この本については、記述が不正確という批判もあるので、全てをうのみにはできないが、それでもポイントになる点はいくつもあります。まだ上巻しか読んでいないのですが、他の文献から見てもあおれほど間違っていなそうな点は以下のようなところです。
・毛沢東は、残虐の人間であり、列強や日本の侵略
を受けてもどうにもできない中国人の人間性を憎
んでいた。
・このような人間は今風にいうところの”グレート
リセット”(社会秩序の根本的破壊)をすべきである
と考えていた。この思想がソ連、コミンテルンには
好都合だった。
・毛沢東の残忍性は、中国の歴史、風土が生み出した
もので、蒋介石が政権ととったとしても大差はな
かっただろう
・ソ連のスターリン、コミンテルンのいうことを素直
に聞いていたのは周恩来で、毛沢東はそうではなか
ったが、性格的には使いどころがあると見込まれて
いた。
・ソ連の思惑は、日本と国民党および中国共産党を戦
わせ、日本軍がソ連に向かってこないように、蒋介石
や汪兆銘、張学良、毛沢東などの主要人物にあらゆる
工作活動をしていた
・コミンテルンにはロシア人だけではなく、ドイツ人
ポーランド人などがたくさん存在し、中国内でも
盛んに活動していた
というあたりでしょう。とにかく、全編にわたって、人を騙し、乗っ取り、謀略にはめる、残虐な拷問、殺戮の話が延々と出てくるので、ウンザリしてくる。
また、張作霖爆殺事件は日本軍の仕業と言われてきましたが、この本にも
「ソ連諜報機関の資料から最近明らかになったところ
によると、実際にはスターリンの命令に基づいて
ナウム・エイティンゴン(のちにトロツキー暗殺
に関与した人物)が計画し、日本軍の仕業にみせか
けたものだ」
とある。爆殺現場で採取された火薬の成分はソ連製だったこともあり、戦後長く本当に日本軍のしわざだったのか といわれてきました。ソ連崩壊後に流出した情報は、ノモンハン事件含め実態を明らかにしてくれる。
