やっぱりおかしい住宅エコポイント… | A Cheap Log.

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Kei

大阪も連日の雨がようやくおさまり、やっと晴れた。


もうすぐ暖かい春が来るんやと思うと、長かった寒い冬もあっという間やったように感じる。


地球温暖化が叫ばれて久しい。


全世界的に、またこの国の政府も様々な施策でこの手探りの課題に取り組んでいる。


いよいよ今年から改正省エネ法が本格的に始まる。


3月までの1年間の実績に応じて、4月からのエネルギー排出量に対し、事業所は削減義務が強制化される。

日本企業の省エネルギー対策は、周知の事実として世界でも類を見ないほど進んでいる。そんな中、これ以上の大幅削減の強制は、民業の収益圧迫にしかならないにも関わらず、日本政府は杓子定規な強制執行を課しているのが現状。


そんな中、今年から住宅エコポイント制度が開始となり、TVでも関連CMが俄に増え始めた。


端的にいえば、「窓周りの省エネ」。そやけどこれがほんまにおかしい内容となっている…


昨日、アクトオンTVで放送されとった30分番組を録画して見とった。先日TVを見ていたら、同番組が放送されとって、再放送の日時を確認して予約録画して見たが、この番組の制作意図が胡散臭い。


現代日本の一般住宅において、太陽光の侵入による住宅内への窓からのエネルギー流入は、概して53%となっており、この数年間、ハウスメーカー側も室内の明るさを売りに、窓数を増やしていった。その結果、内覧の時点では住宅購入者は、こうした窓の多い住宅は明るくていいと思って購入するものの、入居して最初の春を迎える頃から「暑い」と感じ始め、盛夏には耐えられない温度上昇を感じ、その時初めて「失敗した」と気付く…


これに対し、今回始まった住宅版エコポイントは、基本的には窓ガラスを省エネ型に改修する事を中心としている。


ガラスは大別して、フロートガラス、ペアガラス、合わせガラスの3種が一般建築用途に使われている。

ガラスは透過性や平滑性など、様々な面で利点は多々あるが、弱点は衝撃に対する脆さや熱伝導性(これは利点でもある)、特に昨今では太陽光の直射エネルギーを遮蔽出来ない点が環境対策では問題となっている。


TV番組では、日本板ガラス協会の方が、一般向けにエコガラスの認知説明をしとったが、結論としてはペアガラスに金属皮膜をコーティングした最新型が最も効果が高いという事やった。


この「金属皮膜」…これは簡単にいうと、「高機能遮熱ウィンドウフィルム」という事になる。


ウィンドウフィルムは、ずっと前から一般的に販売されてて、日本ではカーフィルムなんかの利用しか思い浮かばない方が大多数やと思う。

フィルムと一概にいうても、染色タイプと金属膜(蒸着やスパッタリングなど)に分れ、機能でいうと、染色タイプは熱線吸収型、金属膜タイプは熱線反射型となる。

熱線吸収は、フィルム自体の着色部分で熱を吸収して、室内への熱流入を食い止めるのが主目的。着色による室内のプライバシー保護やファッション的な利用用途もある。難点は、窓ガラスに熱が籠る事。また、窓ガラスが暑くなるため、この熱が室内に流入してしまう点もよろしくない。


これに対し金属膜タイプはフィルム自体で太陽光を反射させ、室内への熱流入を防ぐ事が特徴で、室内への熱流入はほとんど発生しない。窓ガラスも熱くなるが、熱はガラス面で一応止まる。難点は、熱遮断性能が良くなるほど、ミラー状になるので、これが嫌いな人は駄目みたいやけど、効果はビックリする位ある。夏場にエアコンの温度設定を2~3度高くしても、フィルムを貼る前よりエアコンがよく効いているのがハッキリ分かる。


今回のTVで放送されとった板ガラス協会が推奨しとる最新エコガラスは、この高機能フィルムをフロートガラスに貼っただけのモノ。それまでのペアガラスやLOW-Eガラスでは、効果がそれほどない事を協会自体が認めたような事を言ってはる。


数年前まで、ガラスはペアとLOE-Eを環境負荷が低い製品やと声高に言うとった。LOW-Eはガラスに金属を混ぜる事で、この金属粉が太陽光を遮蔽するというもんやけど、今回のエコガラスのように金属膜の「面」ではないから、太陽光は結構入ってくるし、室内の暑さ軽減にはあんまり役立たない。


ペアガラスは、主目的は熱流入と放熱を食い止めるのが目的で、特に冬場の温かい空気を室外に逃がさない事には効果が高いが、夏場の暑さを止める事には役立たない。


そこで今回のエコガラスの登場。結論として、ガラスだけでは効果が出ないので、金属膜を入れました、という事。


これやったら、ウィンドウフィルムを貼るだけで、最も低予算で大幅な効果が期待できるので、この方が一般家庭では「やってみよか」になる筈やと思っとった。


ところが、今回のエコポイントには、ウィンドウフィルムは除外となっとる。


もっといえば、カーテンが全く対象になっていない。


1級遮光カーテンの遮熱効果は、結構期待できるもんやし、ブラインドやルーバードア、障子、オーニングなんかもこのエコポイントの対象になってええ筈やのに、結果としては、ガラス業界とサッシ業界だけをエコ贔屓する内容になっとる。


先日、住宅版エコポイントHPから電話問い合わせし、昨日問い合わせの回答の連絡が入った。

国交省からの直電やった。

色々話したが、最後に僕が「この結果みてましたら、数年前に防犯対策として国交省と警察庁が大々的に取り組んだ官民合同会議で割を食った業界に対する補填にしかみえないんですけど如何ですか」と着き付けたら、電話口のお役人さんは一瞬言葉に詰まるように黙り込んだ…多分「なんでそんな事知ってるんだ」と思いはったんやと思う。


僕は10数年、インテリア事業、特に窓に特化した仕事をしとったから、そうした事は多分詳しい方やと自認しとる。


窓周りは外からは建設業の範疇で、室内からはインテリアの領域。インテリア業界は、建設業の中では立場は弱く、発言権も然程ないのが現状。


インテリア業界は、一部を除きメーカーも小規模で、関連業者も弱小の立場が圧倒的多数となっとる。


こうした業界に対し、現政府が出した答えが住宅版エコポイントなんやとすると、あまりにも稚拙な内容でほんまに残念に思う。


先日、某インテリアメーカーの懇意にしてる企画開発担当者と商談しとったら、こんな事を言いはった。

「○○はん、日本人はやっぱりかしこいな~。昔の日本の家は、絶対に西面に窓は作らんかった。最近はハウスメーカーもお構いなしに西面に窓をこさえる。結局、西日対策でてんてこまいや~」


電話くれはった国交省の担当者に「今お話しした事を一度ご検討頂きたい。二重窓の改修は比較的安価やとお考えのようやけど、一般家庭の側からすると、決して安いとはいえんのですよ。」とお伝えした。

ご一考頂けるとええんやがと思いながら電話を切った…