連載56 11月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 20回目

 

商店街と小学校、どちらと仲良くすべきでしょうか?

 

あなたの店は、街の商店街の中にありますか?それとも、住宅街や事業所街か、あるいはそこからツンと離れて立地していますか?

いずれにせよ、あなたがその店の責任者であるなら、あなたに課せられた第一の任務は、いかに売上と利益を最大化するかですね。そのために、従業員をトレーニングし、自らも率先して働きながら、商品品質の向上、サービスレベルの向上、整理整頓と清潔度アップに日夜励んでいるのだと思います。そして、お客さまからの「ありがとう」という言葉と気持ちに無上の喜びを感じながら毎日を送っているのでしょう。

さて、今回お話しすることは、「商店街と小学校」に代表される地域の人との関わりはどうあるべきかについてです。

ところで、商店街の一角に店を開けると、商店会費、町会費、自治会費、祭り協賛金というようにいろいろな「会費」が必要になるということがわかります。でも、あなたは店の責任者として、これらのお金をそうおいそれと支払うことはないと思います。

事実、多くのチェーン企業では、そのような会費を一切支払ってはならないとか、支払う必要がある場合は、「社長あての稟議書」を書かなければいけない(事実上の支払い禁止)、というように厳しい態度で臨んでいます。会社が利益を1円でも多く確保するためにあるわけですから、少しでも支出を減らそうとするのは当然のことです。

 

 

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写真1 子供を対象にした無料券、ココスレストラン

 

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写真2 子供を対象にした抽選券 すかいらーく

 

 

元はと言えば、商店会費は何のためにあるのでしょう?それは商店会の店同士でお金を出し合って、共有施設などの維持管理や販売促進のために使うものです。それならば、会費は有効に使われ、自店もその恩恵を受けることは必至ですから、支払って当然のものです。

ところが、そのように有効な使われ方をしていない商店会もあるようです。というより、多くの商店会はどうやったら本当に有効な使い方ができないでいるというのが実情のようです。その原因はいろいろありますが、第一には店主の高齢化や後継ぎ不足があり、第二は、国・市町村からの補助金や助成金がいつもあったために起きた「援助慣れ」があります。

アーケードの躯体や遊歩道だけは立派だけど、人々はほとんど歩いていない。こういう商店街を目にしたことはありませんか。そうです。多くの商店街は活気を失っています。

だから、そういった商店街に「会費」を納めることが無意味に思えるのも仕方ありません。

 

だからといって、月数千円の商店会費は絶対支払ってはだめ、と筆者は主張するつもりはありません。むしろ、こうした会費を出し惜しみして、商店会の会合にも顔を出さず、全く知らん顔をして済ませているというのは、商売人としていかがなものかと思います。商店街は決して「敵」ではありません。むしろ、味方にすればとても心強い存在です。

 

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写真3 マクドナルドのドナルドマクドナルドショーをショッピングセンターにて開催

 

 

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写真4 同、店舗敷地内にて開催

 

 

「どうやって行ったらいいのでしょうか」とあなたの店の場所がわからず、道を聞いてくるあなたのお客様に同じ商店街の人達が丁寧に説明してくれるるか、くれないかにもかかわってきます。もちろん、あなたの店の評判にも関わります。「良い店だよ」と言ってくれるか、「やめときなさい。美味しくないから」と言われてしまうか。

そうです、商店街は心強い味方にしておくべき存在だということです。

 

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写真5 トマトをキャラクター化したお子様メニュー

 

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写真6 同、ネット上で公開された同レストランの絵本

 

では、もう一つの地域の存在、「小学校」はどうでしょうか?

小学校がどう商売に関係してくるのだといぶかる方もいるかもしれないので、補足しましょう。お店が繁盛するにはたくさんのお客が来てくれなければいけません。お客がお店に来てくれるためには、そのお店に、自分たちが気に入ったものがあるということを知っていなければなりません。でも、人々は、突然好きになる、突然気に入ってしまうということはほとんどありません。小さい頃からの習慣や親しみの経験がとても大事なのです。特に、飲食においては、アルコール類や香辛料、嗜好品などの特別なものを除いて、小さい頃からの習慣はとても大事になってきます。早く親しめば、早く好きになります。早く好きになれば、大人になってもその味覚は忘れられません。それはチョコレートであれ、ハンバーガーであれ、ラーメンであれ、お寿司であれ共通していることです。

ということは、地域の人に将来にわたって来店してもらうことを考えたら、一部の例外食を除き、小さい頃からお店に慣れ親しんでもらうことがとても大切だということです。

 

 

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写真7 東京世田谷の児童館でオープンした「こどもラーメン店」

 

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写真8 同、千歳烏山にあるその名もずばり「子供と過ごせる居酒屋」

 

 

このとき誤解しないでほしいのは、食べてもらうことは大切ですが、必ずしも食べてもらわなければならないということはないのです。

ファミリーレストランで、お子様ランチなら食べることができる子供たちは、その店での食事体験を通して、店が好きになります。そして、味覚が安定してきた大人になっても来店してくれます。要するに、子供のうちに来店経験をしたりして楽しい思い出が作られることが大事なのです。このことを知っているファストフードやファミリーレストランは、だから、子供たちを大事にするのです。

もちろん、ラーメン店がやっても良いのです。コーヒーショップや居酒屋だからといって諦める必要はありません。

「小学校」に働きかけましょう。社会見学の一環として見てもらうことです。情操教育の一環として、店内の絵を描いてもらいましょう。作文だって良い。

そして、それらの絵を店内に貼りだすのです。「〇〇店通信」なる新聞を臨時に手作りしたって良いでしょう。これらを無料で地域に配れば、あなたの店への関心度は一挙に高まるに違いありません。

将来の売上は、今の子供たちが運んできてくれます。もしかしたら、今すぐ大人たちを引き連れやって来てくれるかもしれません。

あなたは、商店街と小学校、どちらと仲良くすべきでしょう? 店舗の立地が商店街であれば商店街。近くに小学校があるなら小学校。どういうところにあるかを考えれば、答えは、自ずと出ますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本文2373字

 

 

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで出店調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業の経営者、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。昭和31年生57才。http://www.sorb.co.jp

 

 

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引用元:商店街と小学校、どちらと仲良くすべきでしょうか? 連載56


連載55 10月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 19回目

 

あなたはオーナーのことをどれくらい知っていますか?

 

ここで言うオーナーとは、「家主」のことです。国内で店を出すというと、商業ビルなどの区画や、広い敷地の一角を借りて、家賃を支払うというのが一般的です。区画・土地を買って商売するというのは稀です。買うより借りて商売した時、もしうまく行かなかったときに撤収しやすいのでリスクが低いからです。

 

 

 

しかし、そうは言っても、店を出すにはそれなりの大きな初期投資を必要とします。とりわけ、飲食業の場合、物販と異なり、厨房と言う少なからずしっかりした機械設備を揃え、お客様が快適に過ごせるような空間演出にも多大なコストがかかります。やはり、出店リスクは生半可ではありません。

もちろん、前回お話ししたように、出店に当たっては、立地をよく見極め、じゅうぶんな調査を行った上で、事業試算をして、儲かることを前提にしているわけです。

そして、これを読んでいる多くの店長、スタッフが日頃から一所懸命働き、お客さま第一に心を配り、清掃・品質・サービスレベル向上に励んでいるのはもちろんのことです。

立地と営業がうまく行けば、それで、お店は“ほぼ”パーフェクトです。“ほぼ”と書いたのは、実は大きな落とし穴があるからです。それが“オーナーとの関係”です。

 

特に、チェーン企業で働いていると、この点が盲点になっていることが多いのです。ですから、今回は、この“オーナーとの関係”について知っておいてください。

 

まず、第一。あなたは、オーナーの名前を知っていますか?どこに住んでいるか知っていますか?会ったことはありますか?この3つの内、一つでもNoがあったら、困りものです。

あなたがこの店を出したならもちろん大丈夫ですね。でも、あなたが、店長やスタッフとして雇用されているなら、Noがあったとしても不思議ではありません。

もちろん、オーナーが「個人」ではなく、「会社」などである場合もあります。そういう場合は、その会社などの長または担当者について当てはめてください。

 

マクドナルド 最盛期

1 あるレストランチェーンの最盛期

 

 

マクドナルド その後

2 現状

新宿で500圏内に14店を展開し、どれも繁盛店を誇っていた。が、家賃上昇に伴い、次々と閉鎖を余儀なくされ、 今や6店になってしまった。

 

ところで、店の区画を借りるということは、オーナーに家賃や共益費などを毎月支払っているということです。そして、最初に多額な保証金や建築協力金などを預けています。時には、商店会費、広告費などいろいろなお金をも収めています。

 

これらの費用、どれくらいあるか知っていますか?

