ロックの踊り子・鶴見つばささんについて、新作「ローマの休日」を題材にして「美しさはこれほどまでに人を感動させるものなのか」という題名でレポートします。

 

 

 

さて、早速ステージ内容を紹介しよう。

アン女王に扮したつばささんがベージュのワンピースドレス姿で登場。肩出し、袖なしの形で、胸元から足元まですらりとドレスが流れる。腹部に花柄の刺繍がされており高級感を漂わせる。白い手袋をして、銀のハイヒールを履く。なんと言っても、頭にのせた銀の王冠がアン女王の高貴さを醸し出す。

アン女王はアイスクリームを片手に、街中を楽しもうとしている。

舞台が暗転。

今度はラフな格好に着替える。髪を後ろにアップにして白い花飾りのピンで留める。白いシャツをだふっと着て、動きやすいダークグリーンのロングスカートをはく。首にブルーのスカーフを粋に巻く。

舞台が明るくなり、最初の場面がアイスを食べるシーン。また暗転、次の場面はヘルメットをかぶってバイクに乗っているシーン。また暗転、彫刻の像の口に手を入れるシーンと続く。私はこの時点で今回の演目が映画「ローマの休日」であることを確信した。

アン女王が赤いハートマークを持って楽しそうに踊る。新聞記者ジョーとのデートを楽しみ恋に落ちる。

次に、衣装を全て脱ぎ、一旦全裸になる。

椅子の上に置いていた丸い彫刻像を裏返したら鏡になる。その鏡に向かって着替えを始める。まずは、てかてかしたエナメル生地の白い大きなスカートを履く。上半身は裸のまま。鏡を見ながら髪に銀の王冠を付ける。そして銀のネックレスを付ける。最後に両手に刺繍入りの白く薄い手袋をする。丸い鏡を持ってくるくる回る。

そのままベッドショーへ。長い脚を高く上げたり水平にしたりして次々とポーズを決めていく。銀色のハイヒールの先端が銀と黒の斑模様できらきらと輝く。

切れ長の眼差し。物憂げな表情。「なんてキレイなんだろう」ため息が漏れる。

ベッドでの美しさは圧巻。あの灘ジュンさんの凛とした美しさを彷彿させられた。

 

映画ファンであれば、映画『ローマの休日』でアン王女役のオードリー・ヘップバーンを知らない人はいない。またヘプバーンカットと呼ばれたショートカットが似合う、この美少女を嫌いな男性はこの世にいないだろう。映画史上最高の美少女の一人である。

果たしてこの役をストリップで演じられる人がいるだろうかと問う。既に引退されたロックの花形スターだった灘ジュンさんであれば美しさでオードリに引けを取らなかっただろう。そして今、目の前で鶴見つばささんが見事に演じている。彼女の美しさは観客をただただ黙らせる。私は感動で胸が震えた。「美しさというのはこれほどまでに人に感動を与えるものなんだなぁ」としみじみ痛感させられた。

 

映画『ローマの休日』は1953年製作のアメリカ映画。

ウィリアム・ワイラーが製作・監督。イタリアのローマを表敬訪問した某国の王女が滞在先から飛び出し、一人でローマ市内に出て知り合った新聞記者との切ない24時間の恋を描いている。トレビの泉や真実の口など、永遠の都ローマの名だたる観光スポットを登場させていることでも有名である。

新聞記者をグレゴリー・ペック、王女をオードリー・ヘプバーンが演じている。この時に新人だったオードリー・ヘプバーンは、1953年のアカデミー賞において、アカデミー最優秀主演女優賞を受賞している。

 

改めて映画『ローマの休日』のあらすじを記載しておく。

ヨーロッパきっての、古い歴史と伝統を持つ某国の王女アンは、ヨーロッパ各国を表敬訪問中であった。最後の滞在国であるイタリアのローマで、過密なスケジュール、疲労感と自由のない生活への不満により、ついにアンはヒステリーを起こしてしまう。

その夜、密かに城を抜けだした王女は、直前に打たれていた鎮静剤のせいで、無防備にも路傍のベンチでウトウトし始める。そこに通りかかったのが、アメリカ人新聞記者のジョー・ブラッドレーだった。見かねて介抱するうち、いつの間にか王女はジョーのアパートまでついて来てしまう。眠くて仕方のない王女は、詩を朗読して寝てしまう。

翌日の昼になって、彼女の素性に気づいたジョーは、王女の秘密のローマ体験という大スクープをモノにしようと、職業を偽り、友人のカメラマンであるアーヴィングの助けを得て、どうにか王女を連れ歩くことに成功する。

アンは、市場での散策を楽しむ。まずサンダルを買い、美容院で髪の毛を短くし、スペイン広場でジェラートを食べる。その後ジョーとベスパに二人乗りしてローマ市内を廻り、真実の口を訪れ、サンタンジェロ城前のテヴェレ川でのダンスパーティーに参加する。その様子をアーヴィングが次々とスクープ写真を撮っていくうち、永遠の都・ローマで、自由と休日を活き活きと満喫するアン王女と新聞記者のジョーの男女仲は、次第に近づいていくのであった。

 

今回の演目で登場した場面を少し補足する。(誤解のないように)

まず、アイスとしたが正式にはジェラート (gelato)と言う。これはイタリア語で「凍った」という意味を持つ氷菓。

次にバイクと書いたが正式にはベスパ(イタリア語: Vespa)と言う。イタリアのオートバイ・メーカー、ピアッジオが製造販売するスクーターの製品名。イタリア語でスズメバチを意味する。

