二日目に妹の同級生であるKが実家に遊びにきた。
Kは大手ファーストフードの経理をしていたのだが、
退社し、今は同級生が社長をつとめる水道建設業社で
働いている。
前の会社を辞めた後は半年以上、ずっと家に
ひきこもっていたらしく、女房が困っていたところ、
うちの妹の手引きで今の会社に勤めたらしい。
以前は大きな会社でほっといても給料が出たらしいのだが、
今度はそうはいかない。
営業成績が大きく給与に反映される。
そんな時、飛び込みで300万円もの便器の注文があった。
会社を調べると、ホテル等の建設をしている会社で、
一時は25億の売り上げがあったが、今は5億程度。
Kは社長に取り付けの前に半金を貰って来いといわれたが、
契約書を交わしていたので、10%の手付けしか貰っていない。
今月末に入金の予定なのだが、どう考えても危ない。
「もし入金がなかったら便器を全部外しに行きますよハハハハ……」
と笑っていたが、そんなことしたら、逮捕されるぞ。
向こうはたとえ手付けでも金は払っているのだから。
そんなこともわかならないKの能天気さにあきれる嫁を尻目に、
「いざとなったら、社長がなんとかしてくれますよハハハハ……」
おいおい、結局社長かい?
君が「すみません! 責任取ります!」といって、
亡くなった親父の遺産から300万円用意するンじゃないのか?
「そんなことありえませんよハハハハ……」
いいなぁ……この無責任さ(笑)。
商売なんか、いつどこでどうなるかなんてわからない。
うちの妹なんか、家を建て替えるとローンを組み、
建設会社に2000万を支払った後、
(計画的だろうきっと)その会社が飛んだ(潰れた)のだ。
もともと、建設会社で働いている(高給取り)といって、
妹に銀行でお金を借りさせたその会社は計画的だったと
言っても過言ではない。
家は二ヶ月くらい、近所のさらしものとなり、
骨組みのままで立っていた。
それでもなんとか金をかき集め、
立て替えた妹は立派だと思う。
(兄としては「良かったね」としか言いようがないし、
金のない私は助けようがないし、実家の権利は
父が死に、妹が出戻った時点で放棄している。
だから私には財産がないし、とられるものがない。
唯一財産だった高xxもxxのxxてがxxく、
売り払ってしまった)
今はxxも売り払い、xxアxxxに家族x人で
住むことになった。
これを人生のとほほ状態という。
誰か私を
「助けて下さぁい!」(セカチュー風に)
てか、私の話じゃなかったな。
てか、セカチューも「助けて下さい!」ってよく考えたら、
自分が死にそうな女の子を病院から連れ出したのにね。
おまえが誰かに助けて貰えよ……と思ってしまったのは
私だけだろうか?
さあ、今度はKの番だ。
この苦難を乗り越えた時、
君は成長するだろう。
つづく。