私は中卒です。
正確に言うと高校中退で、現在は通信制大学に通っていますが「卒業した」のは中学校までです。
中卒である。ということで、どんな弊害があるのか?
自分の心の中でどのように消化していけるのか?
今回はその話を聞いてください。
そもそも今の世の中、中卒の人はどれくらいいるのでしょう?
少し前のデータになりますが、2017年に総務省が発表した「産業等基本集計結果」によれば、中卒の割合は約19%です。
意外に多く感じますが、この数値は高齢者も対象としているので、対象を絞ると、20~40代は約1%とかなり少ないことが分かります。
大卒でもFラン大学と馬鹿にされることがあるのに、中卒だとどこまで馬鹿にされるんだ?と思った方がいるかもしれません。
あくまでも私の場合ですが、実は馬鹿にされたことはありません。
少なくても面と向かっては…
学歴が最も問われそうな就職活動ではネックになりませんでした。
介護という学歴が関係ない業界で働いていることも理由かもしれませんし、実務者研修という資格を取ってから働き出したことも、おそらく関係あるのでしょう。
ただ「そもそも学歴があればもっと仕事を選べた」という考え方はあるでしょうし、取れる資格が多くなる分、選択肢も広がったとは思います。
それでも自分で選んで介護士になりました。
次に、人と話している時に問題はないのか?
ですが、これは少し困ることがあります。
学歴コンプレックス自体はあるので、まず言い出しづらいです。
いざ伝えると理由をしつこく詮索してくる人がいるので、面倒くさくて自分からは言わないことが多いです。
面倒なだけなら良いのですが、言ったことにより周囲が気を遣って「触れてはいけないものに触れてしまった」みたいな気まずい空気が流れることがあります。
なので普段は相槌や答えを濁して中卒であることを誤摩化しています。
仲良くなって気を許した人には伝えることもありますが、そういう人たちは気にせず接してくれることが多いです。
最後に、学歴コンプレックスの弊害についてですが
厚生労働省のデータ「令和2年賃金構造基本統計調査」によると高卒の平均年収は425万6000円、大卒は585万7000円とあります。
実に160万円程違うのです。高卒でもこの差なので中卒ではもっと差があるのでしょう。
経済的な意味では家族に申し訳ないな。
そう思う反面で、だからこそ仕事を頑張って稼いでいこう。とも思います。
あとは、歳を取れば取るほどに「学ぶことは自分の価値観を広げることであり、人間としての可能性を広げることにもなる」と痛感することが増えてきました。
もちろん「良い大学を出ている」ことが「可能性にあふれた素晴らしい人間」に直接繋がっているとは思っていません。
ただ単にタスクとして勉強をこなすだけの人もいて、彼らは学んでいるのではなく学歴を手に入れるために勉強しているだけだからです。
一方で学ぶことは学校に行かなくてもできますが、学校が一番学ぶことに特化できる場所だとも思っています。
冒頭に通信制大学に通っていると書きましたが、学校に通い出したのは「職業訓練校と高卒認定試験の勉強をしているうちに、学ぶことの大切さと楽しさに気づいた」という理由からです。
つまり学歴コンプレックスは確かに弊害もあります。
それでも学歴コンプレックスのお陰で、学ぶことの素晴らしさに気付けました。
そして学歴コンプレックスのお陰で、ハングリー精神を持って仕事に臨めています。
コンプレックスであると同時に、自分の個性のひとつだと思っています。
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