旧豊田佐助邸から再び歩いて歩いて

大汗かきつつやってきました

 

『名古屋市市政資料館』

 

1922年(大正11年)に建設された

名古屋控訴院・地方裁判所・区裁判所庁舎

 

控訴院とは現在の高等裁判所のことで

1979年に現在の地に移るまでの60年間

中部地方の司法の中心を担っていた場所

 

全国8か所に設置された控訴院庁舎のうち

現存する最古のものです

(現存はここ名古屋と札幌)

 

1989年(平成元年)に復原され、

常設展示室とともに一般公開

現在は名古屋市の公文書館となっています

 

19世紀後半に流行した

ネオバロック様式で3階建て

 

建物竣工の翌年に関東大震災が発生し

それ以降、大規模なレンガ造りの建物が

新たに建てられることはなくなったため

日本における最後の大規模な

レンガ造りの建物とも言われています

 

ここも入場無料(無料に弱い私…)

 

中に入ると、目の前に大きな階段が…

 

国の重要文化財でもある中央階段

 

・左右対称の造りであること

・2階から3階まで吹き抜けであること

・茶色と黄色のツートンの化粧柱が並んでいること

というネオバロック様式の特徴が

最もよく表れている場所とのことです

 

 

階段を登っていくと…


天井に大きなステンドグラス!

 

「公明正大を表す日輪」が

デザインされています

 

公明正大とは…

私心をさしはさまず、公正に事を行うこと

 

 

そして階段正面のステンドグラスの方は

色の違う玉が左右の秤に

乗っている天秤のデザイン

 

天秤は公正な裁判を意味していますが

玉は「罪を犯せば罰が与えられる」という

罪と罰を意味しているとのこと

 


「公明正大を表す日輪」と

「罪と罰が乗った天秤」ということで、

公正な裁判が行われる場所を意味しています

 

 

映画やドラマのロケ地としても

よく利用されているようです

 

 

ちなみに全体像はこんな感じ

 

中央階段の両側には中庭が設けられていて

その中庭をレンガ造りの建物が

ぐるりと取り囲んでいます

 

 

 

レンガに反射した光が届いて

廊下までピンクに染まってますラブラブ

 

 

どこを見ても、雰囲気がすごくよくて

何枚も写真を撮ってしまった

 

 

 

 

 

 

 

いくつもある部屋は

今は一部が展示室になっています

 

創建時、控訴院の会議室として

使用されていた部屋

 

残された文献や当時の写真、

聞き取り調査などを手掛かりに

創建時の姿に復原した部屋です

 

机や椅子などの調度品、シャンデリア・

カーテン・壁紙・手縫いの一枚織り絨毯

などの内装を含め、

すべて創建当時の姿に復原しています

 

 

この内装が重要文化財に指定されています

 

名古屋の近代建築史の紹介コーナーにあった

『いとう呉服店』の模型

 

栄にあった名古屋初の百貨店で

後の「松坂屋」でございます!!

 

 

展示室は複数あり、名古屋市の歩み

市勢の発展、名古屋の都市形成などなど

当時の公文書や行政資料と共に紹介されていました

 

 

 

1937年 名古屋汎太平洋平和博覧会の

英文ポスター(複製)

 

第二次世界大戦前に開催され

「平和」と銘打った最後の一大博覧会

 

今見てもオシャレなデザインです

日本向けのポスターはシャチホコだった模様

 

『隣組 家庭防空必須』

空襲への備えを大衆に呼びかける啓発書

 

名古屋市の姉妹友好都市である

メキシコ市から贈られたアスティカ時計

 

他にも姉妹都市の協定を結んでいるのは

ロス、南京、シドニー、トリノ、ランス

各市からの記念品も展示されていました

 

お次は「明治憲法下法廷」を復原した部屋

 

控訴院第二号法廷として使われていた場所で

刑事合議制の公判をモデルにしています

 

 

当時、裁判所と検事局は同じ建物にあって

裁判官と検察官が同じ檀上にいるのが特徴

 

