老人と老犬~VOL.2 | オッサンの呟き

オッサンの呟き

特にテーマはなく、独り言のように日々思ったことを呟きます。そんな他愛のない話しに付き合ってくれる人がいるかな?

暫く放置してました。
前の記事にコメントを戴いてた方へのレスもようやく終えました。お待たせしてすみませんでした。

さてさて前回の記事では前置きが長くなってしまって本題に入れなかったので、今回はその続きになります。

動物病院に行くと、毎回、様々な人が待合室に居合わせますが、動物好きの人たちは互いに気さくな感じで話しかけています。僕は自分からは話しかけたりしないのですが、やはり頻繁に話しかけられます。知らない人同士がお互いに声を掛け合ったりするのは動物病院ならではの雰囲気だと思います。動物好き同士の話しは尽きないですね。

猫の通院に出かけるようになって二か月ちょっと。僕もそうした雰囲気にだいぶ慣らされてきました。相変わらず自分から話しかけたりすることは滅多に無いのですが。。。というか、これからするお話しが自分から話しかけた最初の時になります。

その日、待合室で老人と老犬が診療の順番を待っていました。老人は人生の大ベテランで90歳くらい。あとで聞いた話では、老犬の方は20歳でした。その老人が連れていた老犬は、待合室で待っている間に自力では立てなくなってしまいました。

後ろ足をダラーンとした感じで伸ばしていて、まるで人間がうつぶせにしているような状態になっていました。毛づやが無く、毛はゴワゴワ。古くなったタワシのようでした。激しい加齢臭もありました。かなりの高齢だということは直ぐに分かりました。


やがて診療の順番がやってきたのですが、杖をついた老人には犬を抱きかかえて診療室に連れて行くことができません。痩せた中型犬とはいえ15キロくらいはあろうかという感じの犬でした。ですから、自分の歩行だけでもそんなに楽な様子ではない老人が抱きかかえるのは無理です。老人はヒモを引っ張って無理に引きずっていこうとしました。

その様子を見かねて僕はとっさに老犬を抱きかかえ、無言で診療室に連れて行きました。ほどなくして老老コンビが待合室に戻ってきた時、犬は自力で歩けるようになっていました。

病院の待合室では、一部始終を見ていた人たちが、何処が悪いのかと、薬の処方と会計を待っている老人を取り囲んで尋ねていました。その話からすると、どうも加齢による衰えでしかなかったようです。

その様子を僕は囲みの外から見ていたのですが、それ故に再び老犬の体に異変が起こったことに真っ先に気がつきました。またもや自力では立てなくなってしまったのです。

受け付けの看護士さんに犬の異変を伝えたら、獣医師二人が飛び出してきて犬を抱きかかえ、診療室の更に奥の方に連れていきました。診療室は3部屋あるのですが、全ての診療がそこで一時ストップ。受け付けには 『緊急救命処置の為、暫くお待ちください』 という看板が掲げられ、受け付けもストップしました。


どれくらい経ったか分かりませんが、少し長い時間が経過し、犬は再び元気に戻ってきました。ですが心配になった僕は老人に話しかけました。 『家は近いんですか?』 と。

近所ということでしたが、猫の治療が終わるまで老人に待ってもらい、車で送ることにしました。


というところまでお話しをしたらまた長くなってしまいました。次の記事に続きを持ち越したいと思います。続きは次の週末にはアップしたいと思います。ではまた!