私が体験した野鳥の識別ミス・3選 | とりのひとのブログ

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兵庫県在住。
主に週末にバードウォッチングに行くので、その報告や雑談を投稿していきます。YOUTUBEチャンネル「とりのひと」もよろしくお願い致します。

野鳥が好きでだんだん分かるようになってきた。人にも教えられるようになってきた。そんな中でも「見慣れて来たからこそ油断した・・・」という識別ミス、皆様にもありませんか?私はあります(笑)

 

今回は私が「見間違えた」ものや「何か分からなかった」ものを3つご紹介します。間違いは決して悪いものではなく、そこから学べることがとても多いです。ぜひ私のミスから学んでいただければ嬉しいです。

 

1.タヒバリとムネアカタヒバリ

これはよくある、「探している鳥に見えてしまう幻覚」に近いものです(笑)

 

時期は3月。関西でムネアカタヒバリが入ったという知らせを聞いて訪れた先、そこにはたくさんのタヒバリもいたのです。関西では希少なムネアカタヒバリの特徴は頭部から胸が橙赤色であること。冬には色が薄くなりますが、他の方のブログを拝見するとかなり赤く見えて、現地でも赤い色を目標に探し回りました。

 

そんな中見つけたこの子

見た瞬間に「胸が赤い!」と思い、夢中で写真を撮りました。他のバードウォッチャーも撮っていました。

 

しかし、家に帰って図鑑をよく見たところ、どうもブログで見た個体とは違います。顔が赤くないし、胸の縦斑もはっきりしていない・・・そう、これは夏羽に換羽中のタヒバリだったんです。関西ではタヒバリは冬鳥なので、タヒバリの夏羽のことがすっかり頭から抜けていたのがミスの原因でした。

 

ムネアカタヒバリは冬羽でも喉元に赤みがあり、更に頭頂部にもスジのような縦斑が入るそうです。私は未だ本物のムネアカタヒバリには会えていません。識別ポイントをしっかり押さえて次はミスしないように自信を持って識別したいです。

 

 

2.コムクドリ♀

これは、「ここにいるはずがない」と思ったことで生じたミスです。

 

3月に初めて訪れた石垣島。島特有のたくさんの鳥を見て、その中にライファーのカラムクドリもありました。

 

こちらがカラムクドリの群れ

と思ったら、一羽違うのが混じってますよね(左から2羽目)。

 

石垣島には本土とは違う様々な鳥が飛来するため、過去にはバライロムクドリやシベリアムクドリなどの珍鳥の記録もあります。石垣島で浮かれていた私は、この個体がシベリアムクドリではないかと一瞬早とちりしてしまいました。

 

冷静に読んでいる皆様はもうお分かりですよね。これはコムクドリのメスです。初めて訪れた石垣島ということもあり、何かとんでもないレアなムクドリかと勘違いしてしまいました。しばらくしてコムクドリと気が付きました。

 

いつもと違う環境や季節に意外な鳥が現れると、頭が追い付かず当たり前の識別ができないことがあります。相手は自然の生き物なのでイレギュラーは当然あります。常に柔軟に可能性を考えて識別したいと思いました。

 

 

3.換羽中のコガモ

カモ類は冬鳥として人気ですが、換羽が識別を難しくすることがあります。

 

こちらは換羽中(11月)のコガモのオス

私はこれを見た時、トモエガモと勘違いしてしまいました。

 

後から同行者が詳しい人に聞いたところ、コガモのオスと判明。コガモはとてもよく見るカモなので、識別ミスをして一番ショックを受けたものでした。身近な鳥なのに初めて見た姿だったので、もっとよく観察しようと思いました。

 

このように見慣れている野鳥でも、換羽中やエクリプス羽だと思わぬ見間違いをすることがあります。季節を通してじっくり観察することが大切ですね。

 

 

春と秋の識別は特に注意

この記事を書いていて思ったのは、3月や11月など、季節が移り替わる時期に識別ミスが多いということです。換羽で見た目が変わっていたり、思わぬ鳥が入っていたりするためです。おそらく私だけでなく多くのバードウォッチャーが識別ミスをしやすい時期だと思います。初めにも書いた通り、識別ミスは決して悪いものではなく、「あの時の間違い」から次の1羽に確信が持てると思うので、私の体験も参考にどんどん識別に自信を持っていきましょう。