニーグランドマンが自身のスタジオで使っていたというケーブルがいちばんしっくりきました。

このケーブル、以前メンテナンスをやってもらっていたエンジニアの方がUSのバーニーグランドマンスタジオを訪れた際にバーニー氏自身に「サウンドがとても良くなるよ」ということで、分けてもらったというケーブルで、スタビーにもその貴重なケーブルを何本か譲ってもらっていたのでした。

ボトムが程よい太さがあって、高域も尖りすぎずマイルドに抜けるニュアンスで、じつに上質なアナログ感が加わりました。




スタビー マスタリング
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マスタリングコンソールのキャリブレーション

ついに届いたDANGEROUS MUSIC製のマスタリングコンソール。

このDANGEROUSというメーカーですが、USのマスタリングスタジオ「スターリングサウンド」のカスタムコンソールを作っていたMUTHのエンジニアが立ち上げた会社で、このコンソールにもそのノウハウが凝縮されています。

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で、さっそく接続して使ってみると、なんともご機嫌なサウンド(!)。

このコンソール内のアンプ回路を通った時のEQバランスも、基本のサウンドバランスはそのままに、良質なトランスを通した時のような、ほんのりとシルキーなエネルギー感が加わり、サウンドが輝きを増すような上質なサウンドにチューニングされていました。スバラシイ。

マスタリングで使うアナログボードがいろいろ集まって通る機材だけに、音が細くなったり、余計な色が付かないとよいなーと思っていたのですが、とり越し苦労でした。

もちろん、機材のケーブルが集まるコンソールだけに、ケーブルなどマッチするものを選んで、詰めていかなければ、極上のサウンドには到達できません。

で、いろんなセッティングを試しながら、細かくチェックしていくと、エフェクターを挟んだ際に、左右のレベルが若干ズレてしまう場合があることを発見してしまいました(汗)。

おそらく、機材の配送中の振動とかで、中の基盤のレベルセッティングがズレてしまったのでしょう。新品の機材を買っても、こういうトラブルはよくあるので、要チェックです。

さっそく、コンソールの取扱説明書(英文)を読むとキャリブレーション(調整)の仕方が載っていました。これなら、自分にもできそうだなと思いやってみると、けっこうすんなりできました。

テスターを使って、コンマ・ゼロ・ゼロまで合わせたので、インプットとアウトプットのつまみはクリック式なのですが、左右のつまみのレベルもピタッと合って気持ちイイです、笑。各接続部分もキレイにクリーニングしたので、出音も良くなったような気がします。

これで、心置きなく使えるようになりました。アナログのエフェクトの差し替えもワンタッチだし、M/S(Mid/Side)のモードも付いていて、これまでデジタル上では試したことがあるMS処理を、アナログ上でやってみると、じつにナチュラルで感激しました。



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電源の泥沼

オーディオケーブルが一段落したので、今度は電源ケーブルのマッチングチェック。

以前、何回かやったのですが、機材の入れ替えや新たな電源ケーブルもテストしたかったので、ここは気合い入れてやってみました。

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スタビーでは主に4種類の電源ケーブルを使い分けていて、各機材にどのケーブルがマッチするか、また、同じケーブルでも、コンセントのコネクターを変えてチェックとかしていたら、かなり大がかりになりました。

そして、さらに機材の電源ケーブルだけでなく、電気の通り道である、壁コンから電源トランス、電源タップなどのマッチングまで録音しながらチェック、どんどん深みにハマり、チェックを繰り返すこと、丸3日。

これも、判断の基準は、元々の音が正円の球体だとすると、その球体の形が崩れてなく、音楽のエネルギーを放射している組み合わせを、「正」として選んでいきました。全てを耳で聞いて判断していきます。

でも、こういうことをやっておくと、ほんとマスタリングの工程がスムーズになっていくんですね。

あと、こういうセッティングはメモしておかないと、突然バラさなければいけない事態になった時に、また同じ泥沼の作業が発生してしまうので、要チェックです、笑。

スタジオの質は、ほんと日々の積み重ねだと思うようになってきているこの頃です。



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サックスのレコーディング

佐藤くん率いるHipHopユニット『Ambient Chameleon』が、福島チャリティCD『Play for Fukushima』に参加することになり、急きょ、スタビーのスタジオでサックスのレコーディングでした。

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今回、福島出身のアーティストが集まっるというコンピレーションの企画で、福島出身のサックスプレイヤーである加藤雄一郎さんが参加してもらえることになりました。(ちなみに、佐藤くんは静岡出身です。)

加藤さんは、NATSUMENや矢沢永吉バンドで活躍されている、今や売れっ子のサックスプレイヤーなのですが、久々にお会いした加藤さんは、相変わらずの素晴らしいフレーズの連続で、その多彩な引き出しのセンスにはホント感動しました。

以下、そのコンピレーション『Play for Fukushima』のオフィシャルHPです。
>> http://pff2011.blog.fc2.com/

ケーブルの泥沼

気づかなくていいことに気づいてしまい。
ケーブルの泥沼へ。

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いや、結果からいうと、気づいて良かったんですけどね、笑。


スタビーでは、マスタリングに多くのアナログ機材を通すため、オーディオのバランスケーブルを当然ながら使うわけですが、これまでも、各機材の接続にマッチするものを選んできました。


で、気づいた点というのは、そのケーブルの端子の部分。ノイトリックの金と銀があるのですが、たまたま、いろんなケーブルを試している時に、同じケーブルで端子が金のものと銀のものを取り換えたときに、音がガラリと変わりまして、これは(!!!)と思って、いろいろ試してみると、機材の接続によって、金が合うもの、銀が合うものが出てきました。


また、両端の片方が金、片方が銀というケーブルも作ってみたのですが、これまた、このケーブルの方がマッチする機材もでてきたのですね~。


こうなると、まさに泥沼、笑。


1つ1つの機材にケーブルを差し替えては、録音してチェックを繰り返しました。ケーブルの種類も多数あるので、そのプラグ違いも試し、じつに丸3日の作業。

判断の基準は、元々の音が正円の球体だとすると、その球体の形が崩れてなく、音楽のエネルギーを放射している組み合わせを、「正」として選んでいきました。全てを耳で聞いて判断していきます。

そして、今使っているケーブルを、丸1日かけて、30本くらい作り直しました。いや~、これは慣れていないせいか、ホントしんどかったです。おかげで、ハンダ付けはかなり上達しました、笑。

そうやって積み上げていったサウンドは、ほんと感激でした。こういう小さい積み上げが、マスタリングレベルの作業だと、余計なEQとか、ダイナミクス処理が減ってくるので、よりミュージカル(音楽的)でナチュラルな仕上がりに持っていけるんですよね。

また、スタビーでメインで使っているケーブルの良さを再確認できた実りあるチェックでした。

やってよかったです。



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