中国軍機に対する威嚇射撃について思うこと | オッサンの呟き

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特にテーマはなく、独り言のように日々思ったことを呟きます。そんな他愛のない話しに付き合ってくれる人がいるかな?

尖閣諸島への度重なる中国軍機の領空接近に対して、安倍政権は威嚇射撃を検討しているという。その情報がマスコミを通じて流れることによって中国側の自重があれば良いのですが果たしてどうなるのでしょう。

中国側の自重の姿勢を引き出すことを狙ってこのような情報を政府が流したのではないかと思いますが、ますます行動がエスカレートしてしまった場合はもっと深刻な問題に発展する可能性があると思います。

日本として毅然とした態度を中国に示す必要はあると思いますし、威嚇には殺気を込めなくては効果が無いとも思います。しかしながら、毅然とした態度を示しつつ、頭の中はクールでいなければ戦争になります。

太平洋戦争での死者の数は日本人だけでも300万人にも上りました。アメリカ兵や中国兵、そして東南アジアの国々の民間人の死者の数はそれよりもっと多かったと言われています。

あの忌まわしい歴史の背景には、南満州鉄道爆破の自作自演(自分たちで爆破しておきながら中国軍の仕業にして攻撃を加えた)などに象徴されるような軍の暴走がありました。またマスコミの世論扇動も、戦争遂行に大きな影響を与えました。僕はマスコミの戦争責任もかなり重かったと思っています。

新聞の発行部数は日中戦争以前は伸び悩んでいましたが、行軍を肯定する記事を書くことによって急激に伸びました。マスコミが軍に接近したことから、戦争を強く肯定する熱狂的な世論が形成され、それが軍の力を強めるとともに引っ込みがつかない状況を作り出しました。

新たな植民地における資源開発などを巡って商社と軍の癒着が生まれ、戦闘区域が拡大の一途を辿ってもマスコミは軍の検閲と熱狂的世論を前に、戦争を否定するような記事は一切書けなくなっていました。発行部数を伸ばす為に軍に接近したことが自分たちの首を絞めることになったのです。

そしてついには勝てないというのが分かっていながらアメリカとの開戦。結果として自国民だけでなくアジア諸国の民間人にも多数の犠牲者が出ました。韓国、中国は未だに過去の戦争責任を、自分たちの政権維持や日本との外交カードに使ったりします。我々は先人たちの残した巨大な負の遺産を背負っているのです。それらのことを考えると、戦争に繋がるようなことは一切避けねばならないのです。

そう考えた時、冒頭に書いた『中国軍機への威嚇射撃検討』というニュースに不安な気持ちにさせられます。政府の狙いとして、先ずはマスコミを使って中国側を牽制したということだと思いますが、マスコミを使うことには慎重にならなければいけないと思います。この国のマスコミは何も変わっちゃいないように感じるからです。

彼らは大口スポンサーに不利な情報は流しません。その最たるものがパチンコ産業の存在です。実態は賭博であるにも関わらず、遊戯・レジャーとなっており、脱税行為の改善が全く見られない業界が野放しになっています。自分たちの収益に繋がるものに対して寛容なところが全く変わっていないのです。

マスコミがおかしな方向に向かえば国も国民世論も一気におかしな方向に向かいます。世論がいつも正しいとは限りません。だからこそ政府関係者がマスコミを使うことには慎重になって欲しいと思うのです。

マスコミを使わずに、水面下で強い威嚇を直接行えば良いのではないかと僕は思います。この場合ですと『威嚇射撃をしますよ』というのを直接伝えれば良かったのではないかと思うのです。その情報が表に出なければ中国が態度を軟化させても中国政府のメンツが壊れたりしませんから、柔軟な対応がしやすくなったのではないかと思います。

毅然とした態度を取りながらも頭はクールに保ち、外交交渉を有利に進めていくということにかけては、中国の方が一枚も二枚も上手のように感じてしまいます。日本国内に攻め入ってくるようなことがあれば僕は勿論、命を懸けて戦いますが、先ずは外交的な勝利を目指して欲しいものです。