 

一般的に、家賃などは、月間売上の1割、保証金はその10倍とされています。

もし、あなたの店の月間売上が500万円だったとすれば、家賃は50万円、保証金は500万円あるでしょう(「私の店は、家賃がもっと高い。60万円もする」というあなた。あなたは、お店の売上が500万円ではだめです。一刻も早く600万円に持っていかなければ、採算がとれなくなりますよ)。

 

この家賃や保証金などは、店を出すとき、社長や店舗開発担当者が、オーナーまたはその代理人と交渉して、採算がとれるように(利益が出せるように)決めたものです。時には大いに値切ったかもしれません。そのためには、「最初は売れないけれど、どんどん売れるようにしてそのあかつきには家賃をたくさん払います。だから今は負けて下さい」くらいの大芝居を打ったかもしれません。いずれにせよ、この家賃は、お店の損益、しいては会社全体の損益を決める大事な数字です。

 

ですから、あなたは、お店の営業をしっかりやることと同じくらいの努力を“オーナーとの信頼関係”構築にそそぐ必要があるのです(半分でも良いです)。

そして、その信頼構築の成果は、契約更新のときに大いに出るのです。賃貸借契約の期間はたいてい5年であったり、長くても7年、10年くらいです。あっというまにこの期間は過ぎ去ってしまいます。信頼構築がなされていれば、オーナーもあまり強いことは言ってきません。ですから、契約更新もすんなり行くことが多いのです。賃料が上がるとしてもほんの数パーセントで済んだり、むしろ、営業が厳しいことを理解してくれるオーナーなら進んで、家賃の値下げに応じてくれることさえあります。

ところが、信頼構築がなされていないとどうでしょう。

 

家賃の50パーセントアップとか2倍ということさえ言ってくるオーナーも珍しくありません。

 

そりゃあ、店のスタッフと会っても誰も挨拶一つしない。店長に注意しておいたことも平気で無視する。町内会、商店会に顔も出さない。時には、近所から、オーナーのほうに、店が汚い、深夜に煩いと苦情が届く。

 

そんな状況が5年も続けば、オーナーとて、人の子、ついに堪忍袋の緒が切れてもおかしくはありません。

 

「提示した家賃が嫌だったら、出て行っても良いのだよ」と言われます。

 

 

そこで、なくなく、撤退していく。そういった有名チェーンが、実際存在します(図1、2)。

 

 

せっかく、今まで、新宿や渋谷の一等立地に“とても格安で”借りられたのに、櫛の歯を抜いたように、一店、また一店と撤退していく。このチェーン企業は、従業員の効率的教育と生産性では第一級のレベルでしたが、“オーナーとの信頼構築”だけはまったく手つかず状態だったのです。店長にそうした常識を指導できるエリアマネージャーが健在でいるうちはまだ良かったのですが、何もかもアメリカ式にしようと焦ったのかもしれません。

 

結果的に、大繁盛店、ドル箱店舗を大量に失っています(ちなみに、このチェーン企業は本国では賃貸店舗などほとんどなく、土地を買い取って商売しているので「オーナー(家主)」という概念が理解できなかったのかもしれません)。

 

そこで、オーナーとの信頼構築の第二は、オーナーと頻繁に会うことです。

 

近くに住んでいるなら、数か月に1度は、お土産を持って会いに行くことです。

 

そして、忙しくなければオーナーの許す限り大いにいろいろな話しを「聞く」ことです。もちろん、こちらの状況も話しても良いでしょう。遠くに住んでいるのなら、年に1度は会いに行く。そして、手紙を書くのです。そして、オーナーがLINEやFaceBookをやっているようなら積極的に友達になっておきましょう。

難しく構える必要はほとんどありません。

 

 

ちょっとしたきっかけさえ掴めばすぐできるはずです。入り口扉が開きづらくなったので修理の許可を得たい、近所からちょっとした苦情があったので報告しておきたい等々、きっかけはいくらでもあるはずです。

でも、「大きな改修工事」や「家賃を値下げしてほしい」というような課題をいきなり持っていくのは絶対にやめましょう。それこそ、やぶ蛇です。信頼関係がないうちは、こうした課題を持っていくべきではありません。

 

 

あなたの店がこれからも繁盛していくためには、普段から“オーナーへの気配り”が不可欠であることがわかっていただけたでしょうか?

 

店舗オーナーとの信頼構築チェックリストはこちら

 

本文2714字

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで出店調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業の経営者、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。

 

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引用元:あなたはオーナーのことをどれくらい知っていますか? 連載55・・・


連載54 9月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 18回目

 

もしも、あなたが店を探すとしたら、何をしますか?

 

もちろん、「食べに行く店」を探すことではありません。お店にすべき「物件」です。

あなたは、遠くない将来、自分のお店を持ちたいと思っているかもしれませんね。いいえ、むしろ、飲食業につく人は大なり小なり、一度は「自分の店を持ちたい」と思うものです。

確かに、飲食業はたいへんです。アルバイトの募集から始まって、トレーニングやら、お客様のクレーム処理、金銭管理、資材の発注、…数え上げたらきりがないほどやるべきことがたくさんあります。

 

TG=鉄道駅

でも、その分、責任を任せられれば任せられるほど、やりがいも出てくる。店長ともなると店全体をいつもマネージメントしていなければならないので、その大きさは計り知れない。5年しか店長をしたことのない筆者にもその醍醐味は忘れられないほどですから、若い皆さんはその魅力に取りつかれているかもしれませんね。

だから、自分の店を持ちたいと思い始めるのは自然なことだと思います。

また、そんなことは思ったことはないという人の中にも、チェーン店で店長をしているような場合は、突然、「来月から、店舗物件を見つけてくる店舗開発担当者をやってほしい」と上司、経営層から指令を受けるかもしれません。こういうこともほんとによくあるんです。ですから、その時に慌てないように今から考えておくと良いですね。

 

TG=大型店

 

さて、冒頭の質問に戻ります。店を探すとしたらどうしますか?

ハイ。わかりましたね。物件紹介の専門誌を買ってきたり、インターネットで検索します。

そうするとたくさんの物件を見つけることができます。駅や土地名、都道府県などの選り好みをしなければ、幾千、幾万の物件が見つかります。

簡単ですね。

確かに、これで、探したことになるでしょうか?

