この頃になってようやく、『死は仕方がなかった。いずれはやって来るものが今来たんだ』という気持ちにはなりました。『あの時こうしてれば』ということが頭をよぎることも少なくなりました。その思いを脳が消去しようとしているように思います。
元々僕は、限界に達すると何も考えなくなるという自己防衛本能を強く持っているみたいです。これがあるので心の破綻はないのかも知れません。
僕にできることは、愛猫クロちゃんと一緒に暮らした日々をいつまでも忘れないでいることくらいですね。生き物の生き死にをコントロールできるはずもなく、ましてや生き返らせることもできないのですから、これからできることをするしかないのです。ようやくそんな気持ちが芽生えてきました。
朝晩のご飯のお供えとお線香の時に、墓前で20分から30分を過ごしています。これは毎日欠かしません。この時に色んなことを思い起こします。看病の期間や最期の瞬間を思い起こすこともあれば、楽しかった日々を思い起こすこともあります。この頃は楽しかった日々を思い起こすことが多くなったでしょうか。
看病していた期間のことでも、辛かったことや後悔の気持ちが脳裏をかすめることが少なくなりました。
ウチのクロちゃんは倒れてから加齢臭が酷くなっていたのですが、そんなクロちゃんの匂いが手に残っているのを仕事中に気がつき、それを愛おしく、そして嬉しく感じたことを思い起こしたりもします。あの時はまだ頑張って生きててくれてる愛猫の存在を強く感じ、そんな気持ちになったのです。
そのような状態ですので、辛かった日々を無理に思い起こすことはしたくありません。ですから続けてきた回想録にここで区切りをつけたいと思います。
最後に、都美姫さんから戴いた素敵な贈り物をご披露したいと思います。
コーヒーカップは勿体なくて使わずに飾ってありますが、ご飯のお皿は毎日朝晩のお供えで、交互に使わせてもらってます。