友人の出演するコンサートに行った
彼女は 私の所属する「バレエストレッチ」サークルの仲間だ
日頃の練習では 私達と一緒に
こうかな、こんなだよね… 難しいなぁ
などと言いながら みんなで和気あいあいとやっている
昨年 初めてコンサートのお誘いのパンフレットを頂いて
みんなで驚いてしまった
ピアノの先生をなさっていることは 知っていたけれど
これほどの経歴と実績を持っていたなんて…
そして実際にコンサートを見て 私達は衝撃を受けた
バレエの先生ご自身が
私、すごい人に教えてたんだ~💦
とつぶやいていらした
けれど だからと言って その後に私たちとの関係は
まったく 変わることはなかった
そこがまた 彼女の素晴らしい所だと思う
今夜 また彼女の演奏を聴いた
言い表すのは難しいけれど とにかく 素晴らしかった
博子さんの全身からあふれてくる迫力と
そしてまた 指先から広がる 流れるような 美しい音
バイオリンやビオラの澄んだ音も
チェロの 懐の広い優しい音も
彼女のビアノの音と 触れ合い 絡み合い 溶け合って
みごとな曲を 生み出している
荘厳な曲 転がるように弾む曲 さわやかに流れる曲…
それぞれの曲が 私たちの心の世界を広げてくれた
マーラーの曲は これまで聴いたのは ほとんどが交響曲
どれも 壮大で どこか構えて聴く感覚もあり
聴いているうちに 次第に重厚感が湧いてくる感じだった
だけど今日聴いた曲は 四重奏
曲の最初の部分が始まってすぐに その音が胸に響いた
バイオリンの音から 哀しみが伝わってくる
何だろう…
マーラーの曲で 最初から引き込まれていったのは初めてだった
後に この曲の説明を聞いた
この曲は彼が16歳のときに 試験のために創作した作品だという
その新鮮な響きは その彼の若く純粋な心から生まれたのだろうか
そして前年に 彼の弟がこの世を去っていたという事実に
私はなぜか なるほど と納得してしまった
彼の哀しみの感情が それらの音の端々から伝わってきていたから
ブラームスの曲の中には いつも踊りたくなるようなメロディーがある
まさに 音を楽しむとき を味わえる
今日は2台のピアノによる演奏で 迫力もあった
そしてドボルザーク
彼の曲とブラームスの曲には どこか共通したものがあるような気がする
音楽に詳しくない私は 巧く表現できないけれど
何も考えずにとにかく音楽に「乗れる」のである
そして彼の曲には ブラームスにもう一つ何かを加味した感覚がある
それが 彼の育ったボヘミアの味なのかもしれない
全ての曲に そして博子さんのピアノを弾く姿に
本当に心を揺さぶられた
心に沸いた熱い思いが冷めないまま
私は ホールの外に出た
ふと見上げると 夜空に星が 一つ…
バスを降りてコンサート会場まで来るのには 傘が必要だった
だけど今 星が…
暗くて空の様子がどうなっているか はっきりとは分からないけど
今まさに その星は輝いている…不思議な気がした
いい時間を過ごせて 良かったね
そう語り掛けてくれている気がした
それぞれの楽器を奏でている人の 神々しく見える姿
そこに生み出される 心ふるえる音 響き…
心の奥の熱さを 身体中に感じながら
初冬の 冷んやりとした 空気の中を歩いた
時折立ち止まって 星を見上げながら
バス停までゆっくり 歩いて行った