これは、単に、「物件情報を集めた」だけに過ぎません。幾万の物件情報があったところで、それだけではほとんど意味がありません。

 

そうです。「店」という商売をやる以上、そこで、利益が出なければなりません。

お客さまがたくさん来てくれなければなりません。売上がじゅうぶん確保できなければなりません。どこに店を出しても、同じだけお客さまが来てくれて、同じだけ売れて、同じだけ利益が出る。そういう夢みたいなことは、“絶対に”ありえません。

 

店を出す場所によって、お客様の入りも、売上も利益もまったく異なってしまいます。

 

そうです。立地です。あなたは、お客様の入りが良く、売上があって、利益も出る立地にある物件、店舗候補物件を探さなければならないのです。

 

さあ、あなたは何をしますか?ここで問題の焦点が分かってきましたね。

そうです。あなたが最初にすべきことは、あなたが出したい店の立地を決めることです。

もっと突っ込んだ言い方をすると、あなたの知っている店の繁盛店の立地に共通するプラス要因、繁盛できなかった店の共通のマイナス要因を、見つけ出しておくことです。

これを、「立地の要因分析」と呼びましょう。

立地の要因分析をすることで、あなたの店の商売に適した立地条件がわかります。もちろん、繁盛が難しい立地条件もわかります。

物件を探すのは、こういう条件がわかってからです。

 

 

TG=大型交差点

 

立地の要因分析 最初にやること。

では、立地の要因分析はどうやってやったら良いでしょう。

このためにもっとも役立つのは、チェーン店の売上です。

なぜなら、たいていの場合、チェーン店は 営業フォーマットの標準化がなされており、店長が交代したくらいでは売上がそんなに変わらないからです。ですから、もし、あなたがチェーン企業に属しているなら、いろいろな店の売上を集めてください。繁盛している店、そうでない店、ふつうの店のようにまんべんなく集めることです。

チェーン企業に属していない場合は、あなたの店に良く似た店の売上を集めましょう。といっても、集めるのは簡単ではないかもしれません。①その店に何度も通って店長やスタッフと仲良くなってから、売上を聞き出すという手があります。しかし、これは時間がかかります。そこで、手っ取り早いのは、②お店の外から、入店数を数えることです。もっと良い方法があります。③2回お店で軽い飲食をしてレシートをもらいます。2回の間隔は1週間くらいが良いでしょう。レシートはたいてい連続番号が打ってありますから、その違いを計算すれば1週間の来店組数がわかります。④有名店ならば、「飲食店経営」のような専門誌に取り上げられて、客数や売上も掲載されていることもあります。

こうやって、集めた店別売上が、多くの場合、立地の違いと言って良いのです。

 

商圏 徒歩5分

1 中の不定形がある店から徒歩5分で行ける範囲です。横断歩道や交差点があると商圏は拡がらないことがわかります。

 

共通要因はどうやって探すか?

「お店の立地が良いから、売上が高い」という仮説をもとに、売上が高い店と、低い店では、立地にどんな違いがあるでしょうか?それを見つけていきます。

大雑把に言うと、必ず考えてほしいポイントは4つです。

それを順番で言うと、

1 商圏の大きさはどうか、2 商圏の質はどうか、3 TGとの位置関係はどうか、4 売上を抑制または奪っていく要因はないか、

この4つです。

1 商圏の大きさは、通行人を対象とした立地ならば、街の大きさと言って良いかもしれません。要するに、大型小売店や大型レジャー施設などがあるほど街は大きいと考えて良いのです。

その反対に、店がまばらであったり、ほとんどないというような場合はひじょうに小さいと考えます。また、店が大きな道路に面していれば、そうでないときよりも商圏は拡がります。

2 商圏の質はどうか? 第一は流入が大きいか、流出が大きいかの違いが売上に影響します。また、住民の質の違い、例えば、学生層の割合が多い、高齢者の割合が多い、単身者の比率が高い等の違いは立地に少なからず影響します。こうしたことを詳しく知るには、国勢調査の統計を調べたりする必要があります。簡易的に状況を知るだけなら、店舗周辺300km圏を歩いて観察すると良いでしょう。

3 TGとの位置関係

TGとは交通発生源(トラフィックジェネレーター)の略語ですが、意味するところは、商圏全体から人々を引き寄せ、効率的に店舗にお客さまを送ってくれる場所のことです。具体的には、鉄道駅や大型店の出入口、大型交差点など人々が集中的に集まるような場所です。

4 売上に制約を与えるもの

これは、物件自体が小さくてキャパシティ(容量)が足りないためにせっかく来店してくれたお客さまを帰らせてしまう内的要因と、ライバル店などのようにあなたの店の商品・サービスと競合してしまうためお客さま自体を持っていかれる外的要因があります。

こうした4つのポイントを比較して、立地の共通要因を見つけ出します。

たいていの場合、「常識」が役立ちます。

 

 

商圏は小さいより、大きい方がお客さまはたくさん来店します。商圏の質が、自店舗のターゲットと合っているなら同様です。でも、近くにTGがなかったり、ライバル店があったりすればなかなか繁盛立地にはなりにくいものです。

こうして、立地の条件を知っておけば、あなたはいつでも数ある情報の中から優良物件を選び出すことができるようになります。

 

本文2861字

 

 

立地を見るポイント

 

 

表 立地を見るポイント

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで出店調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業の経営者、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。

 

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引用元:もしも、あなたが店を探すとしたら、何をしますか? 連載54


連載53 8月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 17回目

 

入り易い店・入りにくい店

 

昔、まだファストフードが珍しかった頃、ハンバーガー店やドーナツ店などの斬新なデザインの店に入るのは、男性にとって一大決心がいるものでした。というと信じられないと思われる読者の方もいらっしゃるでしょうが本当です。それほど、世の男性にとってファストフードは敷居が高かったのです。ところが、女性、とりわけ若い女性ほどさほどの抵抗感がなかったようです。だから、どこの店もお客さんが女性ばかりで、このことが余計に「男性」を入りにくくしていました。今となっては笑い話ですね。

 

この入り易い、入りにくいというのは、店が醸し出す雰囲気が心理的にそうさせるのです。

というと、とても曖昧なもののように思われるかもしれません。

しかし、立地として考えると、確かに、「入り易いか、入りにくいか」を決めている要因がいくつも見つかっています。これを、今回は説明していきましょうので、「入り易い」店づくりを心掛けてくれるよう願っています。

 

 通行人にとっての到達容易性

「入り易さ・近づき易さ」のことを“到達容易性”と立地では呼びます。

主に店前を歩く通行人を対象とした立地の場合、この到達容易性は主に次のような要因で決まってきます。1.間口、2.階数と階段、3.入口を塞ぐもの、4.動線から距離、5.周囲の施設

1.間口:店の入り口の間口は広いに越したことはありません。最低でも3m以上が望まれます。どうしても実際の間口がそれほど広くない場合は、見かけだけでも広く見せる工夫をしておくと良いでしょう。また、店の上に看板を出す場合は、この看板もなるべく広く、家主さんが使っても良いと言ってくれる範囲で目いっぱい使って看板を出すべきです。遠慮しないことです。

一方、せっかく広い間口を有していてもそこが他のテナントとの共同入口になっている場合もあります。そのような場合は、隣接した店の責任者とよく話し合って看板の位置を決めておくことが肝心です。自分だけ広ければ良いと黙って看板をアチコチ出すのはよくありません。

2.階数と階段:店が道路に面しているとは限りません。2、3階や上層階、地下階などさまざまです。物件取得の際に、自店舗だけへ直接入って来られる階段が確保されていれば最良(写真1)なのですが、そうではないと、階段やエレベーターを共用することになります。

 

二階 

写真1

 

これは到達容易性の妨げになりますが、家主さんとの交渉をしっかり行い、お客さんが迷わないように自店舗への誘導サインを確保しなければなりません。「建物の前まで来たけれど、どこに店があるのか、さっぱりわからない」というのが最も困りもの(写真2)です。

 

視界融合

写真2

 

3.入口を塞ぐもの:入口はいつも清潔で、明るく、障害物を何も置かないことが鉄則です。入り口付近に、酒瓶の入った箱やら、配送物、ゴミ袋などが置いてあるなどというのは論外です(写真3)。

看板

写真3

 

また、駅の近くであると、店前に自転車がたくさん放置されている情景が見られます(写真4)。

放置自転車

写真4

 

近隣の商店も困っているはずですので、商店街や役所に協力を呼びかけ、改善を促す努力を怠ってはいけません。ただし、自店の前だけ自転車がなければ良いという考えはいけません。

さらに、店の床面が路面より高かったりする場合、その段差を上手に超えられるようにしておくことです。単なる鉄板の段差だと雨の日に滑りやすくなるのでこの点も考慮して下さい。

入口周辺が暗いような場合は、昼間でも照明を増やすことが不可欠です。

時々、店の営業感を出そうと焦っているためなのか、ノボリ旗をたくさん建て過ぎて店の入り口がどこにあるのか分からなくなっている店を見かけます。これでは本末転倒ですので注意して下さい。

