映画「鬼火」について | 森岡利行オフィシャルブログ「監督日誌」powered by Ameba

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脚本家
舞台演出家
映画監督
プロデューサー
文教大学情報学部メディア表現学科非常勤講師

始まりは元山口組顧問弁護士・山之内幸夫先生の

原作映画「しのいだれ」という作品の現場だった。

 

当時、わたしはまだ俳優をやっていて、

シナリオライターデビューはしていなかった。

 

役所広司さんと阿部寛さんの方言指導と胴元の役をやった。

 

 

その作品のプロデューサーに望月六郎監督を紹介してもらい、

わたしのシナリオライターデビューが決まった。

 

最初に書いたのが「新・悲しきヒットマン」で山之内先生が原作だった。

石橋凌さん主演で評判がよく、続編をということで、

わたしは、山之内先生を通して二人殺し服役していた初老のヒットマン(鉄砲玉)と

飲み屋で会わせて貰っていたので、

彼の話を書きたいとプロデューサーと監督に提案したが、

「そんな年寄り主役の映画、誰が観るンだ? 

哀川翔とか竹内力が主役じゃなきゃ」と一刀両断された。

 

わたしは「どついたるねん」の芳雄さんが好きだったので、

「原田芳雄さんはどうですか?」と提案したら、

プロデューサーは「その手があったか」と膝を叩いた(かどうかはわからない)。

 

プロットを書き、芳雄さんに読んで貰ったら出演を快諾して貰ったが、

ここからが大変だった。

 

いや、嬉しい大変だよ(笑)。

脚本の打ち合わせを原田邸で朝からやるのだが、

朝から飲みながらやるのだ。

 

だから、終わる頃にはベロンベロンになって、

わたしは一度、便所で倒れてしまった(笑)。

 

 

生原稿の時からブラッシュアップされていき、

芳雄さんにもたくさんアイディアを頂き、

面白い脚本になり、公開年のシナリオ年鑑にも掲載された。

 

現場ではウイスキー1ダースと、

ボクシングのグローブとミットが芳雄さんのホテルの部屋にあった。

ヘアースタイルもこの映画で初めて短くされたんじゃないだろうか。

 

哀川翔さんが現場に遊びに顔を出したわたしに、

その初老のヒットマンについていた若い組長の話を聞くのだが、

芳雄さんは「映画と実際は違うから、おれは寄せないからね」

と言っていたが、どんどんわたしが実際に会った、

何を考えてるかわからない不気味な初老のヒットマンに似てきていて

怖かったのを覚えている。

 

そういえば、わたしが現場にいるときは、芳雄さんですら、

わたしに「セリフ、ちょっと短くするからね」と許可をとってきた。

 

この写真のしゃがんで撃つのも芳雄さんのアイディアだ。

こんな格好で撃つ人を初めて見た(笑)。

 

9月19日に映画館(k's cimena 12時)で観られる。

観てない人は必見だ。

役者やってる奴でK's cinemaにまだ来てない奴はク×××だ(笑)。

昔は新宿昭和館でタバコを吸いながらオールナイトで「仁義なき戦い」なんか

やってたンだぞ(笑)。わたしはタバコ吸わないけど。

 

脚本の中に「風の又三郎」を引用している部分がある。

その謎はトークショーで喋るかもしれない(笑)。

 

役者も脚本家も映画監督もプロデューサーも、
その他エンタメに関わってるクリエイターは24時間が仕事で取材だ。

吉本ばななさんが言っていた(笑)。

そのことを忘れるな、と。

 

だから風邪なんか引いてられない。

熱なんか出ても気合で下げてやる。

 

みんな、k's Cienmaで会おう!