「クラウド人材を育成できずに、クラウド利用人材を量産し、高額な使用料を外資系クラウドに払い続け、障害が発生してもブラックボックスなので自ら解決に当たることができない」のが今の日本である。
IPAにも在籍している筑波大の名物教授の登氏のインタビュー記事での発言だが、クラウドに限った話ではなく、ITとかDX、AIなど全般について言える内容だろう。
●20年周期で集中から分散、分散から集中に変わっている。2020年代は一極集中型クラウドコンピューティングと変遷したが、次の2040年は分散型クラウドコンピューティングになる。コストが高く、効率が悪いなどの理由から、2030年ごろに「集中型クラウドはまずい」となり、自己所有のハードウェアによって、同コストでパブリッククラウドより10倍も速く安全な分散型クラウドコンピューティングへ移行するだろう。
●日本はガバメントクラウドまで海外クラウドに依存しようとする。「日本人はクラウド基盤を作れない」との声もある。が、日本人には分散型クラウド基盤を作れる十分な能力がある。
という主旨の内容だが、成り行きまかせにすれば、半導体や携帯電話の二の舞になりそうである。
これらの業界はかつて、国内の電気メーカが群れをなしてしのぎを削ってきた。半導体は日立、東芝、NEC、三菱電機、富士通、ソニー、松下などがあり、携帯はこれらに加え、カシオ、三洋電機、京セラ、シャープなどなど。これらのほとんどが消滅したのだが、開発技術、製造プロセス技術などが皆異なるため統合するというのは困難であった。
三菱UFJは統合の際、有無をいわせず三菱銀行に寄せる方針でなんとか収まったが、みずほ銀行がいつまでもトラブル続きなのは寄せることができなかったことにある。つまり最大の問題は人間的要因によるところが大きかった。
国産クラウドもすでに、日立、富士通、NEC、さくら・・・とひしめきあっているので、いつか来た道を回避できないと、AWS、MS、グーグルの思うつぼになるだろう。