もうすぐゴールデンウイークがやってきますね。春の渡りも進み、夏鳥も続々と到着しているので、バードウォッチャーとしても楽しみな時期です。ゴールデンウイークに観察の旬がやってくる鳥たちをまとめます。
1.シギ・チドリ類
(トウネン・ハマシギ・オオソリハシシギ・セイタカシギなど)
シギ・チドリ類は繁殖と越冬のために長距離を移動する渡り鳥で、日本はその中継地となります。主に見られるのが春と秋の渡りの時期なので、ゴールデンウィークは春の渡りの真っ只中ということになります。
シギ・チドリ類には夏の繁殖シーズンに鮮やかな夏羽になる種類が多く、春の渡りでの観察はとても魅力的です。トウネンやオオソリハシシギ、メダイチドリは鮮やかな赤色をまとい、ハマシギは特徴的な黒の模様が現れます。大型チドリのダイゼンやムナグロも美しいツートンカラーになります。
関西でシギ・チドリ類を見ようと思ったらまずメジャーな場所は南港野鳥園でしょう。潮が引くと観察棟から様々なシギ・チドリ類が観察でき、土日にはガイドさんがいることもあります。トイレや駐車場もあるので気軽に楽しめる場所です。
兵庫県ですと、甲子園浜も有名です。堤防から見下ろす形で観察出来て、比較的近い距離で観察できます。ここはキョウジョシギが多いので、鮮やかな夏羽を楽しむことができます。
個人的にもう一箇所おすすめなのは男里川河口です。ここは河口に降りて観察出来るので、目線の高さでシギ・チドリ類を観察出来ます。
2.ヒタキ類
(オオルリ・キビタキ・コサメビタキなど)
関西で繁殖するヒタキ類にはオオルリやキビタキ、コサメビタキがいます。4月中頃から姿が見られるようになり、さえずりも聞くことが出来ます。
ヒタキ類を観察するのに適しているのは都市公園です。渡り鳥にとって、都市公園は街なかにある緑のオアシスのようなもので、渡りの時期にはかなりの確率で立ち寄ります。
一般的にヒタキ類のような小さな鳥は夜間に渡りをして、朝方に到着することが多いので、公園で観察する時には朝がおすすめです。私が思うゴールデンタイムは7時〜9時です。
3.ムシクイ類
(センダイムシクイ・エゾムシクイ・ヤブサメなど)
ムシクイ類も日本で繁殖する夏鳥で、春と秋に公園などを通過します。彼らは見た目で識別することが大変難しく、平たく言えばみんなウグイスのような姿をしています。そのかわりにさえずりには大変特徴があり、繁殖期にさえずっているときがいちばん観察しやすいと言えます。
センダイムシクイは「チョッチョビー」、エゾムシクイは「ヒーツーキー」、ヤブサメは「シリシリシリ」と、それぞれ全く違います。
野鳥の楽しみ方は見るだけでなく、聞くことも出来るため、春から初夏にかけてはムシクイ類を聞いて楽しむ絶好のチャンスです。公園だけでなく、彼らが繁殖する山でも聞くことが出来ます。
今回は3つに絞りましたが、春にはもちろんほかにも様々な野鳥が見られます。今年のゴールデンウイークはどんな出会いがあるか楽しみですね。