ヨウジヤマモト③ | ブログタイトル考え中。

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年間360日は反抗期。世の中の疑問、質問、悶々を書いていきます。
自分の好きなジャンル(メンズファッションやJ-POP)でも容赦しません。
お世辞や愛想の「いいね!」やコメント要りません。
つまり、いい子にはなりません。


ヨウジヤマモトは難しい。

そういう話を前回、書いた。
【承前→ https://ameblo.jp/stripe-pattern/entry-12385906827.html 】


翻って、そのへんが、ビジネスパーソンとしてもつとに評価が高いコム・デ・ギャルソンの川久保玲が「上手いなぁ」と思えるところである。
コレクションで発表する服はどれも、(鷲田清一先生の言葉を借りれば)服が服でなくなるギリギリにアーティスティック兼職人技満載な一方、
ブティックに並ぶ服は我々に馴染み深いものが多い。

ギンガムチェックやロンドンストライプのシャツや、ハリスツイードのジャケット…、
そこにヴィヴィッドな裏地やパッカリング(わざと縫いツレを起こす)、パッチワークで生地を組み合わせる…、といったギャルソンらしさをひと匙、加えて、
更にはヨウジと同じ、ほぼ100%日本製の高品質。




(↑ギャルソンらしさはkeepしつつ、且つ、ファッションフリーク以外の人も取り入れやすく、なおかつ!同性からも異性から見てもお洒落。)


ヨウジと違って白黒ばかりでないから、「あぁ、このデザインだからこの値段なのか」とデザインを見てわかるし、
それは逆転して見れば、ドメスティックブランドなんぞ全く知らない女の子からも、可愛い!とか言われる…!?
…なんてヨコシマな妄想も浮かんでくる。

更には、ちびっこな私向けのXSサイズからの展開も多く、上背のある人がだぼっと着てこそカッコいいヨウジとは逆に、ある意味、優しい(笑)


川久保玲もそうだが、渡辺淳弥は更に巧い。デザイナーとしての有能なのはもちろん、
Levi's、FRED PERRY、THE NORTH FACE、BROOKS brothers、…
といった、いわゆる「男の定番ブランド」とのコラボレーションにより、
どちらのファンも取り込むことに成功した。


PLAY コム・デ・ギャルソンや、BLACK コム・デ・ギャルソンといったエントリープライスというかセカンドライン的な価格帯もあり、
そりゃあ、中国や韓国からの観光客はもちろん、セールの初日にはお客さんが大挙して押し寄せるのも納得というものである。


ところで。

話は変わるのだが、「安易に得た知識は安易に消える」というのが私の持論である。
だから『池上彰の学べるニュース』も『林先生の初耳学』も、大好きなテレビ番組ではあるのだけれど、それらを観て得た知識は、と問われて、いったい何個の知識や雑学を即座に披露できるだろう?

ちなみにヨウジさんも『WWDジャパン』のインタビューにて、「知りたいなら検索するな。頭しか使わないヤツはデザイナーになれない」と語っている。


で、この流れで、決してコム・デ・ギャルソンが安易なブランドとは言わない、いや口が裂けても言えない(むしろご承知のように難解なブランドだ)けれど、
ヨウジは私の知る限り(少なくともメンズでは)、コム・デ・ギャルソンに比べて圧倒的に、古着屋に並ばない。

すなわち入口のハードルが高いだけに、一度買ったヨウジの服は、皆さん、売り払ったりせずに永くお召しになる…のではないか、というのが私の予想である。

(この点については『モードの記録』にも同じような、つまり「一度買ったヨウジは捨てることなく保管している」といった趣旨のインタビューがある)


ということで、ギャルソンと対比する必要があったのかはさておき(え、今更?💦)、
ヨウジには、ギャルソンに対しての諸々のビハインドを補って余りある魅力がある、ということが言えそうだ。

言い換えれば、だからこそ35年も、そして倒産騒動さえも乗り越えて今の人気があるのだろう。