4.動線から距離:人々が通勤や通学、あるいは買い物のために通る日常行動線(略して「動線」)から、少し入り込んだ場所に店がある場合、その動線を往く人々から、店がどこにあるか分かるようにすることです。角に、誘導のための看板を敷設したり、夜間は店前が明るく照らされるなどの工夫が必要です。

5.周囲の施設:お店自体が大丈夫でも、隣接する施設によっては、人々が近寄って来られないということもあります。いわゆる「嫌悪施設」があるような場合です。また、風営法適用の店などがあると、子供やファミリー客、女性も近寄り難くなります(このようなことは、お店の人にはどうにもならないかもしれません)。

 

車来店がメインの店の到達容易性

到達容易性の主なポイントは、駐車場へのIN、駐車場からのOUTです。

店側車線のIN・OUT

駐車場への入り口幅(「切り下げ」と呼びます)は6m以上あるでしょうか?できれば、入り口の見通しをよくするため、切り下げ以外にも4,5mくらいのゆとりがほしいものです(写真5)。

 

広い間口

 

写真5

 

また、ここでもノボリ旗は要注意です(写真6)。ドライバーの視界を遮り、入りにくくしているだけということもしばしばあるからです。

 

 

のぼり旗

写真6

 

 

入る車と出る車が鉢合わせして、事故を起こしやすい環境にある出入口もあります。この場合はカーブミラーを取り付けるなど、安全に配慮した工夫が望まれます。

ドライバーの多くは、なるべく店の出入口に近いスペースに止めようとする傾向がありますが、その出入口が道路沿いに近いと歩行者の動線とぶつかり易くなるばかりか、満車状態と思われがちになります。奥に駐車場が続いているのなら、奥への誘導看板を設置することも一考です。

駐車場からOUTするときは、INするときよりも危険度が高いことが知られています。OUTする時のドライバーの視界を妨げるものがないよう気を配ってください。一度、事故を起こした店にはお客さんはもう来てくれません。

反対側車線のIN・OUT

とりわけ幹線道路に面していると、反対側車線からのIN・OUTは難しくなっているものです。

そういう場合、帰りは、どこでUターンできるか、裏道はどうやって行けば良いかなど、駐車場の分かりやすい所か、店内の目につく所に案内板を設置することをお勧めします。

「どうやって帰ろうか」と困ってしまっているドライバーも少なからずいるものです。

スピードが出やすい道路

スピードが出ているとどうしても店を知覚してから減速して安全に進入することができないため、店を通り過ぎてしまう傾向が起きます。

このような場合は、100m以上手前から店が知覚できるようにしたり、1~2km手前に野立て看板を設置することが効果的です(もちろん、野立て看板のデザインはシンプルで分かりやすく作ります)。これで、店前に来るまでにお客さんが減速してくれるならば到達容易性は高まります。

 

 

 

 

 

本文2588字

 

 

 

 

はやしはら やすのり

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引用元:入り易い店・入りにくい店 連載53


連載52 7月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 16回目

 

商圏調査をやろう その2.実践編

 

 

商圏調査の目的は何でしたっけ?そうです。お店の販売促進、お客さまやファンを増やす活動を「効率的」にできるようにすることでしたね。

では、その商圏調査はお客さまへのアンケート調査で行います。具体的にはどうやって行えば良いのか。今回はこれを説明します。

 

地図

アンケート調査の5つのポイント

(ポイント1)正しい調査の実施方法

  • アンケート調査の方法

いろいろなやり方がありますが、なるべくやってほしいやり方は、お客さまから直接回答をいただく、「面接方式」です。これは文字通り、お客さまと対面して、質問と回答を順番に行います。この方式の良いところは最も精度が高い回答が得られる点です。しかし、その代わり、手間がかかるのも事実です。人手が足りない、簡素化したいという場合は、アンケート用紙と地図をテーブルに置いておき、注文品などが届くまでの時間を利用して記入してもらう「据置き方式」でも構いません。

 

アンケート用紙見本はこちら

  • 入念な準備

アンケート調査を思いつきだけで初めてはいけません。しっかりとした準備をします。いつ何をすべきかを計画しましょう。そして、調査をする人達への説明会は必ず行わなければいけません。

  • 粗品の準備

アンケートに答えてくれた人に、「感謝」の気持ちを示すために渡すちょっとしたものです。これにお金をかける必要はありません。安く手に入りお客さまに気に入ってもらえそうならどんなものでもけっこうです。小さなボールペン、鉛筆、店のロゴいりコースター等アイデアを出してください。

  • 調査員はなるべくお店の従業員であること。
もちろん、特別にその日だけアルバイトを採用しても良いですし、本社スタッフに応援を求めても良いでしょう。お客さまと直接話しを交わすことで店への愛着が高まったり、従業員の人間的成長に繋がるからです。お客さまの方も普段言えないことでも、こうした時ははっきり言ってくれることが多く、これを聞いて正しい対応ができるのも店の従業員ならではということがあります。

  • 社長・経営幹部は、一度は経験してみることです。
というのも、人はみな偉くなるとなかなか現場のことを顧みなくなるものです。でも、飲食業でこれをやってしまうと商品も内装もサービスの仕方がどんどんチグハグなものになり、やがて客数減、売上減に繋がります。お客さまと直接話ができて、その本音を聞き出せる良い機会です。社長なら、経営幹部なら必ず従業員とは違う大事なヒントを得ることができるはずです。

  • 「調査中」ポスターの掲出

調査日には、開店時から、「店内でアンケート調査を行っています」という趣旨のポスターをよく見える所に貼っておきましょう。これは、お客さまに不審がられることを防いだり、調査する従業員の助けにもなります。

(ポイント2)正しいサンプリング

  • 正しい調査結果を得て、今回のように、商圏地図まで作ってしまおうという場合では、アンケート調査する対象(サンプル)は1000必要だということが、統計学で示されています。ですから、頑張って、この1000サンプルに挑戦してみてください。できることなら、休日が平日より売れる店なら、木曜と金曜に200サンプルずつ、土曜と日曜に300サンプルずつ取りましょう。けっこう、この数は「多い」ものです。
  • 自分の店ではこんなに多くは聞けないよというのでしたら、採れるだけで結構です。それでも、合計500サンプルは採れると良いですね。また、期間も集中しているほうが良いのですが、難しいなら1か月くらいかけてじっくり集めるのも手です。
  • 逆に、客数が多いような店でしたら、お客さまが多数来店する時間帯には多くのサンプル数を、少ない時間帯には少ない数を採るようにします。また、その場合、まんべんなくランダムに声を掛けることも大切です。初めの5分間だけとか、女性客ばかり相手にするというのはダメです。

(ポイント3)正しいアンケート用紙

アンケート用紙は、対面式と据置き式で、多少フォーマットが異なりますが共通点は次の項目が入っていることです。

  • 住所を聞く

目的編でも書きましたが、お客さまの個人情報を聞くことはできません。ですから、住所も、町丁目別に区分けした図形を描き、番号を振った地図(図3)を用意しておき、この番号を選んでもらうという手法をとります。

  • 直前を聞く

お客さまが店に来る直前にどちらにいらしたかを問うものです。これは、その地域を同じ地図を使って聞くとともに、どんな場所なのかを抽象的に聞いておきます。例えば、「自宅、勤務先、学校、買い物先、所用先、レジャー、その他」のようにです。

この時、「差支えなければ」と前置きした上で、その施設名を聞いておくと、販売促進に役立ちます。その施設と何らかのタイアップができるかもしれないからです。

  • 来店頻度を聞く

「お客様は、当店を何回くらいご利用されていますか?」という質問です。この答えには「①初めて、②年に1回くらい、③2,3か月に1回、④月に1回くらい、⑤月2~3回、⑥週1回くらい、⑦週2回以上、⑧ほぼ毎日」を用意しておきます。