 

現在の法廷と異なるのは

検事、弁護士、書記も法冠と法服と呼ばれる

制服を身に着けていること

 

 

被告人の目線で…

 

ちなみに中央にある取っ手のついた箱には

証拠品が入っています

 

お次は「大法廷」の部屋

昭和初期(昭和3~18年)の陪審法廷復原

 

奥に3席設けられているのが裁判官席

左側が検事席、右側が書記

裁判官と向かい合う手前の席が陳述席

見切れているけど左手前に弁護人・被告人席があります

 

 

陪審資格者名簿から選ばれた12人の陪審員が

素人の立場で審理に参加していた

という点では

今の裁判員制度に似ていますが

当時は犯罪事実の認定(答申)を行うのみで

量刑の判断・決定などは

できなかったとのこと

 

また、陪審資格者名簿に載る人物は

直接国税を3円以上収める読み書きの

できる30歳以上の男子に

限定されていたとのことです

 

そんな陪審制度ですが、

法曹三者(裁判官・検事・弁護士)が

この制度に消極的態度だったことや

有罪の場合、裁判費用は

被告人負担となるため

陪審裁判を辞退する被告人が多かったなど

対象となる法廷陪審であっても

辞退や取り下げとなるケースが頻発し

最終的には停止となりました

 

最後は「現行憲法下法廷」を復原した部屋

 

なのですが、見慣れた?風景だからか

なぜか撮った写真が椅子だけっていう…

 

 

 

ドームに登る階段が設置されていました

これを登るのはさすがに怖い…

 

天秤デザインのステンドグラスの裏側

 

 

 

最後に忘れてはいけないスポットが

1Fにある留置場です

 

 

ここは中央階段の真下に位置してますが

中央階段の豪華さと比べると

質素に感じる留置場への道…

 

 

独房が並んでました

 

裁判官や検事が取り調べのために

被疑者や被告人を一時的に留置しておく場所

 

実際に使用されていたようですが

思ったよりもキレイ…


でも、細長い部屋で両側の壁が

なんとも圧迫感があって怖いわ

 

雑居房にも入れます

 

こちらは窓も2つあって明るい部屋

 

定員何名かは不明ですが

快適ではなさそう…

 

地下ではなく1Fにあるのに

なんだか地下感を感じる…ひんやりするし

 

留置場から無事に脱出!!

 

 

それにしても、想像以上に見どころ満載の

名古屋市市政資料館

無料だなんてほんとにすごいな~

 

 

そのまま残されている

『名古屋供託局』の看板

 

もう一つ、忘れてならないのが

名古屋市市政資料館と向かい合うように

並んで建っているこの長屋

 

雰囲気があって素敵だな~と思って

撮影したのですが、後から調べたところ

戦前から建っている長屋で

「弁護士長屋」と呼ばれているらしい

 

昔はここに多くの司法書士事務所があり

裁判所へ提出する書類を司法書士に書いてもらうため

多くの弁護士がこの長屋に並んだことから
弁護士長屋と呼ばれるようなったとのこと

 

免許センターの周辺に写真屋が多い…的な

ものでしょうか(多分違う…)

 

 

数軒の看板は出ていましたが

今ではひっそりとしていました

 

 

本日の観光はこれにて終了!

 

この日は気温が35度まで上がっていて

ずっと歩き回って汗だくだったにもかからず

ホテルまでさらに歩いて帰りました(笑)

 

できる限り日陰を選び、

可能な限り地下を歩く…

(栄駅と久屋大通駅は地下で繋がってて

日差しを避けるのに助かりました)

 

途中で、ザ・名古屋スポットに立ち寄り…

 

 

あまりにも暑くて人がまばらです…

 


栄駅のステンドグラスがステキでした

 

ホテルの部屋に入った瞬間、

思いっきり冷房最強にしてクールダウン無気力

いや、名古屋の夏の暑さはヤバイ…

 

しばらくゆっくり休憩して夜ご飯