やらなければならないことを怠けながら、
今日も明日も何ひとつ変わらず、
ワタクシという人間が投げやりの暮らしの内で、
下らない事情などに思いつめている最中にも、
世間では、
こちらの知らぬところでは、
色んな騒動が起きては揉みくちゃにされ、
ひたすら陰湿な様子になっているようですね。
こうした世間のあれやこれやに頭をやると憂鬱になる。
だから考えるのをやめた。
それで自分が、この一週間にやったこと、
バンバン200に乗って雨に三度降られ、
その度に仕方なく磨いてやって、うんざりして、
スーパーマーケットで食い物の値段に怯えながら買い物をし、
ものを書いては消してみたり、気色悪い音楽をこしらえてみたり、
おかしくなるくらい体を鍛えて、食べて、寝る、これだけだ。
そんなことはどうでも構いませんね。
さて映画のお話。
『ラスベガスをやっつけろ』でございます。
若者がカジノで儲けようとして何かをやったとかいう映画
『ラスベガスをぶっつぶせ』
これではありません。
『ラスベガスをやっつけろ』でございます。
どうですか、え? 赤い字を使ってみたんだ……
さてさて
主演はジョニー・デップさん。
ベニチオ・デル・トロさんも出ています。
クリストファー・メローニさんも小さい役ですが
登場します。それがどうしたっていうのか。
筋書としては
砂漠でのバイクレース取材のため、
ジャーナリストらしき主人公が、弁護士らしき友人を連れ、
あらゆる薬物をトランクに詰めた車でラスベガスへ向かい、
そこでホテルや観光施設を破壊し続ける、
そういう中身みたいです。
先に話してしまいますが面白いです。自分みたいにケチな人間が
DVDまで買ったんだから、面白いってことだ。
さてさてさて
この映画について書くのは少し躊躇われた。
とにかく劇中において
主人公と弁護士らしき人物は、およそ素面の時を知らない。
ひたすら、お薬をやって、錯乱しては暴れるの繰り返しですから、
当然として、近頃、流行りの、品行方正の映画という種類ではない。
我々が暮らしている国においては、
飲酒より他には娯楽を許されておりませんし、
(体に入れて楽しめるという娯楽は)
煙草をやるだけで異常者という扱いをする世間なのですから、
こういう映画について書くのが怖い。
そういう神経でしょうか。
加えてジョニーデップさんについて
馬鹿げた苦手の意識が、こちらにはございます。
「どの映画でも仮装しやがってよお! これが面白いか、え?」
という下らない考えがありまして、
そういうわけでやはり躊躇われた。一体、どういうわけなのでしょう?
こんな考えの向きはいけない。
臆病だ。了見が狭い。そして息苦しいじゃないか、え?
だから書くことに致しました。
流行りの品行方正映画に(邦画はこればかりだ)
うんざりするばかりの自分でございます。
だったら臆病はやめて、素直に書いてやるという
気分でしょうか。
それに、ええ、それに、
道徳がどうしたこうした、という行儀のいい意識が
蔓延するわりには、
世間は陰湿窮屈の代物になるばかりです。
とにもかくにも
しくじるなら、しくじるかもしれないなら、
そういう体験はしなくてもいい。そういう感覚も知らなくていい。
こんな閉じた時代になっているわけです。
だから、この一本、
『ラスベガスをやっつけろ』
如何でしょうか? 何が如何でしょうかなのか?