  • お客さまの属性を知る

これは、性別、年齢、結婚有無、職業などを指します。それぞれ、①男、②女 のように答えの選択肢に番号を振っておき、番号を選んでもらえるようにします。

  • ご意見欄を設ける

必ず、最後に、お客様のご意見を聞いたり、書いたりできるような欄を作って置かなければいけません。何も書いたり行ってくれなかったりしますが、それはお客さまの自由です。この欄があることで、お客さまは自分のことを大事にしてくれているという感覚を抱きますし、大事な意見を言ってくれることもあるからです。

(ポイント4)正しい地図

住所や直前の場所を知るためには地図が必要です。街中の店なら1km圏、車での来客もあるなら3km圏、郊外の立地なら5km圏くらいを網羅するような地図を用意しましょう。

キレイに作るには、電子地図ソフトウェアを使って原図(図1)を用意してから、町丁目別の区画(図2)を参考にして、お絵描きソフトで町丁目別の区画を描いてからカラー印刷しておくと良いでしょう。

 

地図

図1

 

地図

図2

 

(ポイント5)正しい集計法

町丁目別に、人口を集めておきましょう。そして、住民浸透度係数を計算しておきます(前回説明した通りです)。ポイントは、この係数を出すときの分母は、その町丁目の人口で良いのですが、分子がちょっとややこしいので注意してください。分子=(1ヵ月の客数)×(その町丁目に住んでいると言ったサンプルの数)/(調査したすべてのサンプル数)です。

  • この計算で、各町丁目別に住民浸透度係数が算出されます。この係数が5%以上なら、商圏「内」にあることになります。地図上で、それぞれの町丁目区域を5%以上、10%以上、20%以上というふうに色分けしてみましょう。商圏地図の出来上がりです(図4)。
 

商圏地図

図4

 

本文2766字

 

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで出店調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業の経営者、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。

 

 

以下今回は不要です。

「統計てきめん」の地図使用承認(C)昭文社第55G15号

 

 

 




 

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引用元:商圏調査をやろう その2.実践編 連載52


連載51 6月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 15回目

 

商圏調査をやろう その1.目的編

 

「商圏調査をやろう」と言われると、「何から手を付けたら良いかわからない」、「商圏調査って何をすることなの?」、「商圏調査して、どんなメリットがあるの」などと店長のあなたは思うかもしれませんね。今回と次回に分けてこうした疑問に答える話しをしましょう。

今回は「目的編」、次回は「実践編」です。

 

商圏調査の目的

商圏調査の目的は、ずばり「効率的に売上を伸ばすこと」です。もちろん、この中には、「客数を増やすこと」、「購入単価を上げること」、「同伴者人数を増やすこと」、「ファンを増やすこと」、「競合店からお客を取り返すこと」などが含まれます。

単に、売上を伸ばすことだけなら、店長ご自身や従業員が時間と労力をかけしゃかりきになってサービス向上を図ればできるでしょう。ここでのポイントは、「効率的」なことです。

売上を上げるための様々な活動を効率的にできるようにすることです。

もちろん、商圏調査をするためには、ある程度の時間と労力が必要です。でも、かけた労力の何倍もの収穫が得られるようになります。だから、重要なのです。

商圏調査は何をすること?

もっともシンプルに言うならば、2つのことをすることです。1つは、お客様へのアンケート調査。もう1つは、商圏地図を作り分析すること(これらの具体的な方法については次回の実践編で書きます)です。

どちらも大事ですが、じゅうぶん意義や内容を理解していないと、1つ目を終えた段階で、もういいやということになりかねませんから、よく理解してください。

 

お客様へのアンケート

お客様の一人一人をよく知っていて、わざわざアンケートしなくてもほとんどのことはわかるというのであれば必要ないかもしれません。

でも、この際、店長のあなたがそういう方であっても、アンケート調査というフォーマル(公式)なことをやってみてください。すると普段は伝えていなかったことが明らかになることがあるものです。例えば、「いつも、駅の方から来るから、帰りがけについでに寄ってくれている」と思っていたお客様でも、正式に住所を聞いたら、それが駅向こうの地域であって、「遠くなる所をわざわざ来てくれている」ことが分かったりして、そのお客様の素晴らしさがわかったりもするのです。

もちろん、忙しくてあまりお客様と日常的な会話なんてできません。そういう店長のあなたでしたら、ぜひともアンケートしてください。

アンケートだからといって、○×や選択肢に答えるばかりではありません。お客様の生の意見もその場でお聞きする絶好のチャンスでもあります。今まで遠慮して言えなかった人でも匿名で答えて誰が答えたかわからないというような状況では、本音を書いてくれます。

もう一つ、このアンケートは商品やサービスに関わる質問はほとんどしないでけっこうです。そういう点のアンケート用紙ならどこの店にでもありますね。でも、商圏調査では、当たり前ですが「商圏に関わる」質問が中心になります。「どちらにお住まいですか?」とか「ご来店前にどちらにいましたか?」、「このお店を出た後、どちらに向かわれますか?」、「そこは、どこですか?」というような質問です。

ですから、お客様から、料理やサービスについての評価はききません。お店のことで聞くとしたら、来店動機のところです。「お客様が本日ご来店になった一番大きな理由は何でしょうか?」の質問に、選択肢として、「店が広いから」、「料理・サービスが良いから」、「雰囲気が良いから」などのように入ってくるくらいです。ですから、安心して、調査をしてください。

ただ、QSC(品質・サービス・清潔さ)があまりひどいと手厳しく言われたり書かれたりするかもしれません。

 

お客さまアンケート 見本はこちら

 

商圏地図を作り、分析

アンケート調査が終わったら、さあ集計です。

集計で、一番まっさきにやるべきことは、お客様がどこから来店したのか、あるいは、どちらにお住まい(お勤め)なのかを集計し、商圏地図を作ることです。

 

最もフォーマルに実施するときは、アンケート調査の段階で「専用地図」を用いることですが、そこまでの準備をしなくても簡易的にできます。お客様の住所が「渋谷区千駄ヶ谷5丁目33番16号シャトレー新宿御苑901号」だとします。

それでも、全部ではなく「渋谷区千駄ヶ谷5丁目」までのところを答えてもらえば良いのです。

名前や電話番号はもちろん質問しませんし、住所も「丁目」までだったら、「個人を特定」することにはなりませんので、「個人情報」にもなりません。

でも、「丁目」まできいておくだけで、立派な商圏地図を作ることができます。

というのも、たいていの市区では、「〇〇町△丁目」毎に、人口や世帯数というデータが集計され、明らかになっている(注)からです。

例えば、人口が500人と分かっているAX丁目から、お店にお客様が50人来ていることが分かれば、その比率は10%だということがわかります。

この10%のことを「住民浸透度係数」と呼びます。この係数が5%以上なら、そこは、立派な商圏「内」ということにする。

これが、正しい商圏の把握の方法です。

つまり、お客様から、「住所、または、直前にいた場所の住所」を「丁目」単位で聞き出すことができれば、商圏地図を作ることができるのです

商圏地図さえ、出来上がれば、すぐ分析ができます。

住民浸透度係数の大きさによって、色分けをすると図3のような図になるからです。

 

商圏地図

図3

 

色分けは、5%以上、10%以上、20%以上で色を濃くしたりすると分かりやすいでしょう。

するとお店が中心に描かれていますが、そのすぐ周辺は、濃い色になります。お店の近くから多くのお客様が来店されているで当然のことですね。そして、お店から離れるにしたがって、色は薄くなっていき、最外周あたりは色塗りされません。

まず、すぐ分かるのは、店に近いのに色塗りされていない地域が必ず見つかるということです。

Aがそうです。Bは店から遠いから良いとしてもAは困りものですね。

そこで、このAを重点的に攻めて行けば、お客様が効率よく増えていくということになりますね。ただし、その区域に、競合店があるのかもしれませんから、実際はその場所に行ってみる必要があります。

 

 

 

注 「〇〇市 丁目 人口」などとインターネットで検索するとたいていは簡単に入手することができます。

 

図1は広島市の「人口・世帯数(町丁目別)」の画面ですが、この中から、年月を指定してクリックすると、図2のようにエクセルの表としてダウンロードすることができます。

データ

図1

 

データ 人口 世帯数

図2

 

 

本文2541字

 

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで出店調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業の経営者、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。

 

以下今回は不要です。

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引用元:商圏調査をやろう その1.目的編 連載51


連載50 5月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 14回目

 

客席を増やすと売上はどれだけ増えるのか?

