撞木館から、再び汗だくになりながら
少し歩いてやってきました
『旧豊田佐助邸』
実業家 豊田佐助の邸宅です
大正12年(4年の説も)に建てられた
白いタイル張りで木造の洋館と和館で
構成されています
どちらも二階建てで、これまたステキ
入口は洋館の方です
玄関のタイルがかわいい…
なんと、ここは入館無料!
発明王と呼ばれていた豊田佐吉や
その子供であるトヨタ自動車創業者の
豊田喜一郎は有名だけど
そこまで名の知られていない豊田佐助…
豊田佐助は発明王・佐吉の15歳下の実弟であり、
佐吉を様々な方面で支えた人物と言われています
最初のお部屋は洋館の応接室
内装を含め、当時のまま保存されています
天井の換気口をよ~く見てみると…
とよだのマークが!!!
「とよだ」をの文字を
鶴・亀のおめでたい柄で図案化
これがなんともオシャレなのです
館内にはこのマークがいくつか
ちりばめられているようで
とよだマークを探すのも楽しいかも…
(私は見つけられなかった…)
備え付けの地袋(収納部分)の扉には
かわいいデザインの飾りが…
和歌山県の隅田八幡神社に伝わる
日本で初めて製作された金石文が刻まれている鏡
「隅田八幡神社人物画像鏡」(国宝)に
描かれている人物から取ったもの
廊下に備え付けられてるガス灯
当時は、電気よりもガスの方が
安定的に供給できていたとのこと
室内にガス灯があるとはビックリしました
洋館と和館は廊下で繋がっているので
そのまま和館へ…
4部屋に区切られていて
周囲を廊下で囲まれています
移動する際は各部屋を通ることなく
廊下を通ればよいので
客人と鉢合わせしない仕組み
欄間にはめ込まれた板には
觔斗雲(きんとうん)?違うか 笑
庭も広く取られています
おー、コレコレ!
見えづらいけど窓の鍵です
「捻締り錠」と呼ぶらしい!(調べた)
祖父母の家にもあった…というか、
まだ現役で戸締り中の懐かしい鍵
レトロな洗面所
その横にはトイレがありました
建物の裏手に残る土倉
和館の2階へ上がります
欄間の柄もステキ
緑豊かな庭を望む…
確実に我が家よりも広いお庭
2階は主に客間になっています
全ての部屋は金の襖で仕切られていて
豪華な造りになっていました
松の絵柄の襖
1階の襖に描かれている若松が成長し、
2階では立派な松になったという
遊び心が隠されています
客間
光が当たると襖全体が金色に輝いて
本当に美しいらしく
お客さんにも人気のお部屋だったそうです
これは夏障子(葦戸)と言って
風通しがよく涼しいらしい
模様の部分は縁起の良い横木瓜(よこもっこう)
左の模様が「陽」を表し
右の模様が「陰」を表していて
豊田家の家紋に繋がる柄だそう
続いて洋館(2階)の方へ移動…
なにかお気づきでしょうか?
ここは洋館です
そうです!和室なんです
外側からは洋館にしか見えませんが
中身は和室となっていました
やっぱり和室の方が落ち着くからかな?
洋館と和館の接続部にあった
風通しや明るさを調節できる波型無双連子
波型の板が2枚合わさっているのですが
そのうちの一枚をずらすことによって
隙間を閉じたり開いたり調整します
100年経ってもスムーズに開閉するらしい
またまたトイレを発見
ただのトイレではありますが
柄タイルを入れると
なんともレトロでオシャレなのです
この館のもう一つの見どころは
壁に施された耐震補強の構造です
本来は壁の中に埋め込まれているものですが
一部分を実際に見ることができます
通常は十字に組むだけの柱のところを
太い四角の柱をプラスして補強しています
どの壁にも同じような耐震補強が
施されているとのこと
実はこの館が経つ数か月前に
関東大震災が発生していたため
急遽耐震構造に設計を変更したらしいです
アメリカ製の電気スイッチ
これだけの数あると、
かなりの確率で間違えそう…笑
電気版も当時のまま?
またトイレを発見!(笑)
こちらは当時の手洗い場と
今の時代の手洗い場の融合
その中に、なんでも自動対応の最新式トイレが
備え付けられていました
玄関のタイルもかわいかった
お庭も少し歩きました
築100年を超えていますが
手入れが行き届いているし
和と洋が調和していて古さを全く感じません
洋館の2階の中身は和室というのも
おもしろかったです
ここに住みたい…
とにかく見どころがいっぱい!
それなのに無料…というステキな邸宅でした
また大汗かきながら歩いて移動します
読めない町名シリーズ
通り道にあったカトリック主税町教会
1887年(明治20年)に設立された
名古屋で最も古いカトリック教会です
残念ながら見学はできませんでした