天気予報では 雨とくもり……

みんなで出かける旅に せめて激しい雨にならないよう 祈っていた

 

これまで 還暦や古希など 何も特別の日を過ごしてこなかったのに

今年 娘たちが率先して 喜寿のお祝いの旅を計画してくれた

娘たちとその夫たち 孫たち全員による 初めての旅だ

 

だけと予報では あまりいい天気ではないあせる

おまけに 2日前の夜 孫娘のひとり ユウたんが発熱

翌日には38.4℃まで上がってきたショボーン

 明日はもうユウたんは行けないかなぁ

 そうなると 熱のある子を一人ではおけないから

 お父さんも参加できないよね…

 

けれどもその夜 寝る前に 何と37度台に下がってきた… 行けるかも…

そして当日の朝には 36度台に(やった~!)

もちろんまだ少し 風邪っぽいけど とにかく一緒に行けるね 良かった!

 

妹娘の家に泊まっていた私は 妹組の車に乗り 

大学生の息子の部屋に泊まっていた お姉さん組の一行とは 神戸 SAで合流

なんと あんなに心配した雨も  降っていないアップ

 

前日まで発熱していたユウたんが参加できたことと お天気に恵まれたことだけでも

もうすでに私の心は はずんでいた

 

車の中で しみじみと思う

忙しい中 色々と計画を立てて手配してくれた娘たち

主要な立場での仕事を休み 加わってくれた娘の夫たち

孫息子の Yくんは、私のために友人たちより早く海外旅行から帰国してくれた

お婆ちゃんのために…… 本当に ごめんね

でも彼は 誤る私にも 涼しい顔で笑っていた

 

淡路島では コテージを隣り合わせて 2件借りてくれていた

かなり広くて 設備も整っている

寝る時以外は 一つのコテージに集まって みんなで過ごした

次女は 備品を細かく点検して 足りないものを自宅から持って来ていた

 

ディナーは オードブルを1品注文していたが

現地で調達した みごとな牡蠣や おいしい肉を 

夫たちが 張り切って調理してくれた

その出来上がりの 素晴らしさに みんな大喜び

長女は手際よく キッチンの整理をしてくれる

 

大盛り上がりの食事が 終わりに差し掛かったとき

小学生ふたりのパフォーマンスが始まった

随分前から携帯電話で打合せをしていたようで 楽しく可愛い演技だった

そして…

 

「さあ、記念品の贈呈です」 と長女の声

可愛いふたりが 包みを渡してくれた

 

何だろう あれ? 四角くて何か固い…

開けてみると…… 信じられなかった

そこにあるのは 一冊の本…いえ、よく見ると 手作りの冊子

 

『木の葉の ささやき』

 

そのタイトルに 一瞬 何が起きたのか分からなかった

胸の鼓動が 激しくなる 開ける手が震える 

それを見たあと しばらく絶句…

 

何と 娘たちが手分けして 私のブログをワードに落とし込み

表紙のデザインを決め、用紙を選び 印刷などもして 製本してくれていた

きれいに製本された その本は 例えようのない 美しさに輝いていた

 

毎日まいにち 仕事と子育てで忙しくしている あなたたち

いつ こんなことしたの…?

どんなに 大変だったか

 

でき上がりを この日に合わせて 頑張ってきた二人には お礼の言葉もない

だって以前は 私がこの世を去った後に 「遺稿集」出してあげるねって

言ってたじゃないの!!

それが 今…

 

そんな熱い思いを胸に抱いて 

楽しそうに盛り上がっている みんなの姿を 眺めていた

大学生になった Y くんはポーカーが大好き

ポーカー用の チップをケースに入れて持って来ていて

お父さんやお母さん おじさんおばさんたちに 丁寧に教えながら

中学生たちには 優しくアドバイスしながら ゲームは続く

入れ替わりしながら 5~6人ずつ 楽しんでいた

 

その横のテーブルで 私は みんなを眺めたり 小学生とトランプしたり

 

翌日は 気温が少し低かったものの

心配していた雨にはまったく合わず 島の自然を大いに満喫できた

淡路ファームパーク、イングランドの丘では

春の花が咲き乱れ 新しく芽吹いた緑とみごとに調和している

 

大人たちが お土産を買っている間

女の子たちは 敷地内の草むらに 輪になって座り

楽しそうに手遊びのゲームをしている

その姿が何とも微笑ましい

 

大学生のお兄ちゃんは 時折 小学生組をからかったりして 

相手をしてくれている

 

ファームパークの動物園は 色々な種類が揃って充実していた

ユーカリを食べるコアラを あんなに間近で見たのは初めてだった

 

小高い丘には おいしそうに草を食み のんびり日差しを浴びる羊たち

昔読んだ物語に出てくるような 牧歌的な雰囲気に満ちていて

とっても癒される光景だった

様々な珍しい鳥たちも みんなの目を楽しませてくれた

 

ただ 爬虫類館には足が向かず 一人でベンチに坐って みんなを待った

そうやって一人になると 昨夜みんなの前では押し殺していた感情が噴き出して

有難くて 涙がこぼれた

こんな素晴らしい時を作ってくれた一人ひとりに

心から湧き上がってくる 感謝の気持ちを伝えたい

 

でも この気持ちをどう表したらいいのだろう

私には 伝える言葉が 見つからなかった

 

…………

 

 

あの日から 私は枕もとに その冊子を置いている

毎晩それを抱きしめて 感謝してから眠りに就く

 

両手の中のその冊子からは ずっと温かいぬくもりが伝わってくる

 

もう 何日も経った今でも 変わらない感動が伝わってくる……

 

 

参加してくれたみんなの優しさに

この旅を一層素敵なものにしてくれた お天気に

見えない存在の大いなる力に 

 

ただただ感謝……