 

①「お昼のピーク時間帯になると、今の客席数だと不足してしまう」、

②「隣のテナントが抜けるので、そこもお店の客席に貸してもいいよと家主に言われた」、

③「来年はお店の改装をするから、適切な客席数を計算しておくように上司に言われた」、

④「お店の前に、道路までの間に、パラソルと椅子を置けるスペースがあるので、それらを購入して、この春から設置してみようと思う」等々。

 

これらは、どれも、そのお店の適正な客席数はどれくらいかを考えなければならないケースです。

 

 

客席

写真1 満席でピークカットを起こし始めている店内

 

 

客席

写真2 ヒマな時間帯であそんでいる客席

 

 

ところで、客席は増やすと、売上は「必ず」増えるでしょうか?

とりわけ、①のような場合は、実際に特定の時間帯に、客席が不足していて、「お店にお客様は来ていただけるけれど、帰られてしまう」という切実な事実があるわけです。この状況を、ピークカットと呼びますが、このようなことが起きているなら、この改善を図る、つまり、客席を増やすと確かに売上は改善します。もちろん、客席数を増やしても、ご注文を聞くのが遅れたり、料理を提供する時間が遅くなるようでしたら、元の木阿弥です。

とはいえ、どんなにお客様増えても、きちんと対応できるというのが商売の原則ですから、ファストフードの事例を挙げるまでもなく、ピークカットさえなくせば「客席増=売上増」の公式が成り立ちます。

つまり、今までピーク時間帯の1時間に30席で3回転して90人のお客だったものを、10席増やせば、30人増え、売上は33%増えるということです。

お店で最も需要が高くなるお昼や夕方のピーク時間帯で、客数増大、売上増大を図ろうとすることは基本中の基本です。飲食需要の低い暇な時間帯にいくら努力してもせいぜい数人のお客様が増えるだけです。

 

さて、こうしたピーク時間帯における客席数と売上の関係は分かりやすいのですが、では一般的にどうでしょうか?

とりわけ、②や③のような場合です。

店舗面積そのものを増やす、あるいは改装をする、いずれも多額の投資が必要となってきます。

ですから、投資に見合うだけの見返りが得られるかどうかは、たいへん重要な判断になります。

出店するかどうかど同じくらい、精度を要求されます。

 

では、答えから先に言いましょう。

客席を増やして、客数や売上を増加させるには、3つの条件があります。

第一は、お店のあるマーケットが大きいほど増加する度合いは大きいのです。つまり、小さなマーケットで、客席を増やしてもあまり効果は期待できないのです。

第二は、お店の現状が、そのマーケットのポテンシャル(潜在需要)を取りきれていないと客席増の効果は大きくなります。これは今話したピークカットが頻繁に見られるような場合ですね。

第三は、客席を増やすときは、大幅に増やすほどその効果は高くなります。逆を言うと、数席、十数席程度増やしたところで、あまり効果はないということです。

 

表は、あるレストランチェーンの改装実績を示したものです。

このチェーンは、どの店も人気で、客席不足が大きな課題でした。

そこで、まず、S駅前店で40席しかなかったので、66席に増やしました。約1.5倍です。すると月商が200万円以上も増えたのです。この場合は、厨房やデッドスペース(使わないで空いている場所)をうまく工夫して何とか増やしただけです。

しかし、それでも、これだけの効果が出ました。

そこで、今度はJ駅前店も、同様の工事を行いました。この時も大幅な増加です。

結果的にここでも240万円以上の売上増加につながりました。

 

 

客席

写真3 ベランダにテーブル・客席を設置

 

 

客席

写真4 外にパラソルとテーブル・椅子を設置

 

 

客席

写真5 まだ客席を増やせる余裕のあるカフェ

 

この2つの成功事例に気を良くした経営者は、次は、ちょうど隣にテナントが空いたので、そこと本来の店をつなげてまるまる客席にしてみたのです。客席は29席から88席増えて110席です。約4倍にしたのです。もちろん売上は4倍とはいきませんが、563万円の増加です。

家賃の増加は60万円程度で済みましたので、改装費用を加えても、じゅうぶんペイするどころか、大きな利益増に繋がりました。

 

経営者はじゅうぶんに自信を付けました。しかし、この自信がやや揺らいだのが、M市にあったX店とY店です。それぞれ72席、46席と大きく増やしたにも拘わらず、思うように売上は伸びなかったからです。

ここでわかったことは、それぞれ共に最初から客席数を大きく確保していたため、それなりに街のポテンシャル(飲食需要)を吸引できていた、ということです。つまり、第二の条件に、逆の意味でひっかかってしまったわけです。

大型店であったためピークカットはあまり起きていなかったというわけです。

 

しかし、それでも、300万円前後の売上増加が得られたのですから、改装は正解だったと言えるでしょう。

客席

このチェーンでは、もう一つ、興味深い事例が発生しました。

新宿にある大型の店で、営業しながら改装するというウルトラCをやりました。つまり、本来あった144席のほぼ9割をクローズして、15席だけで営業を続けながら工事をしたのです。

するとどうでしょう。売上は、月商で3000万円近いダウンです。

想定以上のダウンで、客席のありがたさを身に染みた事例になりました。

狭い店で、持ち帰りばかりでは、ほとんど営業として成り立たない、お客様に迷惑をかけるばかりの状況に陥ってしまったのです。

言うまでもなく、新宿は、巨大なマーケットです。これを数字で示しているのは、表にも書いてある小売販売額の高さです。500m圏内だけで年間に6700億円の販売額というのは、日本でもここだけと言えるでしょう。

 

第一の条件にあるように、マーケットが大きいと客席の多寡による影響もひじょうに大きくなることを如実に示している証拠です。

 

こうやって、たんねんに、改装の都度、客席数の増減を記録し、これと改装前、改装後の売上と客数のデータも揃えておくことで、「客席効果」がどんな理由で起きているかを分析することができます。

 

 

 

本文2390字

 

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで出店調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業の経営者、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。

 

図 は、新宿店を中心に500m圏を表示、集計したもの。

「統計てきめん」の地図使用承認(C)昭文社第55G15号

 

 

 

 

 




 

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引用元:客席を増やすと売上はどれだけ増えるのか? 連載50


連載49 4月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 13回目

 

看板とメニュー看板の違い

 

看板は何のため

みなさんが、日頃何気なく使っている「看板」、今回は、この看板についてお話ししましょう。

まず、看板は何のためにあるか、わかりますか?

