介護施設の大事なお金、稼働率の話 | 中卒ひきこもりニートから始める介護士(10年目)

中卒ひきこもりニートから始める介護士(10年目)

高校中退、ひきこもり等を経験し20代後半で介護士になりました。老健に勤務。
私の経験を誰かの役に立てたいという自己満足でブログをしております。
(介護福祉士・一児の父)

ブログに来て頂きありがとうございます。

皆様に読んで頂くことが、
私のモチベーションです照れ

 

 

介護士が軽視しがちな稼働率。

 

その重要性と稼働率が高いことでの

メリットについて、

介護現場に立ちつつ、

管理者の補佐もするという、

両方の立場から見ているからこそ

分かる話をしたいと思います。

 

車椅子自操のイラスト

 

介護施設には

『稼働率』という数値があります。

 

簡単に言うと、売上みたいなもので、

施設内のベッドが

どれだけ埋まっているか?

を表す数値です。

 

本来はそこに

どういう加算が算定できるか?

という要素が入り、

売上が変わるのですが、

ややこしいので割愛します。

※加算=提供するサービスみたいなもの

 

つまり、稼働率が低いということは、

ベッドに空き(空床)が多く、

売上が見込めない状態

という事になります。

 

稼働率が高い状態を『高稼働』

ベッドが全て埋まっている状態を

『満床』と表現します。

 

この稼働率。

冒頭に言ったように、

現場の介護士は軽視しがちです。

 

理由は「満床でも空床が多くても、

給料がほぼ変わらない。」から。

 

そんな現場に対して

管理者がよく言うことが

「稼働率が低いと

みんなの給料が払えなくなる。」

「ボーナスには反映されるから。」

 

 それを聞いた介護士は

「経営側の意見でしょう。

それよりも職員を増やしてよ。」

「大してボーナスも高くならないのに。」

こう思いがちです。

 

かなしみのドット絵

 

稼働率が軽視される理由も、

重要な理由も、

介護施設という

システムそのものにあります。

 

介護施設は基本的に

満床とまではいかなくても、

高稼働でやっと

採算がとれる仕組みです。

 

普通の商売と違い、

想定以上の売上が出ることは

まずありません。

 

なのでどれだけ頑張っても、

職員の給料は大して上がらず、

ボーナスの額も

たかが知れてしまうのです。

 

 それに加えて業界の特徴である

慢性的な人員不足。

こうして職員の稼働率への

モチベーションが低くなります。

 

上記のシステム上、

少しでも空床が多ければ、

即座に赤字になるわけでは

ありませんが、空床が多いと、

すぐに想定した売上を下回ります。

 

売上が出ないということは、

お店で言うなら『不人気店』

ということです。

 

不人気店の末路は閉店です。

 

そうならない為に店長、

つまり施設の管理者は稼働率向上を連呼する。

という仕組みです。

 

アップのイラスト
 

そもそもが

高稼働で現場を回すことが前提で

作られている施設なので、

その状態で働くことは当然とも言えます。

 

このため、

経営側の言っていることは正しいのですが、

現場に寄り添っていないので、

受け入れられません。

 

私個人としては、

現場で主任をしている時から

「満床で働いてなんぼ。

介護士の実力が高いことが証明できる。」

という教育を上司から受けてきたため、

高稼働は当たり前派なのですが、

おそらく少数派ではないでしょうか。

 

ここで稼働率が高い場合と低い場合、

それぞれの

デメリットを考えたいと思います。

 

 稼働率が高いことで生じるデメリットは

「忙しい」の一点です。

 

それに比べて低いことで生じる

デメリットは多く、

 

・経営が悪化し、給料に影響が出る

・職員が忙しくない状態に慣れると、

忙しくなった時に対応ができなくなる

・稼働率向上のために、どんな状態の高齢者

でも受け入れなければいけなくなる

 

などがあります。

 

 そして結局は、

稼働率が高い状態のデメリット

「忙しい」は、

実は大した忙しさではありません。

 

稼働率が低い

→暇になり、職員の「忙しい」の基準が下がる

→稼働率向上のために施設の状態に関わらず

重介助(介護度が高いまたは介助量が多い)

のご利用者を受け入れる

→基準が下がったことと、重介助が多いという

二重の要因から職員がしんどくなる

 

というように、

高稼働をキープした上での満床よりも、

低稼働から何とか持って行った満床の方が

格段に忙しいからです。

 

忙しくて目が回る人のイラスト

 

冷たい言い方かもしれませんが、

閉店しない為には高稼働が必須なので、

「どうせ忙しくなる」ことは必然です。

 

必然ならば、ある程度の高稼働を

キープしておいた方が、

相対的にはしんどくありません。

 

ある程度、施設の状況に合った

ご利用者を受け入れられ、

高い基準をもって臨む状態こそが、

本当は現場にとっても理想なのです。

 

理屈は分かっても、

感情では納得できない現場の介護士。

理屈では説明できても、

感情へのアプローチが下手な管理者。

 

よくある構図です。

 

管理者はこの理想を、

如何に現場が受け入れられるように

伝えるかが重要です。

 

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サムネイル
 

駄文失礼致しました。

最後まで読んで頂きありがとうございました!