また彫刻の口と書いたが、これはローマにある有名な石の彫刻「真実の口」のこと。ローマのサンタ・マリア・イン・コスメディン教会の外壁、教会の正面柱廊の奥に飾られている。元々は下水溝のマンホールの蓋であったらしい。海神トリトーネの顔が刻まれている。手を口に入れると、偽りの心がある者は、手を抜く時にその手首を切り落とされる、手を噛み切られる、あるいは手が抜けなくなるという伝説がある。映画では、新聞記者のジョーがアン王女を驚かそうとして、伝説に基づき悪ふざけで「真実の口」に手を入れて、抜けないという演技をした。このときうぶな王女はそれを真に受け、恐怖のあまり叫び声を上げ、あげくに泣き出してしまった。ここでのペックの演技は撮影時に全く台本にないオードリを驚かせるアドリブであったと言われる。

 

オードリは私にとっても憧れの女性である。

オードリー・ヘプバーン (オードリー・ヘップバーンとも表記される)(1929年5月4日生―1993年1月20日満63歳で没)は、イギリス人でアメリカ合衆国の女優。ハリウッド黄金時代に活躍した女優で、映画界ならびにファッション界でのアイコンとして知られる。米国映画協会の「最も偉大な女優50選」の第三位にランクインし、インターナショナル・ベスト・ドレッサーにも殿堂入りしている。

オードリと云えば、彼女の人気を不動にした映画『ローマの休日』で見せたアン王女役の愛らしい笑顔の印象が強い。1953年に『ローマの休日』でアカデミー主演女優賞を獲得。その後も『麗しのサブリナ』『尼僧物語』『ティファニーで朝食を』『シャレード』『マイ・フェア・レディ』など数々の人気作、話題作に出演。アカデミー賞、エミー賞、グラミー賞、トニー賞の受賞経験を持つ数少ない人物の一人。

しかし、オードリの最大の魅力はその生きざまにある。彼女は少女時代に第二次世界大戦下のオランダにいた。身内がナチス・ドイツに殺され、彼女自身もひどい栄養失調になる。戦争が終わり、ユニセフ(国際連合児童基金)が救援物資を届けてくれたことを生涯忘れなかった。後に「アンネの日記」のアンネ・フランクと同い年であったことを知り、ひどく心を痛めた。そのため「アンネの日記」の主役を求められたときに断っている。後半生はユニセフ親善大使になって、アフリカ、南米、アジアの恵まれない人々の救援活動に献身した。身体を酷使したことも重なり癌になり63歳の早すぎる生涯を終える。オードリは1954年からユニセフへの貢献を始めており、亡くなる直前の1992年の終わりには、ユニセフ親善大使としての活動に対してアメリカ合衆国における文民への最高勲章である大統領自由勲章を授与されている。

 

 オードリの美しさを、そして彼女の生きざまを感じさせてくれた鶴見つばささんに心から感謝したい。

 

 

平成29年9月                       ライブシアター栗橋にて

 

 

 

 

 

【付録】私の好きなオードリー・ヘップバーンの名言を紹介しよう。

 

魅力的な唇のためには、優しい言葉を紡ぐこと。

 愛らしい瞳のためには、人々の素晴らしさを見つけること。

 

  → 私が踊り子さんをレポートするときの基本スタンスそのものなのに驚いた。

    いかに、その踊り子さんの素晴らしさを見つけるか。

そして、いかに、それを優しい言葉で表現するかをいつも心がけている。

 

・美しい身のこなしのためには、決して一人で歩くことがないと知ること。

 

・わたしとって最高の勝利は、ありのままで生きられるようになったこと。

 自分と他人の欠点を受け入れることができるようになったことです。

 

・いばる男の人って、要するにまだ 一流でないってことなのよ。

 

・どんな日であれ、その日をとことん楽しむこと。

 ありのままの一日。ありのままの人々。

 過去は、現在に感謝すべきだということを私に教えてくれたような気がします。

 未来を心配ばかりしていたら、現在を思うさま楽しむゆとりが奪われてしまうわ。

 

・いわゆる天賦の才に恵まれていると思ったことはないわ。

 仕事を心から愛して最善を尽くしただけよ。

 

・わたしを笑わせてくれる人を わたしは大事にしますわ。

 正直なところ、私は笑うことがなによりも好きなんだと思う。

 悩ましいことが沢山あっても 笑うことで救われる。

 それって人間とって、一番大事なことじゃないかしら。

 

  → ストリップがあるお蔭で、私はいつもにこにこ笑顔でいられる。

 

・愛は行動なのよ。

 言葉だけではだめなのよ。

 言葉だけですんだことなんて一度だってなかったわ。

 私たちには生まれたときから愛する力が備わっている。

 それでも筋肉と同じで、その力は鍛えないと衰えていってしまうの・・・

 

  → ストリップがあるお蔭で、私は愛する力は衰えない。そう断言できる。

 

・なんとしても避けたかったのは、人生を振り返ったとき映画しかないという事態です。

 

  → 人生を振り返ったとき、私には仕事と家庭と、

そしてストリップがあったと思うことだろう。

 

・母から一つの人生観を与えられました。

 他者を優先しないのは、恥ずべきことでした。

 自制心を保てないのも、恥ずべきことでした。

 

・年をとると、人は自分に二つの手があることに気づきます。

 ひとつは自分を助ける手。

 そして、もうひとつは他人を助ける手。

 

・なにより大事なのは、人生を楽しむこと。幸せを感ずること。それだけです。

 

・幸福のこんな定義を聞いたことがあります。

 「幸福とは健康と物忘れの早さである」ですって!

 わたしが思いつきたかったわ。だって、それは真実だもの。