これは、「看」の字に秘密が隠されています。この字は、「手」と「目」から成り立っています。

ちょうど、両目の上に、手をかざしている状態を表しているのです。目の上に手をかざす動作はどんな時にするでしょうか。そうです、遠くにあるものを見ようとするとき、日の光が入らないように手をかざしますね。

つまり、「看」は、「遠くのものを見る」ことを意味しているのです。

ということは、看板は、「遠くから見える板」ということになります。ですから、遠くから見えない板は、看板とは言えないのです。

ところで、多くの場合、店舗間口の上方の壁に、店名や業態などを描いた横長の板のことを看板と呼んでいて、ほとんど「常識」になっています(写真1)。

間口 店写真1

 

 

しかし、これは慣例的にそう呼ばれているだけで、この看板を遠くから見つけることはたいていの場合できません。店前道路を通っている人が、店の前で立ち止まり、上を見上げた時、初めて見えるに過ぎません。

ということは、袖看板(写真2、3)であるとか、サインポール(写真4)であるとか、据置き看板(写真5)であるとか、そうしたものを看板と呼ぶことが本来正しいと言えます。なぜなら、そうした看板ならば、遠くからお店が位置している場所を見つけることができるからです。

 

袖看板

写真2

 

袖看板

写真3

 

マクドナルド サインポール

写真4

 

置き看板

 

写真5

 

 

ところで、飲食店ならば、たいていの場合、どんな料理があるかがわかるようにメニュー看板を出していることが多いですね(写真6、7)。

 

メニュー看板

写真6

 

 

写真7

メニュー看板

 

そして、このメニュー看板があるおかげで、道行く人々は、自分が欲しい料理を絵柄やコメント、値段などを見比べて、気に入れば店内に入っていきます。

そのためには、メニュー看板に、相当近寄って見る必要があります。

もちろん、数十メートルも離れたところからでも、見えるようにしているお店もありますが、これは、ある意味たいへん有効です。とりわけ、車ドライバーの接近速度が速いロードサイドにそうしたメニュー看板をよく見かけます。

 

看板設置の条件

看板であれ、メニュー看板であれ、遠くから見える必要があります。ですから、その設置にはおのずと条件があります。

1.見える距離、2.見せたい相手、3.他の看板との関係、4.看板のデザインの4つの観点から見て行きましょう。

1.見える距離

これは、店のお客の来店手段によって変わります。もし、そのほとんどが、徒歩で来店するのであれば、10m手前から見えている必要があります。そして、商店街の中などで人々が多く歩いているような場所ならば、そうした人々の陰に隠れてしまわないよう人の背丈以上に高いところに見えるようにしなくてはいけません。袖看板や高さのある据置き看板などです。

また、車で来店するお客様が多いようならば、看板は100m手前から見えなければいけません。それは、時速40kmで走る車にとって9秒間、時速50kmなら7秒間見えることです。

実際に、お店から100m離れた車道に出てみて、よく見てください。街路樹や電線電柱などに邪魔されて見えなくなっている(写真8)ようなことはありませんか?

 

視界障害

写真8

 

もし、見えないようなら、道路管理者の許可を得て、そうした視界障害物を除去することも感がなければなりません。

2.見せたい相手

見せたい相手が店前道路だけなら今話したことで十分です。でも、駅の改札口付近に人々にも見えるようにしたい、交差点を渡ってくる人や店を探して遠くからやってきてくれる人にも見えるようにしたい。そう考えるのであれば、やってできないことはありません。ビルのオーナーさんに頼んで、屋上やビル壁などに看板を設置させてもらうことができます。もちろん、それ相応の出費は覚悟しなければなりませんが、これは貴方の交渉力次第です。

3.他の看板との関係

商店街の中や、店舗が次々と連なるロードサイドでは、どこの店も赤色や橙色、黄色のような暖色系の看板を使っているというようなことが起こります(写真9)。

 

 

視界融合

写真9

 

これには、要注意です。人間の視覚は、同系色の色を一つのまとまりとして見てしまうという性質が備わっています。ですから、あなたの店も、他の看板と同じような色の看板を出してしまうとそれらの看板の中に埋もれてしまい「見えるはずなのに見えない」という融合現象を引き起こしてしまいます。こういうような場合は、看板の色や形で、他の看板との差別化を図らなければいけません。

4.看板のデザイン

もし、あなたの店がチェーン店の一つであるならば、看板デザインを店長だけの判断で変えることはできません。せいぜいチェーン経営者に進言ができるくらいでしょう。

しかし、チェーン店ではないならば、そして、あなたの裁量で行っても良いならば、看板のデザインは次の原則に従って作ってください。

第一に、誰もが覚えやすいシンプルな色、形であり特徴的であることです。第二に、看板に書かれる情報量はなるべく少ないことです。そして、第三は、一目見ただけで、あなたの店が、飲食店であり、何を売っているのかがすぐにわかることです。

簡単に言うと、デザインに凝り過ぎないことです。一般には読めないような難しい漢字やフランス語のような横文字を使うなんていうことはしないことです。

こうしたことは、メニュー看板にも言えることです。洗練され格好良いメニューデザインであったとしても、それがほとんど誰にも理解できないようなら意味をなさないでしょう。

たくさんのメニュー写真を掲載しているメニュー看板もよく見かけますが、道行く人々は看板を見て「読書」するのではないのですから、極力、情報量を絞ることをお勧めします。

「看板が見えない」・「メニュー看板が読めない」のでは、お客様は減っていくばかりです

。これを機に、看板、メニュー看板を見直してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

本文2361字

 

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで出店調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業の経営者、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。

 

 

(今回不要です)

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引用元:看板とメニュー看板の違い 連載49


連載48 3月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 12回目

 

ショップカードの盲点

あなたのお店にもショップカードはありますよね。今回はこのカードの正しい作り方についてお話ししましょう。

 

まず、基本的なことから。

ショップカードを作る目的は何でしょう?

単なるお店の紹介ですか?それとも、ビジネスマンが名刺を持つように、誰かと挨拶をするときに渡すためですか?あるいは、お客様から要望があったときに渡せるチラシのような存在ですか?

それらは、みんな本来の目的ではありません。副次的なことです。

ショップカードの最大の目的は、「お客様の二度目の来店を促すこと」です。あるいは、このショップカードをお客様が知人、友人に渡してくれたときその人達に「初めての来店をしやすくする」ことです。

つまり、ショップカードは、お店の「客数、売上」を伸ばすツールです。

お店の立地と同じで、ショップカード次第で売上は放っておいても上がるようになります。

でも、多くのお店ではそうした認識が甘く、格好だけのショップカードで満足しています。たいへんもったいないことです。

 

一番、多いのが、地図の間違いです(図1)。

 

ショップカード 地図図1

 

 

そして、それこそ売上に最も影響します。ですから、地図についての注意点を重点的に話しましょう。

1)サイズ

なるべく大きいサイズの地図を描きましょう。できれば、カード一面全部を使うくらいがちょうど良いでしょう。

2)TGは描かれていますか?

TGとはTraffic Generator(交通発生源)のことです。

復習しますと、具体的には、鉄道駅や商業施設、大型交差点などです。要するに、多くの人々が集まってきて、そして、そこから交通が発生しているような場所、施設のことを言います。

お店の近くのTGはどれにあたるでしょうか。公園や学校、市役所なども該当します。探してみてください。

3)南北は正しいですか?

「地図を描く場合は、北は上に、南は下になるようにする」ことは知ってますね。ショップカードの地図も地図ですから、この原則で書かなければいけません。

でも、「南北を正確にしてしまうと、デザイン的にアンバランスになってしまう」ということもあるでしょう。その場合は、図2のように、Nと矢印を組み合わせた記号を入れて、北(NはNorthの略)がどの方向であるかを明記すれば良いのです。

地図の方向

 

図2

 

4)道路幅は正しいですか?

中には、お店の前の道を強調しようとして、太い道路にしてしまう店があります。それは、見る人を混乱させるだけです。実際と全く同じ比率にするほど正確にする必要はありませんが、太い道は太く、細い道は細く描いて下さい。

また、道を描くとき、両端が切れたままではおかしいと感じるのか、丸めたデザインにすることが多いようです(図3)。これも人々を混乱させることの一つになります。

 

丸めたデザインにすることが多いようです。これも人々を混乱させることの一つになります。

図3

 

5)ランドマーク

もし、自店舗へ来る際に、どこかで曲がらなければならないような場合は、その曲がり角に何があるか、その目印(ランドマーク)を入れておきましょう。「〇〇高校正門」とか、「交差点横断歩道」、「○○有名チェーン店」のようなものです。どうしても、何も思いつかないときは、その曲がり角に、小さい案内看板を設置しましょう(もちろん、許可をもらってください)。

「ここに案内板アリ」で、効果が出ます。

6)QRコード

まだ、自店の地図にQRコードを使っているお店を見かけません。

よく行われているのは、インターネットに挙げたお店のウェブサイトのURLをQRコードです。

これと同じように、グーグルマップで自店舗の地図を特定することによって、そのURLを作り、QRコードにして載せておきましょう。

 

