ボーイング社が肝いりで開発したB787はバッテリーの発火問題でクローズアップされているが、この飛行機はこれまでにも何度も納期遅延を起こしてきた。このB787について2013年のフォーブスに記事が出ていた。 これによると目標は正しかったが、アウトソースのやり方に大きな間違いがあったという。
航空機開発は10年以上もかかり使用部品点数も200万点以上あると言われ、ボーイング1社で全てを製造することも不可能である。従って、多くのサプライヤーに依存せざるを得ないわけだ。従来の外注比率は30~50% 程度だが、B787ではなんと70%にもなっていたという。記事は言う。「アウトソーシングでは、たとえ個別には確立した技術であっても、航空機を組み立ててみたら、部品どうし相性が悪かったということが起こりえるので、大きなリスクがある。」
「そうしたリスクに対処するため元請けは現場の品質を維持し、部品供給元を管理、時には技術支援もする必要がある。しかしボーイングはサプライヤに対するこのような現場での支援体制を確立しようとは考えなかった。実際、同社はそうした責任を下請け企業に丸投げした。」
「また、顔と顔を突き合わせ現場で対話するよりも、ボーイングが選んだのはネット上のコミュニケーションツールだった。しかしこのツールは失敗に終わった。サプライヤーは、文化の相違や信頼の欠如もあり、正確にタイムリーに情報を入力せず時機を得た形で問題を把握することができなかった。」
以上からわかることは、ITを過信して日本的な現場摺り合わせを重視せず合理性だけで効率を求めた結果だったということだ。かなり示唆に富む内容である。摺り合わせと組合せによる効率的かつ品質を維持できるものづくりの確立が求められるということだ。