ビルやマンションなどの高い建物の渕に立ち、手すりから半身を出して下を覗くと「飛び降りたい」という衝動に駆られる。
何故だろう。
二十代の頃、勤務していたスイミングスクールの選手クラスの子供たちを連れて伊豆修善寺のサイクルスポーツセンターに合宿に行った。
当時の施設は、室内の五十メートルプールと十メートルの本格的な飛び込み台が有った。
休憩時間に子供たちに良いところを見せようと、あの一番高いところから飛び込むから見てろと言った。
階段を上がり飛び込み台の淵に立つとプールサイドにぐるりと座り、こちらを見上げている子供たちが見えた。
もちろん、こんな高いところから飛び込んだ事など無い。
水泳の日本選手権を見に行ったさい、十メートルの飛び込みに失敗し気を失った選手の事が頭をよぎった。
しかし、今更引き返せない。
その時、天の声が聞こえたのだ「見栄を張るのはよせ、笑ってごまかせ」と。
結局、勇気を絞って飛び込んだ。
凄い衝撃とアドレナリンによる快感が全身を駆けめぐった。
今思うとあの、スギちゃんが骨折した高さだった。
何か行動を起こそうと思うと、必ず反対の観念がおこる。
強い意思で行動を起こそうと思えば思うほど強い反対の観念が想起される。
上腕二頭筋とその拮抗筋、上腕三頭筋
の関係のように。
これでスムーズに動いているのだ。
ビルから飛び込みたい、死にたいというのは、強く生きたいより良く生きたいとの思いの表れなのだろうか。
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