皆様は、普段ファシリテーションをされる機会はあるだろうか。
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会議手法や、ガイド役などいろいろな言い換えがあるが、あまり専門的にまとめられたものもなく
我流でやっている人も多いが、結果が出ているのであればなんでも良いと思う。
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お茶会や、読書会あるいはワークショップなどの進行で、どうやったらいいのか?
と困ったことは無いだろうか?
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私は幸いないことに10年ほど前に、日本でもかなりハイレベルなファシリテーターから
別の概念でフューチャーセンター、フューチャーセッションのファシリテーションを教わる機会を得た。
あまり知られてはいないが、HRの業界ではファシリテーションを専門に世界を飛び回っている人も居る
今になって、10年前に教えていたこと、背中を見せていただいたことに命が吹き込まれた感覚だ。
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過去に地域づくりのNPOに所属していたことがあり、マルチセクターの集まるワークショップや、企業研修、個人研修、勉強会などなどの場でファシリを担当し、実践を繰り返した。
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先週、私もかなり久しぶりに対面で30人規模のワークショップのファシリテーションを担当した。
その時の気づきとともに、今回は、あり方ではなくやり方を中心に大事なことについてまとめてみた。
皆様の気づきの一助となれば幸いだ。
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●一番大事なこと
あなたがファシリテーションをするときに、一番大事だと思っていることは何だろうか?
答えは、「雰囲気づくり」だ。
何はなくとも、ファシリテーターが場を支配するので、エネルギーがダイレクトに場の参加者に伝わる。
あなたが何を感じているのかが、その場を支配する。
ワクワクしていれば、そのワクワクが。
イライラしていれば、そのイライラが
オドオドしていれば、そのオドオドが
ダイレクトに参加者に伝わっていく。
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どういった場にしたいのか、何が目的なのかをファシリテーター自身が腑に落としておくことが大事だ。
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●問いの設計
ワークショップの場合だが、問いの深さと広さが、全体の学び気づきや合意形成の質に影響をしてくる。
どのようなポイントで問いを立てるかは事前に設計をしておくことが望ましい。
主宰側が複数人の場合は、必ず相談してフィードバックをもらうことで、どんどんその精度が上がってくる。
その上で、問いの意味が分かりやすいことも大切だ。
シンプルでしかも力強い問い、本質をついているかについて、事前にディスカッションをしておくとよいだろう。
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●大枠のストーリー
全体のタイムテーブルを一旦引いておくこと、目的と着地点を大枠で狙っておくことが望ましい。
特に、「目的」はクリアに言語化しておく必要はある。
思い描いたストーリーから外れた際に、「目的」がその道しるべになってくれる。
また、2分単位など、作りこみすぎると時間通りに進めなくてはいけないバイアスがかかるので、ある程度の余裕を持たせる時間管理が良いだろう。
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●空気を読む力
ワークショップの本質は、本音を引き出すことにある。
そのために、参加者がいかに自然体になるかを考えながら、ガイドを行っていく。
基本的には、参加者の中で一番レベルが低い者に目線を合わせる。
全体のダイナミクスを活かすために底上げをする視点で場に影響を与えて行く。
ファシリテーターは扇の要となれるよう、参加者全体の雰囲気を察知しながら
最適な言葉運びをしていくことが良いだろう。
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●専門性
場に参加する人は、ある一定のトピックに集まってくる。
そのトピックやコンセプトに対して、ファシリテーターが全く何もわからないと進行する場が白けてしまう。
その筋の専門家になる必要はないが、事前にその業界や参加者の背景をインプットしておくことが望ましい。
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●考具
付箋、模造紙、テーブル、いす、ワークシート、などなど
お菓子やドリンクを用意しておくことも有効だ。
具体的に使う道具のことで、それを使った効果を知っておくことだ。
参加者の年齢や経験値を勘案してツールを選択するとよい。
選択のポイントは、誰でもわかりやすいこと、なるべく安全に安心した場となるように考えて選択をするのが良い。
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ワークシートの説明も、理解の階段を上るような説明が望ましい。
ただ単に渡すだけだと、暴力的な印象を受けるので、目的、書き方、サンプルを説明しておくとよいだろう。
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●行き当たりバッチリ
最後に、実際にファシリテーションを行ってみるとわかるのだが、100%思った通りには行かない。
むしろ、トラブルやイレギュラーなことしか起こらないと思っておいたほうが良い。
参加者からの思ってもみない質問、遅刻や途中退席によりワークが妨げられる、
お伝えした言葉が伝わっていない。
などは当たり前のように起こる。
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しかし、それすら涼しい顔で代案を出して、淡々と進められるか。
これは経験値だし、胆力が求められる。
正解はないので、是非いっぱい失敗をしてみてほしい。
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これを知ったからと言って、ファシリテーションができるわけではない。
むしろ、知っても実践で躓いた経験がなければ1mmも上達しようがない。
ただ、スキルアップのキッカケにはなるかと思うので、各々でぜひトライをしてほしい。
希望者と一緒に切磋琢磨できるのであれば、これほどうれしいことは無い。