ノンフィクション作家の沢木耕太郎さんが
朝日新聞の“銀の街から”というコーナーで
拙作『女の子ものがたり』の評論を書いてくれた。
泣けた。
朝から朝日新聞を読んで泣けた。
評論を読んで泣いたなんて初めてだ。
簡単に一刀両断する人もいれば、
褒めてくれる人もいる。
だから映画は面白い。
その昔、沢木耕太郎さんの書かれた『一瞬の夏』の
舞台となった下北沢の金子ボクシングジムに
通っていたことがある。
そのころ四畳半のアパートで沢木さんの『敗れざる者』を読み、
いたく心を震わせた。
今は新しくなって昔の面影はないが、
その古びたジムに郷愁を感じたものだ。
その沢木さんに評論していただけるなんて……
金はないけど、こんなに幸せなことはない……。