オリンピックのロビー活動って何よ! | オッサンの呟き

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特にテーマはなく、独り言のように日々思ったことを呟きます。そんな他愛のない話しに付き合ってくれる人がいるかな?

少し前の話しになってしまいましたが、オリンピックの実施競技からレスリングが外れる可能性が濃厚になったという報道がありました。耳にしたときは『まさか!?』という感じでした。

その昔、小泉純一郎首相が言った『人生には上り坂もあれば、下り坂もある。もう1 つは“まさか”という坂だ』なんていう言葉がぼんやりと頭に浮かびました。この報道とは全く関係ないですけどね。

くだらない話しはともかく、レスリングのイメージとして僕が持っているのは、古代ローマ時代の壁画や彫刻にも残っている伝統的な競技というものです。それ故に『まさか』という印象を強く持ったのです。

レスリングの世界の競技人口が、他の競技と比較してどれほどなのかということが分かりませんので、それは僕の間違った知識からの印象ということもあるかも知れません。ですがレスリングのメダリストが多い日本にいれば、『まさか!?』と思うのはごく自然な発想ではないかと感じます

他の除外候補としては、韓国の伝統スポーツであるテコンドーも入っていたそうです。しかしこれはレスリングを押しのけて生き残りました。新聞報道ではイ・ミョンバク前韓国大統領が現職時代に、テコンドーの生き残りをIOCに働きかけたという話しもありました。

またレスリング界が伝統にあぐらをかいてロビー活動(IOC及びIOC委員への働きかけ)を怠った結果だという報道もありました。或いは吉田沙保里選手が、生き残りを懸けたIOCへの最後の働きかけを行うに当たって、政治の側からも後押しをするかのような報道もありました。吉田選手が競技者としての訴えをすることは問題無いとしても、そこに政治が本当に介在していくのですか?

これらの話しは低俗なマスコミによるワイドショー的な憶測ばかりだと信じたいところです。各競技団体や政治家などによるロビー活動が実施競技に影響するということは、オリンピアの精神に反することだと思います。

オリンピックの開催式における開催宣言は開催国元首が行いますが、決まった文言しか言ってはならないことになっています。『第xx回オリンピック夏季競技大会xx大会の開催を宣言します』という文言です。かつてアメリカのブッシュ大統領が『誇り高く、優雅なこの国を代表して、第19回オリンピック冬季競技大会ソルトレイクシティ大会の開会を宣言します』と宣言を行っただけで大きな問題になりました。

問題は言うまでもなく、冒頭に『誇り高く、優雅なこの国を代表して』と付け加えた部分にあります。つまり政治的なイデオロギー等を一切持ち込んではならないという基本理念の下にオリンピックは行われているのです。だからこそ、実施競技や開催国決定にあたってロビー活動が重要だということをおかしな話しだと感じるのです。

しかしながら実際のところは、政治的、商業的要素が大会に大きな影響を与えているという印象が否めません。東西冷戦下では西側諸国、或いは東側諸国に大量のボイコットが発生しました。

また1984年のロサンゼルオリンピックにおいて、実業家のピーターユベロス氏が徹底的な商業主義を持ち込み、『オリンピック開催は儲かる』ということを世界に印象付けたこともおかしな方向に向かうキッカケだったのではないかと僕は思います。それまでのオリンピック開催は赤字が当たり前でした。

オリンピックのロビー活動に関する報道は何処までが真実の話しなのか分かりませんが、近年開催されているオリンピックが、神聖にして平和の祭典というオリンピアの精神を歪めているという印象を持たずにはいられません。

理想と現実は違いますが、理想を求める気持ちが無くなってしまったらいけないと思います。いつだって理想というものは持っていたいものです。