作り方はいたって簡単。グーグルマップで地点を特定したら、その地図の左に鎖のような形をした「リンク」があります(図4)ので、これをクリックします。

 

QRコードを作る図4

 

短縮URL詳細

図5

 

すると、「メールやチャット用リンク」という小画面が出ますので、「短縮URL詳細」をクリックします。すると、長いリンク用アドレスが短いものに変わりますので、これを右クリックでコピーしてください。

 

一方、「QRコード作成」で検索すると、
がいくつも見つかりますので(6)、そのどれかを選んでクリックして、URLを張付け、QRコードを作成することができます(図7)。

 

無料でQRコードが作れるウェブサイト

図6

 

QRコードを作成

図7

 

 

これを地図のそばに描いておけば、スマートフォンをもったお客様なら、まず間違いなくお店に来られるでしょう。

 

地図の次に間違いが多いのは、店名です。

何と呼んだら良いか、読めないというのは最悪です。お馴染みさんしか読めない。そのお馴染みさんも間違えて覚えている。そんな笑えない話もあるくらいです。少しでも、読めそうもない人がいると思ったら、必ず、ふりがなをふっておくことです。これは、看板と同じです。

 

ショップカードを持っているメリット

ショップカードにしろ何にしろ、自分にメリットがないと思ったら捨てられてしまうのが世の常です。それを防ぐには、持っていること、友達にあげることのメリットが付いていることです。

「このカード提示で〇〇が半額」とか、「特別メニュー進呈」のようなものですね。

ただし、ここに有効期限を書くべきかどうかは、迷うところです。少なくとも2週間以内とか1か月以内にしてしまうと間違いなく捨てられてしまって終わりでしょう。

 

もし、系列のお店をいくつもお持ちの方は、当然ながら、それらの店の情報も載せておくと互いに相乗効果が出て、ショップカードは威力を発揮するでしょう。情報は、それぞれQRコードを使って、各ウェブサイトに誘導することです。

 

良いショップカードの例

図8 良い事例 駅や曲がり角のランドマークがきちんと入っている。

 

本文2241字

 

注:QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで売上予測調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。

 

 

(今回不要です)

「統計てきめん」の地図使用承認(C)昭文社第55G15号

 

 

 




 

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林原安徳:有)ソルブは、立地と高精度/売上予測で「不振店」を根絶します。
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電話 03-3538-6603 メール問合せは、こちら
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引用元:ショップカードの盲点 連載48


連載47 2月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 11回目

ダメ立地は証明しよう

 

店舗を運営(経営、切り盛り)していると、こんなことを感じたりしませんか?

「なんで、この店はこんなに客が来ないんだ。一所懸命私は頑張っているのに、いつもSV(オーナー)には『予算に達していない』、『昨対比が落ちている』と注意されてばかりだ。」

お客様があなたの店に来ないのには理由があります。

もちろん、あなたの上司、SV(オーナー)の言う通り、あなたの努力や根性()が不足しているのかもしれません。そう思っているから、あなたに喝(注意)をいれるのかもしれません。

でも、本当は違うかもしれません。

その説明を理解してもらうために図1を見てください。これは、ある大手チェーンで6000人以上のお客様にアンケートを取って答えてもらった結果()をグラフにしたものです。

 

 

来店理由 飲食店

 

質問はたった一つ。「あなたが、このお店に来られた一番の理由は何ですか?」です。

見た通り、その答えは、大方の予想を裏切るものでした。

チェーンレストランですから、QSCはもとより、商品としてお出しする料理については絶大な自信を持っていましたし、それが多くのお客様の期待に応えているからこそ、お客様が来てくれているものだと長年信じていたからです。

しかし、そのお客様の答えた「料理」が理由の来店は23%、全体の4分の1にも過ぎなかったのです。

最も多い回答は「通りすがり」で34%、次が「近い」で27%です。この2つで61%、優に半数を超えている。

もちろん、「通りすがり」であれ「近い」であれ、その店で提供している料理が美味しいことを知っているからこそ来店されているのは間違いない。

でも、これはショックでしょう。

これこそ、立地の威力なのです。逆のことを言えば、「どんなに美味しい料理」を提供しようと、雰囲気が良く、お値打ち価格で、サービス満点でも、立地が悪ければ、お客様は来ないのです。来ない可能性が高い。

 

だから、もし、あなたが冒頭のような疑問をお持ちになったら、立地を疑ってみよう。

とは言え、いきなり「立地がだめだから、お客様が来ないのです」と言ってみても無駄であって、一笑に付されるだけだ。

私がお勧めするのは、図の4割のところは十分やっています、ということを立証してみせることだ。それには、もちろん、料理・QSC の向上は不可欠。そして、あなたはそれをクリアしたとしよう。次に、あなたがやるべきことは、お客様を店に呼ぶことだ。

「店頭での呼び込みは毎日やってます」とあなたは言うかもしれない。それならそれでたいへん立派なことだ。ずっと続けてほしい。

もっとやってほしいことがある。

それは、近隣への挨拶回りだ。

今やこの「挨拶回り」をやっていない店長ばかりだ。せっかく新店としてオープンしたのに近隣に挨拶しないのはいけない。必ず、行うべきことだ。

もしかしたら、あなたの店は代々の店長もやってこなかったかもしれない。

だったら、チャンスです。あなたがやりましょう。

まず、名刺を用意しましょう。本部が作ってくれなかったとしても、今やパソコンでも、名刺屋さんでもすぐに大量に作れます。最低1000枚は作りましょう。あなたの名前や店名、電座番号はもちろん、誰にでもわかる地図が入っていることがポイントですよ。

そして、あなたの店から近い民家、事業所から順に、ご挨拶に伺います。

その時、チラシ、割引券や招待券などあればより良いですね。

「こんにちは。〇〇丁目にオープンしたXX店の店長をしておりますXXXXです。ご挨拶に伺いました」

と、元気のある声でお呼びください。ほとんどの方は留守でない限りきちんと答えてくれるはずです。あなたが押し売りでもなければ、セールスの人でもないことをすぐに理解するからです。安心してあなたの名刺とチラシを受け取ってくれるでしょう。

これを1日50~100世帯ずつ、出勤毎に行うのです。そうしたらあなたのファンが増えます。そして、お客様がみるみる増えて行きます。これは確かです。

これ以外のことも何でも試してみてください。サンドイッチも良いでしょう。プラカードを持ってチラシ配りも良いでしょう。思いつく限りのこと、販売促進対策をやってみましょう(もし、思いつかなければ、弊社にお電話ください)。

しかし、そこまでやっても、売上が改善しない。

そうであったなら、それは、立地が悪いのです。

あなたは、ダメ立地であることを証明したことになるのです。

「お客様が、店に好感を持っていて、場所も知っている」のに来られないのは、店は「通りすがり」でもなく、「近く」とも感じない立地にあるからです。

そんなことはあるのでしょうか、と思うかもしれませんが、そんなものなのです。

図2を見てください。これは単純化した図ですが、すぐわかるはずです。

 

 

地図

あなたはA地域にも、B地域にもまんべんなく挨拶に回ったはずです。でも、よく見てください。A地域の人達は、あなたの店のほうに向かってくる(行動してくる)必然性はありますか?

B地域の人達はありますね。そうです、駅へ向かうという日常行動があるから必然性はあります。

ですが、A地域の人には必然性がありませんね。

いくら、A地域の人達に働きかけても来てくれないことがわかりますね。

これが、立地の恐ろしさなのです。これがわかったらもうあなた、店長の問題ではありません。頑張ってもお客様が来てくれない立地に出してしまった人の問題です。

さあ、よく話しましょう。言うには勇気がいりますが、その勇気こそ大事なあなたの役目の一つですよ。

 

 

 

 

本文2240字

 

注 関西で有名な大手和食チェーンXXがXX年10月10店舗以上で調査した6405人のお客様。

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで売上予測調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。

 

 

 

 

(今回不要です)

「統計てきめん」の地図使用承認(C)昭文社第55G15号

 

 

 




 

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引用元:ダメ立地は証明しよう 連載47